午前10時前、小雨の降る中、藝大美術館入口に会員17名が集合。
整列し、開館を待つ。ドアが開き、各自入場券を求めた後、ホールの
隅に集合。中嶋莉恵さんとご挨拶を交わす。
中嶋さんとは6月のBAC定例会で講演して頂いて以来の再会となる。
皆さん懐かしさで、にこにこし、また来て頂いたことに感謝した。
中嶋さんとの昼食を楽しみにし、いよいよ入館。先ずは、地下2階の
第一展示室。最初に目に入ったのは「厨子入りの勒菩薩半跏像」。
快慶の作風を思わせるような凛々しいお顔立ちの像。
厨子に描かれた諸尊像の彩色が見事に残っている。前面の扉には
無著、世親の像があり、さながら興福寺北円堂の仏像配置を連想
させる。
また、12人の護法善神扉絵の彩色も見事。形姿がくっきりと分かり
見応えがあった。この12人の組み合わせ基準は何だろうか。
梵天・帝釈天、四天王の他に、閻魔、阿難、玄奘三蔵も入っている。
次に、地下2階の第二展示室に移動。こちらは板彫十二神将が
展示されている。この像は元々東金堂本尊の台座を飾っていた
そうだ。これだけの像が飾る台座も見事であったろうと想像される。
この像は3体ずつ4面に展示されているが、干支の順には配置
されていない。像の動きを加味し、バランスよく配置されている
ようだ。合掌する真達羅大将(寅)を真ん中にし、向かって右に、
招杜羅大将(丑)、左に伐折羅大将(戌)の配置はまるで三尊像
のような形になっていた。落ち着いた印象を与える。
私が好きな像は迷企羅大将(酉)だ。片足を上げて、口を大きく
開いた姿は、躍動的であり、一番力強さを感じる。
最後に、3階の第三展示室に移動。仏頭と十二神将の展示され
ている。入口を通ると、正面奥に鎮座する仏頭が目に入る。入口
右手から干支の順(反時計回り)に十二神将が並んでいた。
十二神将は頭上にある干支の動物も、見どころの一つだ。最初に
目にしたのが毘羯羅大将(子)。このユーモラスな風貌が強烈な
インパクトだ。こちらの十二神将では一番のお気に入り。
顔立ちで好きなのは波夷羅大将(辰)、彩色が見事に残る安底羅
大将(申)も良い。形相に凄みを感じる伐折羅大将(戌)も印象深い。
仏頭はどの角度が良いかそれぞれ、角度を上下左右に移動して
眺めた。やはり左45度前後の角度が良いのではないかと思われる。
真後ろからも拝観したが、少し痛ましい。
一番奥には、同じ白鳳期の像として、深大寺の釈迦如来倚像が展示
されていた。こちらの像も素晴らしい。しかし、高貴な感じは、仏頭の
方が一枚上のように思える。
余韻に浸りながら、1階のホールに戻り、11時半の集合時間を待った。
中嶋さんも再度お見えになった。全員が集合したところで、昼食の場所
へ移動した。藝大の食堂は一般の人にはまだ開放されておらず、次に
近くのデニーズへ中嶋さんのご案内で向かった。
参加者16名、全員日替わりランチを頼み、楽しく歓談した。皆さんから
中嶋さんへの質問も交え、和やかなひと時を過ごす。
藪内先生はイベントや講演会も多く、中嶋さんもその準備に大忙しの
ようだ。近々福井へのご出張もあり、講演もされるとのこと。
「中嶋さんもNHKのテレビに出て有名人になり、色々、引っ張りだこで
しょう」と言いましたところ、「NHKに出たお蔭で、皆さんとお知り合い
になれたことです」とのお言葉でした。本当に嬉しく、有難いことです。
BACは今後も〝莉恵ちゃん先生″をしっかり支援して行きましょう。
昼食後、帰り道に撮影
(全員の記念撮影できず、残念)