「仏像の魅力を楽しむサロン」特別講演会として關先生の講演会を開催!
参加者45名と会場がいっぱいとなる。最初に荻窪東館を管理運営する
NPO法人シニア総合研究協会の岸理事長からご挨拶があった。
荻窪東館では約20のサロン(講座)を準備しており、ぜひ気に入ったもの
があれば、ご利用いただきたい旨話された。
關先生の講演会タイトルは『野外仮面宗教劇<迎講(むかえこう)>の
世界ー極楽へ誘った阿弥陀像を中心にー』
今回は本題の前に仏像との接し方についてお話し頂いた。「拝観」「鑑賞」
「観察」の違いも理解できた。専門家でもない我々一般人は絶えず「拝観」
の気持ちで接することが相応しいと感じている。
また、具体的な仏像との接し方においては7つのアプローチをご紹介
された。大変興味深く拝聴し、個人的には歴史的アプローチが好きで
あり、寺院の縁起と関連付けることで理解も深まるように思える。
また、美術史的アプローチでは「時代中心」と「材質技法」を縦軸、横軸
に分類し、分類毎にアプローチすると良く整理できるように思える。
個人的には、奈良の国宝仏は美術史的アプローチ、京都の国宝仏は
寺院中心の歴史的アプローチで接することが多い。
本日のメインテーマ 「迎講」については、パワーポイントでの映像を通し
歴史的変遷を詳細に解説頂いた。明快な解説に、皆さん満足されていた。
今回が二度目の拝聴となる方からは、また新たな気づきがあり、理解が
一層深まったとの声が多く聞こえた。
迎講の主役が阿弥陀面⇒着装の迎講阿弥陀像⇒被り仏迎講阿弥陀像
へと変遷して行ったこと、迎講の名称も迎接会・来迎会、次にねり供養と
なって行った。
臨終のための準備が布教のための法会に変わり、更には仮装行列での
先祖供養へと目的も変遷して行ったとのことだ。来世の阿弥陀さまより
現世利益のお薬師さまと言うことだろうか。迎講も時代を反映して、変化
を遂げていることが良く分かる。
關先生のご尽力で迎講復活の寺院が出てきているそうだ。日本の貴重な
文化遺産が存続することは素晴らしい。穏やかな最期を迎えるためには
何が必要か。迎講が多くのヒントを与えてくれている。
東博で開催中の日本国宝展はテーマが「祈りと信じる力」。国宝指定品を
概観したとき、神や仏に対する信仰の所産が大きな核をなしているという
ことが分かり、そのようなテーマに決まったようだ。(日本国宝展図録より)
当初の迎講には国宝展のテーマと相通じるものを感じる。祈りや信仰こそ
文化を生み出す源泉と言える。仏像を拝観する時は、その造形美だけで
なく、今までその仏像が受け止めて来た祈りや信仰に思いを馳せ、また
その仏像を大事に護り続けて来られた方々に感謝し、拝観することでまた
違った感じ方ができるのではないか。
關先生、ご参加の皆さん、お手伝い頂いた会員の皆さんへ深謝・合掌!
途中パソコンの不具合でのご迷惑をお掛けした点お詫びします。