2015年7月30日木曜日

高井戸地域区民センターでの講演会2日目開催


高井戸地域区民センター協議会主催の講座(2日目)が開催となった。
うだるような暑さにも関わらず、1日目(16日)同様60名を越える
ご参加があった。

「前回、ご紹介頂いた本を早速買いました。分かり易く、興味が
湧いてきました」と、ご挨拶に来られる方や、
「別会場での講演会に出て、面白くなり、また参加しました」
と言われる方など、始まる前から元気を頂きました。

今回のテーマは2つ。仏像の見分け方のポイントとして「印相」と「持物」に
スポットを当てること。もう一つは杉並区の仏像をご紹介すること。

印相については「釈迦の根本五印」として
「説法印」「施無畏印」「与願印」「定印」「降魔印(ごうまいん)」
について解説した。

その他の代表的な印として
「智拳印」「来迎印」「刀印」「思惟手」「合掌印」をご紹介した。
釈迦の根本五印        その他の代表的な印
 
また、阿弥陀如来の九品来迎印については、世田谷の九品仏浄真寺を
例にして、上品上生から下品下生までの九通りの印相をご紹介した。
 九品来迎印
 
印相が如来中心のチェックポイントであるならば、
持物は菩薩、明王、天部の仏像を見分ける上で、
大きな手掛かりとなる。
 
最初に代表的な持物をご紹介し、その後に
具体的にどの仏像の持物か、言及した。
代表的な持物
 
最後に、杉並区の文化財仏像についてご紹介した。
文化財の総件数は143件。
そのうち、仏像彫刻件数は16件(神像1件含む)となる。
杉並区の文化財概要         文化財の仏像
 
皆さん、熱心にお聴き頂きました。お薦めの仏像は、
どこに行ったら良いかとの質問を受けました。
京都で言えば、「東寺」「三十三間堂」「広隆寺」「仁和寺」「智積院」を
推薦しました。個人的な好みです。
 
最後に、「仏像愛好倶楽部」と「シニア総合研究協会」で検索され、
ブログやHPをご覧くださいとPRさせて頂いた。
 
 

2015年7月23日木曜日

真言宗豊山派大本山 護国寺(文京区)を拝観!

 

10時、護国寺仁王門に集合。参加者14名。
小雨がぱらつく中での参拝となる。
今回がBAC2度目であり、じっくり拝観しようと計画して訪れた。
地下鉄有楽町線の護国寺駅を出ると直ぐに仁王門がある。
仁王門               境内案内図

吽形                  阿形
 
仁王門を通り、境内右手に「大本山護国寺の縁起」と言う
解説板が立っている。
 
「創建は天和元年二月(1681年)、五代将軍徳川綱吉が、
その生母、桂昌院の発願により、上野国(群馬県)碓氷八幡宮の別当、
大聖護国寺の亮賢僧正を招き、開山とし、(中略)、
桂昌院念持仏の天然琥珀如意輪観世音菩薩像を本尊とし、」
と書かれている。
 
護国寺の祖師は 宗祖・・弘法大師空海 中興祖・・興教大師覚鑁 
派祖・・宣誉、そして、開山が亮賢となる。
 
参道を進むと、両側に大きな蓮の葉の形をした水盤が
対になって置かれている。
解説板には桂昌院が寄進されたと書かれている。
元禄十年(1697年)頃に鋳造されたとのことだ。
左手の水盤には水が張られ、右手は空の状態だった。
参道を進む           「唐銅蓮葉形手洗水盤」解説文

水の張った水盤(左)          カラの水盤(右)
 
次の門(不老門)に向かって階段を登って行くと、
右手に石造六地蔵立像が並んでいる。
 
一言地蔵尊(ひとことじぞう)、一言だけの願いを
聞き届けるおじぞうさまと書いてある。
手に持っている物がそれぞれ異なる。
手前から「錫杖と宝珠」、2番目が蓮華、3番目が数珠、
4番目は合掌して、何も持たない。5番目は柄香炉か(?)。
一番奥が宝珠。
 
この先に、大師堂があり、直ぐそばに、独尊の一言地蔵尊が
お堂の中に祀られていた。
赤い着衣を身に着け、周りも色鮮やかに飾られていた。
六地蔵の一言地蔵尊       お堂の中の一言地蔵尊
 
不老門の左手前には金剛力士像と思われる像が
単独で睨みをきかせている。
 
通常は阿吽で祀られ、仁王像となる。
単独の場合は執金剛神言う。
 
口の開きも微妙な具合だ。
阿でも、吽でもない。不老門を通り、更に進む。
               執金剛神           不老門
 
右手に大仏が鎮座されている。「この大仏のお名前は?」と
質問を投げかけた。
服装から見て、如来であることは間違いない。
次に印相から判断して、釈迦如来となると解説した。
(胎蔵界大日如来も同じ印相)。
 
仏像の後ろに明記された文字を確認のところ、正解であった。
釈迦如来坐像           本堂へ向かう
 
本堂(観音堂)の中に入り、参拝を済ませ、その後、
堂内をゆっくり拝観した。
 
「悉地院」の扁額は綱吉の記した文字とのこと。
癖のない堂々とした文字に感心する。
 
手作りの仏像配置図を準備して、じっくり拝観しようと
計画していたエリアが立ち入り禁止となっていた。
今年の4月から、文化財保護のために、制限するようになったとのこと。
当てが外れて、ちょっとがっかり。
 
この本堂は重要文化財の建造物。戦争で焼失した建物が多い中
良く残ったものだと、感心する。本堂を背に記念撮影をした。
 記念撮影
 
次に、向かった先は墓所。井戸さんのご案内で墓所内を巡る。 
山縣有朋 墓所         大隈重信 墓所
 
三条実美墓 解説文              墓所
 
ジョサイア コンドル墓解説文           墓所
 
侯爵 久邇邦久 墓所   
  
護国寺の拝観を終え、お茶の水女子大学 学食での昼食案も出た。 
しかし次に向かった先は音羽御殿の鳩山会館。
音羽と言う町名が奥女中の音羽(おとわ)に由来したことを、
初めて知った。そのことが旧町名案内に書かれていた。
旧町名案内
 
鳩山会館まで暫く歩き、会館の門に到着。
この門からの坂は勾配が急であり、ご年配の方々にはちょっとつらい。
入館料は65歳以上が500円。椅子に腰かけ、寛ぐ。
鳩山会館の入り口            会館

観覧後、近くのファミレスで12名がランチタイム。
ワイワイガヤガヤ楽しいひとときを過ごす。
今日も一日お疲れ様でした。感謝!

2015年7月17日金曜日

7月定例会は井戸さんが講師の「神社Part2」


7月定例会参加は20名。今回のメインテーマは井戸さんが講師の「神社Part2」。
朝比奈さんの進行、6月参拝寺院の成田山新勝寺について、感想を尋ねられた。
本堂となる堂宇が改められながら、前の本堂が名前を変えて存続している。重要文化財
に指定された建造物が多いことを裏付けている。

山森さんは、いにしえの青を求めて、中国の敦煌、莫高窟を旅行された。旅の感想を
ご披露され、合わせて仏像・仏画の写真を見せて頂いた。詳細はPPTにまとめて12月に
ご発表して頂く。

井戸さんの「日本の神社Part2」は神社の境内図解説から始まった。鳥居の外に
いる狛犬はもともと建物の中にいて、石造でなく木造だったようだ。境内の建造物に
ついて、質問も沢山出て、活発な学習会となった。

井戸講師 「神社についてPart2」学習会

拝殿、神殿、末社、摂社、祠、富士塚、鎮守の杜など体系的に知ることができた。
鳥居の構造や種類も興味深い。鳥居の語源についても諸説あり、鳥が止まり木
に居ることから「トリイ」、通り入るから「トリイ」、ストゥーパ(仏塔)のトラナ(門)を
音写して「トリイ」となったなどの説を紹介された。面白い!
レジュメP1           
鳥居の構造  / 神社の境内図 
 
一番上の横木(笠木)の形によって鳥居が大きく2種類に分かれるそうだ。
笠木の反った鳥居は「明神系鳥居」、笠木が反っていない鳥居は「神明系鳥居」。
これからは、鳥居の笠木を観察して行こう。
 
灯籠は、奈良時代の初めに朝鮮半島から仏教とともに伝来し、寺院にのみ供え
られるものだった。神仏習合によって、神社の境内にも置かれるようになったとの
ことも学んだ。
レジュメP2
灯籠    /  2系統の鳥居
 
最後に、全国的に有名な神社の鳥居をスクリーンに映し、鑑賞した。 
 
宇佐神宮 大鳥居
 
伊勢内宮 新鳥居         伊勢外宮 新鳥居
 
大宰府天満宮 鳥居
 
伏見稲荷 第二鳥居
 
熊野速玉大社 鳥居        熊野那智大社 鳥居
 
熊野本宮大社 鳥居
 
5神社のうち、反りのない笠木は伊勢神宮だけ。神明系は少ないのかな?
神明系? 明神系? 都内の神社はどうだろうか? チェックが楽しみ!!


7月の参拝寺院 護国寺について、説明した。護国寺創建の発願者は五代将軍
徳川綱吉の生母桂昌院。「玉の輿」の語源にもなったと言われるお方だ。(別の
説もある。)京都の八百屋さんの娘・お玉さんが三代将軍家光の側室となり、綱吉
を生むこととなる。そして、将軍の母となる。

綱吉は将軍になる前は、わが故郷の館林城、城主。何となく、親しみを感じる存在
であり、生母の桂昌院についても、もっと知りたい。

護国寺本堂の仏像配置図をお配りした。以前に参拝した直後、作成した図。
今まで以上にしっかり拝観して来よう。

 
 

2015年7月16日木曜日

高井戸地域区民センター 「仏像の楽しみ方入門」開催


高井戸地域区民センター協議会主催「仏像の楽しみ方入門」が
開催された。3階の講義室は60名以上の参加者。定員50名の募集に
倍以上の応募があり、少し定員枠を広げたようだ。
ゆったりとした会場で、スクリーンも見やすい位置にセットできた。
男性の人数がいつもに比べて多いように思われた。
(会場の様子)

男性の参加が多いことは、好ましい。シニアの男性は女性に比し、
あまり積極的に外出をされないように思う。
 
仏像にご興味を持たれ、寺社、博物館を訪れる機会が多くなり、
お楽しみが増えることに繋がれば、嬉しい。
 
最初に仏像との接し方をご紹介した。「仏さま」と「文化財・美術品」の
違いは何か。本堂に祀られている仏像と、博物館に展示されている
仏像の違いは? その区別は難しい? 問題提起に留めた。
仏像の接し方
 
4年前の7月、福島県勝常寺を参拝した時のことをお話した。
本尊の国宝・薬師如来坐像は本堂に鎮座。
脇侍の日光・月光菩薩立像は収蔵庫に保管されていた。
本尊と脇侍が別々になっている。
 
本尊も収蔵庫に安置していたが、本尊は本堂に安置してほしいと、
檀家の人々からのご要望で現在のような形になったようだ。
 
文化財として保護するか、ご本尊の仏さまとして礼拝を受けるか。
悩ましい問題だ。
 
「仏像の見方」について、基本的なことをお話した後、
名前のルールについて触れた。
具体名を挙げ、問題をお出しした。
「如来」「菩薩」「明王」「天」のいずれか?
(仏像名をあいうえお順に列挙)
 
お名前とお顔が一致すると親しみが増す。
ぜひ、お名前を覚えてくださいとお伝えした。
 
次回は仏像のお名前を特定する手がかりとなる、
「印相」と「持物」のお話。
また、杉並区指定・登録の文化財となっている仏像を
ご紹介させて頂く。
 


2015年7月11日土曜日

豪徳寺、松陰神社を参拝!

朝から蒸し暑い。10時豪徳寺駅前に集合。
本日の参拝寺社は豪徳寺と松陰神社。
今年のNHK大河ドラマに登場した井伊直弼と
吉田松陰所縁のお寺と神社。

豪徳寺駅の改札口を出ると招き猫が迎えてくれる。
豪徳寺を招き猫発祥の地とする説があるとのことだ。
豪徳寺駅前の招き猫
 
商店街を抜け、歩くこと15分。
大谿山(だいけいざん) 豪徳寺と刻まれた門に到着する。
境内に入ると、参道の先に大きな香炉が見える。
香炉を背負う邪鬼は愛嬌のある表情をしている。
ちょっと気の毒になる。左手には三重塔がすっとした姿で立っている。
一層目の軒下には干支の動物が彫られている。
 大谿山豪徳寺の門            参道の先に大香炉 

大香炉を支える邪鬼       優美な姿の三重塔
 
仏殿には三世仏(阿弥陀、釈迦、弥勒)と
大権修利菩薩像、達磨大師像が祀られている。
窓越しでは暗くて特定が難しい。
これらの像は五百羅漢寺の五百羅漢像を制作した仏師・
松雲元慶の作と言う。
ぜひ、間近で拝観したいものだ。
(ネットからの画像)
 境内の案内図            仏殿の三世仏
 
豪徳寺に奉納された招き猫。数の多さに驚く。
願が成就したお礼として納められたとのこと。
 
次に向かった先は井伊家の墓所。
今回もボランテイァ解説者のような方と巡り会う。
鷹の写真を撮られている方と言葉を交わすうちに、
墓所内を案内して頂くことになった。
 
豪徳寺の歴史や井伊家に関連することなど大変良くご存知だ。
今回も、先月に引き続き不思議なご縁となった。
井伊直弼の墓石近くで、解説に耳を傾ける皆さん
 
歴代住職の墓石、正面が開山
 
豪徳寺を後にして、向かった先は松陰神社。
井伊直弼指揮の「安政の大獄」で刑死した吉田松陰が祀られた神社。
非業な死を遂げた人物は神となる。

松陰神社の鳥居            神社の解説

参道を歩くと、右手に松陰のブロンズ像が安置されている。
聡明そうなお顔が印象的。
この像は、靖国神社の大村益次郎像と同じ彫刻家の作とのこと。
 松陰ブロンズ像            像の解説

松下村塾の解説         石燈籠の解説

山口県萩市の現存遺構を忠実に模した建築が松下村塾レプリカ。
こんなに狭い部屋で大勢の塾生を指導したのかと感心する。
最後に記念撮影をした。
 
参拝を済ませ、昼食のお店を探して 、松陰神社前駅方面へ向かう。
運よく全員入れる店が見つかる。貸切状態となる。
「炭火魚串 吉良」 リーゾナブルで美味。
今日も楽しい一日でした。深謝。