2020年3月23日月曜日

2020年 新たに彫刻2件が国宝指定‼


新型コロナウイルス感染防止の観点から、仏像の学習会や
寺社、美術館・博物館への訪問もすべて休止している。

そのような中、3月19日に本年、国宝に指定される文化財
の報道があった。これは、文化審議会が文部科学相に答申
したもの。

彫刻部門では2件、京都・法金剛院の阿弥陀如来坐像1躯
と 奈良・法隆寺金堂の天蓋3箇。国宝指定の解説は❶、
該当仏像及び天蓋の画像は❷に掲載。

阿弥陀如来坐像は待賢門院璋子(たいけんもんいんたまこ)
を願主として創建された法金剛院の本尊であり、作者は、
定朝直系の院覚(いんがく)と解説文にある。

法隆寺金堂の天井に懸垂される箱型天蓋は、中の間、西の間
再建金堂と同時期の7世紀後半に造られている。東の間分
は、鎌倉時代運慶の第四子、康勝(こうしょう)が制作に
関与しているとのことである。

康勝は西の間に安置されている阿弥陀如来(重文)の製作者で
あり、東寺御影堂の弘法大師坐像(国宝)や、六波羅蜜寺の
空也上人立像(重文)の作者としても知られている。

院覚は院派、康勝は慶派であり、両者とも定朝三派の流れを
組む(❸、❹)。

❶文化審議会答申の解説   ❷国宝指定の仏像、天蓋

❸定朝三派仏師         ❹慶派仏師

新国宝や新重文となった文化財は毎年東京国立博物館に
展示される。残念ながら、コロナにより目下休館となって
おり、お目に掛れない。「法隆寺金堂壁画と百済観音」の
特別展も延期となる。一刻も早い終息を願うばかりだ。

毎年更新している、都府県別国宝仏像等の件数を一覧に
まとめた(❺)。(件数は正確ながら、員数は統計により
違いがある)
❺都府県別国宝仏像等一覧