2014年11月29日土曜日

荻窪東館にて關先生講演会開催!


「仏像の魅力を楽しむサロン」特別講演会として關先生の講演会を開催!
参加者45名と会場がいっぱいとなる。最初に荻窪東館を管理運営する
NPO法人シニア総合研究協会の岸理事長からご挨拶があった。

荻窪東館では約20のサロン(講座)を準備しており、ぜひ気に入ったもの
があれば、ご利用いただきたい旨話された。

關先生の講演会タイトルは『野外仮面宗教劇<迎講(むかえこう)>の
世界ー極楽へ誘った阿弥陀像を中心にー』

 
今回は本題の前に仏像との接し方についてお話し頂いた。「拝観」「鑑賞」
「観察」の違いも理解できた。専門家でもない我々一般人は絶えず「拝観」
の気持ちで接することが相応しいと感じている。
 
また、具体的な仏像との接し方においては7つのアプローチをご紹介
された。大変興味深く拝聴し、個人的には歴史的アプローチが好きで
あり、寺院の縁起と関連付けることで理解も深まるように思える。
 
また、美術史的アプローチでは「時代中心」と「材質技法」を縦軸、横軸
に分類し、分類毎にアプローチすると良く整理できるように思える。
 
個人的には、奈良の国宝仏は美術史的アプローチ、京都の国宝仏は
寺院中心の歴史的アプローチで接することが多い。
 
本日のメインテーマ 「迎講」については、パワーポイントでの映像を通し
歴史的変遷を詳細に解説頂いた。明快な解説に、皆さん満足されていた。
今回が二度目の拝聴となる方からは、また新たな気づきがあり、理解が
一層深まったとの声が多く聞こえた。
 
迎講の主役が阿弥陀面⇒着装の迎講阿弥陀像⇒被り仏迎講阿弥陀像
へと変遷して行ったこと、迎講の名称も迎接会・来迎会、次にねり供養と
なって行った。
 
臨終のための準備が布教のための法会に変わり、更には仮装行列での
先祖供養へと目的も変遷して行ったとのことだ。来世の阿弥陀さまより
現世利益のお薬師さまと言うことだろうか。迎講も時代を反映して、変化
を遂げていることが良く分かる。
 
關先生のご尽力で迎講復活の寺院が出てきているそうだ。日本の貴重な
文化遺産が存続することは素晴らしい。穏やかな最期を迎えるためには
何が必要か。迎講が多くのヒントを与えてくれている。
 
東博で開催中の日本国宝展はテーマが「祈りと信じる力」。国宝指定品を
概観したとき、神や仏に対する信仰の所産が大きな核をなしているという
ことが分かり、そのようなテーマに決まったようだ。(日本国宝展図録より)
 
当初の迎講には国宝展のテーマと相通じるものを感じる。祈りや信仰こそ
文化を生み出す源泉と言える。仏像を拝観する時は、その造形美だけで
なく、今までその仏像が受け止めて来た祈りや信仰に思いを馳せ、また
その仏像を大事に護り続けて来られた方々に感謝し、拝観することでまた
違った感じ方ができるのではないか。
 
關先生、ご参加の皆さん、お手伝い頂いた会員の皆さんへ深謝・合掌!
途中パソコンの不具合でのご迷惑をお掛けした点お詫びします。
 
 

2014年11月27日木曜日

東博 日本国宝展は長蛇の列


昨日までと打って変わり、温かく穏やかな日となる。10時、東博入口に
集合すると、すでに入館を待つ人、観覧券を購入する人と、長蛇の列が
できていた。これだけ混雑なら、観覧終了の時間が予測できない。今回は
観覧後の昼食会は取りやめにし適宜散会とさせて頂いた。参加者13名。
会場入館に並ぶ長蛇の列
 
建物の間からスカイツリーが姿を見せる

東博での国宝展は過去3回開催され、今回が4回目となるようだ。過去3回
は昭和25年施行の文化財保護法から10年、40年、50年の記念事業で
実施された。今回はテーマを「祈り、信じる力」とし、国宝を信仰という観点
から展示したとのことだ。

建造物と美術工芸品を合わせた有形文化財の国宝は現在1092件であり、
このうち1割強の119件が展示されるとは凄い!
 
ただ仏像彫刻について限れば、国宝128件中6件8軀であり、若干少ない
ように感じる。(前期、後期を通すと7件9軀)
展示された像は次の通り。
法隆寺 金堂    興福寺 東金堂
広目天立像      多聞天立像
 
奈良国立博物館     大倉集古館
薬師如来坐像    普賢菩薩騎象像
 
三千院
勢至菩薩坐像  観音菩薩坐像
 
安倍文殊院
仏陀波利立像  善財童子立像
 
法隆寺金堂 広目天のお顔はいかにも渡来系。光背が頭に密着してあり、
ちょっと可愛そうな気にもなる。興福寺東金堂 多聞天は10月堂内で拝観
した時に比べ大きく見えた。周りとの比較で随分違って見える。
 
奈良博の薬師如来は平安時代の作でありながら、薬壺を持っていない。
当初から無いのではなく、紛失か。大倉集古館の普賢菩薩は何度もお目
にかかっており、ここまでお越しですかと声をかけたくなる。
 
三千院の観音菩薩、勢至菩薩のお顔が優しく、また、大和座りの姿勢が
本当にお迎えに来てくれそうに感じる。安倍文殊院の仏陀波利三蔵は
インド人のお顔か? 彫りが深く、苦行僧の迫力がある。善財童子の振り
返る姿が非常に純真な印象を受ける。
 
三千院、安倍文殊院ともまだ参拝ができていない寺院であり、今回お目に
かかれて大変嬉しい。すべての国宝仏拝観を願っている者として、展覧会
は有難い。
  
 
 

2014年11月21日金曜日

奈良古刹巡り 体験レポート

11月定例会は27名の参加。10月25日~27日実施の奈良古刹巡りを
体験レポートした。
25日(土)は不退寺、海龍王寺、法華寺、夜間に奈良博の正倉院展。
翌26日(日)は西大寺、秋篠寺、薬師寺、大安寺、東大寺(法華堂のみ)。
最終日27日(月)は白毫寺、新薬師寺、不空院、興福寺と総数12の寺院
を参拝した。
参拝した寺院
 
<写真に撮った案内図>
 
不退寺・海龍王寺・法華寺
(北を上に回転)

 
秋篠寺・西大寺・薬師寺
 

興福寺・東大寺
 
(北を上に回転)
 
 
白毫寺・新薬師寺・不空院
(北を上に回転)
      

古刹の楽しみ方として、歴史を理解しておくと味わい深くなることを話した。
「誰が、いつ頃、何のためにお寺を建立したか」を押さえておくと、拝観の
視点が違ってくるように思える。
 
そこで歴代天皇家の系譜を中心にして奈良時代の歴史について解説した。
親から子へと皇位が引き継がれないときに何かしらの事件があったと想像
される。天皇家と藤原氏との関わりも興味深い。藤原四家の盛衰も面白く、
没落しかけて、復権するのに天皇家との婚姻が大きく左右してくる。
 
第40代天武天皇の薬師寺、第45代聖武天皇の東大寺、第50代桓武天皇
の東寺と、それぞれ時代を反映しての建立と言える。白鳳から天平へ、更に
平安へと時代の流れを感じることができる。
 
藤原氏が関わることとして、「大化の改新」、「壬申の乱」後の大きな事件を
取り上げた。独断と偏見で選んだものであり、適切かどうかは分からない。
歴史を捉えながら寺院参拝することの面白さをお伝えしたかっただけだ。
 
第38代~53代までの天皇

 「長屋王の変」から「光仁天皇即位」まで
 
参拝寺院の略記
 
このような歴史を踏まえて、奈良古刹巡りの見どころを画像を見ながら
体験レポートを行った。
 
 不退寺・聖観音  海龍王寺・十一面観音    
 
法華寺・十一面観音   秋篠寺・伎芸天
 
東大寺・不空羂索観音  不空院・不空羂索観音
 
その他、素晴らしい仏像をたくさん拝観。京都と違った奈良の魅力を満喫。
 
 
 
 

2014年11月5日水曜日

ゆうゆう荻窪東館にて關信子先生講演会開催します!


著名な美術史家 關信子先生の講演会(第二弾)開催が決定!!
質疑応答のお時間もお取り頂き、仏教美術の親しみ方が更に深まること
を願っています。

講演会案内チラシ

今回の講演会はNPOシニア総合研究協会主催「仏像の魅力を楽しむ
サロン」(主宰者:木村)の特別講演会として開催されるものです。

シニア総研では教室でのコミュニケーションを重視するため、あえて「講座」
と呼ばずに、「サロン」と称しています。

杉並区から委託され、現在協働事業として約20のサロンを開いています。
東洋、西洋の交わる「知的で楽しいコミュニティサロン」として文化芸術、
生涯学習などのサロンを揃えています。
現在開講中のサロン
本年9月区役所ロビーに展示

シニア総研のHP: http://www.sugi-chiiki.com/npo-risa/