2018年1月30日火曜日

日本の伝統文化とは? お勧め図書2冊!


最近読んだ本で、成程と感心した本を2冊ご紹介します。

1.「天皇家のお葬式」(大角 修著 講談社現代新書)
2.「天皇は今でも仏教徒である」(島田裕巳著 サンガ新書)

天皇家のお葬式が神式となったのが、明治以降であったとは
全く知りませんでした。

天皇が被災地や戦地を訪れるのは、仏教の「菩薩行」と考えた
方が理解しやすいとされる。全く同感です。

1              2

日本の伝統と言う言葉を良く耳にします。この本を読むと、今まで伝統と
思っていたことが必ずしも、伝統ではなく、むしろ強制的につくられたもの
ではないかとも思えます。

仏像好きの我々は、天皇(皇室)と寺院や仏像を関連づけて理解しながら
日本の歴史や文化に親しんでいます。

飛鳥から平安時代であれば、直ぐに思い浮かぶもので・・・
 聖徳太子 ⇒ 法隆寺 ⇒ 釈迦三尊像
 天武天皇・持統天皇 ⇒ 薬師寺 ⇒ 薬師三尊像
 聖武天皇・光明皇后 ⇒ 東大寺 ⇒ 盧舎那仏
 桓武天皇・嵯峨天皇 ⇒ 東寺  ⇒ 立体曼荼羅
 嵯峨天皇 ⇒ 大覚寺 
 宇多天皇 ⇒ 仁和寺
 醍醐天皇 ⇒ 醍醐寺  等々

平成の時代において、天皇陛下、皇后陛下が慰霊の旅をお続けに
なられるお姿に、いつも心を打たれます。
「日本の伝統とは何か」を良く考える年にしたいと思った新年です。
 
 
 

2018年1月7日日曜日

年始恒例 2018年は隅田川七福神 !


七福神めぐりも今年で6年目となる。過去の七福神めぐりは以下の通り。
 2013年・・・深川七福神、 2014年・・・東海七福神
 2015年・・・武蔵野吉祥七福神、 2016年・・・谷中七福神
 2017年・・・下谷七福神

1月6日(土)は風も無く、穏やかな、正に七福神めぐりに相応しい日和と
なった。集合場所は吾妻橋観光案内所(墨田区役所2F、アサヒビール
ビルの隣)。広場の隅には、勝海舟の銅像が建っている。
集合場所近辺のビル     広場の勝海舟像

会場前の広場で待っていると、数人ずつ集まり始め、予定集合時間の
10時に、総勢34名となる。予め作成しておいたグループ編成の名簿を
お渡しし、グループ毎に分かれて頂いた。

七福神めぐりスタート前に、先ずは、柔軟体操でウォーミングアップ。
先導・かけ声はウォーキング指導者の南さん。

「無病息災」「家内安全」「諸願成就」「世界平和」などの思いを胸に、
いよいよ、2018年『隅田川七福神めぐり』スタート!
出動前に柔軟体操       いよいよ出動

今回の参拝ルートは、三囲神社(みめぐりじんじゃ)、弘福寺(こうふくじ)、
長命寺(ちょうめいじ)、向島百花園(むこうじまひゃっかえん)、
白鬚神社(しらひげじんじゃ)、最後に、多聞寺(たもんじ)となる。

参拝寺社等の内訳は神社2、寺院3、都立庭園1の6カ所。お寺の宗派に
ついては、弘福寺…黄檗宗、長命寺…天台宗、多聞寺…真言宗。

1.三囲神社(大國神、恵比寿神)  
  「三囲」を「みめぐり」とはなかなか読めない。「みめぐり」の謂われは、
  出土した神像の周りを、白狐が現われ、三回巡り、消え去ったことから。
  「響きの良い読み方ですね」と感想を言われる方もいた。

  「三囲」「三井家」「三越」「三角石鳥居」など「三づくし」の神社だ。

  大國神と恵比寿神の二神像は別殿に祀られている。七福神めぐりでは、
  こちらの別殿をお参りする。

  大國神は神社においてであり、お寺ではインドに起源を持つ大黒天と
  なる。大国主命(おおくにぬしのみこと)の音読みが「だいこく」となり、
  大黒天の音が似ていることから、習合して大國神となったようだ。
三囲神社 本殿

大國神、恵比寿神を祀る別殿    大國神、恵比寿神の解説板

 2.弘福寺(布袋尊)
  本堂に掲げられた扁額には「大雄宝殿」の文字。黄檗宗の本山、
  京都・萬福寺では「だいおうほうでん」と読んだ。弘福寺でも同じ
  読み方で良いのだろうか?

  本尊は釈迦如来。布袋尊も本尊と同じ本堂に安置されている。
  七福神の中で唯一、実在人物であり、弥勒菩薩の化身と言われる。
  その風貌から些細なことに拘らない度量の大きさや愛敬のある親しみ
  を感じる。
弘福寺 本堂(大雄宝殿)

本尊・布袋尊像        布袋尊像の解説板

3.長命寺(弁財天)
  お寺の名前が「長命」とは、何と七福神らしく縁起が良いことか。
  寺名の由来は「三代将軍家光が腹痛に見舞われた際に、境内
  の井戸水で薬を飲んだところ治まった」とのこと。

  長命寺は七福神の中で、弁財天を祀っている。琵琶湖の弁財天
  の分身で、貧しい人を救い、財宝を与えてくれるとある。

  本来、水の女神、学問や音楽の女神で「弁才天」であった。
  「弁才天」が七福神に加わり、「弁財天」となり、財宝を与えて
  くれる女神となったようだ。人間の望み・願いが女神に新たな
  役割を加えたように思われる。

  境内には「伝教大師童子像」が建っている。伝教大師とは天台宗
  の宗祖・最澄のことであり、このお寺が天台宗であることが直ぐに
  分かる。みずらを結った聖徳太子像にも見える。
長命寺 本堂        伝教大師童子像

4.向島百花園 (福禄寿)
  七福神がなぜ、都立庭園の中に祀られているのか不思議に思える。
  それには、向島百花園の歴史を知る必要がある。

  百花園で頂いたリーフレットに解説が載っている。江戸時代末期に
  骨董商を営んでいた佐原鞠塢(さはらきくう)が開園した 
  隅田川七福神めぐりも、佐原鞠塢が交流のあった文化人達と発案し、
  始まったとのこと。

  しかも、佐原鞠塢が愛蔵していた福禄寿尊を百花園の百花園の神と
  して祀った。いわば、隅田川七福神の起源となった像と言える。
  
  拝観した福禄寿像は元旦から1月7日の期間限定であり、佐原鞠塢
  遺愛の品だそうだ。
向島百花園 福禄寿      福禄寿 ご尊顔

  園内で記念撮影をした後、集合時間を決め、暫く散策した。
向島百花園で記念撮影

園内を散策する皆さん       E・Fグループ集合を呼び掛ける 
  
南さんの小噺でクスクス笑い、一息。 

5.白鬚神社 (寿老神)
  百花園からすぐ近くに、白鬚神社がある。ここに祀る七福神は
  寿老神。お寺なら寿老人と書く。七福神誕生の際に、寿老人が
  見つからず、白鬚大明神を充てたとのこと。ちょっと安易な決定
  では?

  参拝の間に、鳶職による木遣唄の奉納に遭遇する。新年らしく
  清々しい気分になる。
 白鬚神社本殿        木遣唄奉納に遭遇

  次にゴールとなる多聞寺へ向かう。白鬚神社からの距離が1.5キロ、
  時間にして36分。ひたすら歩く。
帽子にDグループの旗を刺し、
ゴールの多聞寺を目指す

6.多聞寺 (毘沙門天)
  多聞寺の本尊は寺名の通り、毘沙門天(四天王で祀る時には多聞天
  と呼ぶ)。この像は弘法大師の作と伝えられるというからびっくり。

  スタート時間からすでに3時間を越え、1時を回っていた。少しお疲れの
  様子を目にする。毘沙門天の参拝を済ませ、暫く境内で歓談、休憩。
多聞寺の山門をくぐる      本堂に祀る毘沙門天像

多聞寺 境内で歓談

最後に、山門を出た参道に集合頂き、一言ご挨拶させて頂く。
ご参加の皆さんのご協力のお蔭で、七福神めぐりを達成できた。
今年一年、七福神のご加護で楽しく、元気にお過ごしください。(合掌)

解散後、最寄り駅の鐘ヶ淵駅から電車に乗り、浅草駅まで行く。
浅草で数人ずつに分かれ、昼食を取った。2時を過ぎているにも
関わらず、どの店も混雑。浅草は別格!

隅田川七福神の御朱印

6回目の七福神めぐりを終え、来年7回目も企画したい。