2013年5月24日金曜日

鎌倉 覚園寺、鎌倉宮、瑞泉寺を参拝!!

鎌倉宮バス停から覚園寺へ向かう
 

覚園寺の案内を読む

覚園寺の境内
 

愛染堂 わずかに開いた扉から見える阿閃如来
(愛染堂中尊-愛染明王、左脇侍-不動明王、右脇侍-阿閃如来)
 
 
~ 覚園寺の境内をお坊さんが案内、写真撮影禁止 ~ 
 
鎌倉宮

撫で身代わり

瑞泉寺へ向かう

瑞泉寺の本堂
 

本堂内陣

やぐら
 

地蔵堂の「どこも苦地蔵」
 

庭園を背景に記念撮影
 
~この後、鎌倉国宝館見学組と帰宅組とに分かれる~
 
国宝館見学後、小町通りでソフトクリーム 

5月23日午前8時40分新宿駅に集合し、鎌倉へ向かう。参加者14名。
新宿湘南ラインに乗る。鎌倉駅で下車し、鎌倉宮(大塔宮)行きのバス
に乗車。鎌倉宮の北西に覚園寺、北東に瑞泉寺がある。
 
先ずは、覚園寺に向かって歩く。なだらかな小道を進む。道路脇には
水路があり、透き通った水が流れている。10分ほど歩くと、覚園寺の
案内板を目にする。
 
真言宗泉涌寺派の寺院であり、本尊が薬師如来、開基が9代執権・
北条貞時とのこと。2代執権・北条義時が建立した大倉薬師堂が起源
のようだ。今回の見どころも、この薬師堂の諸尊像。
 
山門を通り、境内に入ると、直ぐに見えるお堂が、愛染堂。わずかに
開いた扉の隙間から中の様子が伺える。11時から、お坊さんに境内を
案内して頂ける。11時までまだ少し時間があり、愛染堂前で待つ。
 
その間、境内の掃除を終えたお坊さんと暫く歓談する。このお坊さんは、
大分辛口だ。長年保存されてきた仏像や仏師の技を大切と思うので
あれば、お金を出し惜しみするなと力説されていた。言い方はきついが
筋が通っていると、皆頷いた。
 
11時となると、別のお坊さんが出て来られ、愛染堂の扉を開け、堂内の
仏像やお寺の縁起について解説された。薬師堂拝観は拝観料500円が
必要。納めると境内の奥へと案内される。ここから写真は撮影禁止。
 
いよいよ薬師堂。堂内に進むと、正面に薬師三尊像が鎮座していた。
三尊像ともすべて坐像となっている。日光、月光菩薩の坐像はあまり
見かけたことがない。中尊の印相も珍しい。定印を結ぶ手の上に薬壺
を載せている。中尊は男性的、脇侍は女性的の顔立ちの作風だ。
 
左右に十二神将が並んでいる。三尊像に向かって、右手奥に子神像。
左手奥が亥神像。左右に6体ずつ並んでいる。この十二神将と日光、
月光菩薩制作の仏師は明確となっている。一方、中尊の制作者は運慶
との説があるようだ。しかしながら、確証がないため、認定されていない
とのことだ。
 
吾妻鏡に運慶が造ったとの記述があるが、薬師堂は火災に遭っており
その時の像が今の像かどうかわからないことのようだ。
 
その他、堂内には、かつて別の寺院の本尊であった阿弥陀如来坐像
や、開山・智海心慧(ちかいしんえ)律師坐像、賓頭盧尊者坐像と
伽藍神3体で合計21体の仏像が鎮座されている。素晴らしい。
 
更に、案内されたところは、「旧内海家住宅」「十三仏やぐら」「黒地蔵」
「千体地蔵堂」。境内の木々の解説もあり、皆さん満足されたようだ。
 
覚園寺を出て、元来た道を戻り、鎌倉宮の近くで昼食を取ることにした。
運よく、蕎麦屋さんに14名が直ぐに入れた。しかも出てきた蕎麦が、
美味しかった。昼食を取るお店が気がかりだっただけに、ほっとした。
 
瑞泉寺に向かう前に、鎌倉宮を参拝する。この鎌倉宮は、後醍醐天皇
の皇子・護良親王(もりながしんのう)を祀る神社。明治天皇が、非業の
死を遂げた親王の霊を弔うために造営された神社とのことだ。
 
社殿のそばには「撫で身代わり」の像や由来を記した看板が置かれて
いた。また、「厄割り石」という厄払いの石もあった。これは盃に息を
吹きかけて石に投げて割ることで、悪いもの(厄)を割ることになるそうだ。
「身代わり」、「厄割り」など悩みの解消につながれば有難いことだ。
 
次に向かう先は瑞泉寺。鎌倉宮から北東の方向にある。歩いて15分。
瑞泉寺の標識が出てきてからは階段となり、登って行くことになる。
受付で拝観料200円払って、更に登って行くと山門が見えてくる。
 
瑞泉寺は臨済宗円覚寺派の寺院で、開山が夢窓疎石。庭園が有名だ。
本堂を参拝。堂内には中尊・釈迦牟尼仏、左脇侍・夢窓疎石像、
右脇侍・千手観音像が鎮座されていた。
 
本堂裏にやぐらがあり、いかにも禅宗寺院の様式が伺える。やぐらの
中心には座布団を敷くスペースのようなものがかたどられていた。
やぐらを見ながら、しばらく座禅を話題に歓談した。臨済宗と曹洞宗の
座禅の違いについて若干の知識をご披露した。
 
地蔵堂の中には「どこも苦地蔵」が黒々とした身体で立たれていた。
「どこも苦」とは「苦しいのはどこも同じ」だから、そこで励めということ
のようだ。お地蔵さんから諭されるようだ。
 
最後に、やぐらを背景に記念写真。(いつもながら、通りすがりの方に
シャッターをお願いした)
 
瑞泉寺は「花の寺」でもあるが、端境期のせいか、今回は目を見張る
花はなく、ちょっと残念。
 
瑞泉寺を後にして、バス乗り場がある鎌倉宮まで戻り、鎌倉駅行き
のバスに乗った。鎌倉国宝館に立ち寄る人と、そのまま帰路に就く人
とに分かれる。八幡宮前で、帰宅組へ別れを告げ、国宝館へ向かう。
 
国宝館は特別展より、常設の仏像に皆さん感激されていた。鎌倉の
各寺院から寄託された仏像が部屋いっぱいに並び、見事でした。
一体一体舐めるように拝観し、立ち止まっては感想や寸評を加え、
楽しみました。
 
最後は小町通りのお店を眺めながら、途中バニラとゆずをミックス
したソフトクリームを頂きました。なかなかの美味!
 
身も心も満足したところで、杉並へ戻ることとしました。一日の歩数も
1万数千歩を記録しました。お疲れ様でした。

2013年5月17日金曜日

清水さん仏像制作の体験談を発表!!

        制作中の聖観音 他     仏頭(実物は小さい)
 

  
解説される清水さんと、拝聴するメンバー
 

5月の定例会は会員18名と見学者1名の総勢19名の参加者でスタート。

本日のメインは清水境雅さんの仏像制作体験発表です。
習い始めて2年半とのことです。現在制作中の聖観音菩薩立像と、すでに
制作が完了した手、足、仏頭等の小さな作品も展示して頂いた。

レジュメとパワーポイントで「仏像彫刻のいろは」と題して、彫刻用具、用材
、彫り方等を解説頂いた。著名な仏師や身近な仏像彫刻教室についても
紹介された。皆さん熱心に聴き入り、ぜひ挑戦してみたいとの声も聞かれ
ました。

今回の学習会は、前回に引き続き、飛鳥・白鳳期仏像の特徴を整理しまし
た。法隆寺・釈迦三尊像と広隆寺・弥勒菩薩とでは明らかに像から受ける
印象が違う。前者の北魏様式に対し後者は南梁様式と呼ばれるようです。
この区分は理解しやすい。法隆寺・百済観音像や、中宮寺・菩薩半跏像も
この区分では南梁様式になるようです。

また、白鳳期の像では日本最古の塑像と言われる當麻寺・弥勒仏坐像と
興福寺(旧山田寺)の仏頭をインプットしました。

         當麻寺 弥勒仏坐像  興福寺(旧山田寺)仏頭
 
今月の見仏会は鎌倉まで足を伸ばし、覚園寺と瑞泉寺を参拝します。
見どころは覚園寺の仏たち(薬師三尊像と十二神将)と瑞泉寺の庭
(夢窓疎石作庭)と花です。
 
予告:来月の定例会には東京芸大の中嶋莉恵さんをお招きする予定です。
NHK Eテレ特集「仏像の魂に挑む~東京藝術大学 若者たちの一年~」
でご紹介された方です。