2015年2月26日木曜日

港区芝 増上寺を参拝!

霧雨の降る中、16名が増上寺三門に10時集合した。
本日の目的は本堂(大殿)と安国殿を拝観し、その後、
徳川将軍家の霊廟をお参りすること。
 
三門から本堂(大殿)を眺めると、東京タワーが寄り添うように
立っており、絵になる。
東京タワーも今は、スカイツリーにその座を奪われてしまったようだ。
しかし、東京タワーの方が愛着が持てる。
境内の案内図       三門から眺めた大殿と東京タワー

大殿の中に入ると、正面須弥壇にはご本尊の阿弥陀如来が鎮座。
光り輝くお姿は正にアミターバ・無量光仏と呼ばれるに相応しい。
左脇壇には高祖善導大師が、右脇壇には宗祖法然上人の像が
祀られている。

平日とあって、参拝される方の数は少ない。
大殿を支える太い柱が数多くある。
その数は48本。弥陀の48願に由来しているとのこと。
ご本尊 阿弥陀如来坐像
 
 
右脇檀 法然上人       左脇檀 善導大師
 
お堂の外に出て、記念撮影をする。参拝に来られた方にお願いをして、
シャッターを押して頂く。
人物があまり小さいため、もう一度、撮りなおした。(浜詰さん撮影)
大殿の前で記念撮影

次に向かった先は黒本尊が祀られている安国殿。
安国殿とは徳川家康の戒名であり、黒本尊とは家康の
守護念持仏・阿弥陀如来立像のこと。

「黒本尊」と呼ばれる理由は、諸説あるようだ。
もともと金色に輝いていた仏像が線香の煙で黒くなったからという説。

また、かつてこの仏像の持ち主であった牛若丸は九郎義経と
呼ばれており、「九郎の本尊」が「黒本尊」となったという説。

黒本尊の拝観は決められた日だけであり、今日はお前立ちを拝観した。
安国殿 黒本尊お前立

いよいよ徳川家霊廟へのお参り。
平日の拝観はできないところを、幹事の井戸さんが予約をして
おいてくれたお蔭で、霊廟の中に入ることができた。

霊廟は、6人の将軍やお江、和宮、将軍生母側室の墓所宝塔が
ぐるりと並んでいる。
十四代家茂の宝塔は石塔あり、正室和宮は青銅製の立派な
宝塔になっている。
皇室に対して、敬意を表していると言うことだろうか。
 
徳川将軍家の霊廟を参拝
 
 
霊廟の前に並んでいる石造の四菩薩が気に入った。
正面向かって、左から文殊菩薩、虚空蔵菩薩、地蔵菩薩、普賢菩薩。
対になった関係の菩薩と言える。文殊と普賢は、釈迦の脇侍。
虚空蔵と地蔵は天空と大地の菩薩で元々対の関係のようだ。いずれも
智慧と慈悲を代表しているようでもある。
霊廟の前に居並ぶ四菩薩

最後に向かった先は東照宮。上野の東照宮ほど馴染みが
ないため、うっかり、見過ごしてしまう。
途中、仁王門で仁王像を眺める。なかなかの迫力。
腕が太い。この像は、18世紀前半までに江戸の仏師によって
制作されたようであり、江戸時代の仁王像として貴重な作品とのことだ。
(掲示板の解説文)
吽形               阿形
 
 
東照宮に着いて、目につくのはオリーブの木。
何か繋がりがあるのだろうかと思うくらい何本もある。
東照宮での参拝は二礼二拍手一礼。神仏を一緒に参拝するとは、
いかにも日本人らしい。
三代家光お手植えの公孫樹が見事な大木となって空高く伸びていた。
「この木なら凄い仏像が彫れるのではないか」とはどなたかの声。
東照宮の鳥居       イチョウの大木
 
 
神仏の参拝を済ませ、昼食タイムとなった。
増上寺のすぐ近くに、港区役所がある。
区役所の食堂なら16名が一緒に入ることができるだろうと、向かう。
ちょうど昼時で、満席となっていた。
暫く待つと、空き席ができ、それぞれ分かれて座り、昼食を取る。
天気は小雨交じりで、混雑もない拝観日和。楽しい一日となりました。
感謝。


2015年2月20日金曜日

山森さん 色彩の「青」について解説する

2月の定例会は25名の参加。今月のメインは山森さんが
予てから熱心に探究されている色彩についてのご発表。

最初に、今後の予定について連絡。
4月以降、朝比奈さんにもBAC幹事のお一人として
活動して頂くことをお願いし、ご本人の了承と参加者の
賛同を頂いた。

先月の見仏会・東博「みちのくの仏像」展で印象に
残ったことを伺った。これから観覧予定の方も数名。
(4月5日までの展示)

また、BACで講演を2度された中嶋莉恵さんの作品が
新宿高島屋10階の美術画廊で2月23日(月)まで
展示されていることも伝えた。

すでに観覧された方から、「素晴らしい」との感想。
作品は下に写真をアップ。激励を兼ねぜひ観覧ください。
 
今月は増上寺に参拝する。
増上寺の縁起や伽藍、見どころについて井戸さんが解説。

いよいよ山森さんの登場。
演題は「いにしえの色彩〔青〕を求めて」。
原稿を拝見した時、ボリュームがあるため、
2回に分けて、お話頂くこととした。

今日は第一回目。
最初に青色についての解説があった。
青色の自然物を手に入れることは極めて困難で古代より
金と並んで青色は神聖な色とされてきたとのことだ。
解説される山森さん        解説に耳を傾ける参加者

興味を引いたのは日本語の色彩言語。
記紀に記された日本最古の色彩語は「青、赤、白、黒」の
四色だそうだ。

その後、黄色、更には藍、橙、紫、緑などと増えて行ったとのこと。
最初の四色はその色に「い」を付けるだけで形容詞となる。
「青い」「赤い」「白い」「黒い」。

一方、後からできた色は「い」を付けた言葉が無く、
「黄色の」「藍色の」と言うように色を付けなくては表現
できないとのことだ。言葉の誕生と関連し、面白い。

顔料と染料の違いも興味深い。
鉱物でできた顔料は水や油に溶けないため、色を塗ると言うより、
貼り付けると言ったイメージだ。

そのために糊としての膠(にかわ)が必要となる。
青の顔料となる鉱物を見本にご持参された。
見事な色合いに感心した。
緑青は孔雀石、群青は藍銅鉱、瑠璃は青金石などの
鉱物から採取されているようだ。
山森さんご持参の石

日本語で表現する「青」の範囲や、仏教経典に出てくる
色彩についても解説があった。
極楽浄土・七宝の一つである瑠璃(青色)や
如来の五色など、仏教における色彩の話も興味深い。

色についてこれほど考えたことはなかったように思う。
皆さんが熱心に耳を傾け、質疑応答の時間もあり、
次回がまた楽しみとなった。


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中嶋莉恵さんの作品
 
 

若い4人の作家が作品を展示。鳥をモチーフにした彫刻。
素材は木、石、土、金属。中嶋さんは木彫像で鳥を制作。