2012年12月27日木曜日

今年最後の見仏会は上野 寛永寺!

 開山堂 正門 

阿弥陀堂 

ご本尊・阿弥陀如来と脇侍 

開山堂 
ご本尊・如意輪観音お前立
 
旧本坊表門(重文)
 
根本中堂
根本中堂の扁額「瑠璃殿」 
根本中堂前で記念撮影
 
 上野大仏
 

清水観音堂からの眺望 
 清水観音堂(重文)
 
 不忍池辨天堂

ご本尊・弁財天
10時東京文化会館前に会員17名が集合。今年最後の見仏会は寛永寺。
寒さに備えて厚着をしてきたが、風もなく見仏会には絶好の日となった。
 
寛永寺の正式名称は「東叡山寛永寺」。比叡山延暦寺に模して創建された
東の比叡山と言う位置づけだ。江戸末期までは、上野公園をはじめ、その
周辺にも堂塔伽藍があり、広大な境内であったとのこと。
 
今回の見仏会は、今に残るお堂を参拝しながら、かつての境内を散策する
ことを目的としている。拝観ルート決め、スタート。井戸さんが引率。
開山堂 ⇒ 根本中堂 ⇒ 上野大仏 ⇒清水観音堂 ⇒ 不忍池辨天堂
の順とした。
 
開山堂は寛永寺の開祖、慈眼大師天海をお祀りしてあるお堂。天海僧正の
尊敬する、慈恵大師良源もお祀りし、両大師となっている。この慈恵大師は
別名の元三大師でも良く知られ、深大寺参拝の時にも耳にしたお坊さんだ。
おみくじを考案したことでも知られている。
 
境内に阿弥陀堂があり、中尊が阿弥陀如来。左脇侍に虚空蔵菩薩、右脇侍
に地蔵菩薩が並んでいる。あまり見かけない三尊像だ。恐らく、最初からの
配置ではなく、後になって置かれたのではないかと思われる。
 
次に、開山堂に向かう。ご本尊は如意輪観音。お堂の中に入り、お参りする
と、中央は厨子があり、その前にお前立が輪王座で鎮座されていた。お寺の
方に伺うと厨子のご開帳は正月三日とのこと。
 
根本中堂へ向かう前に、旧本坊表門を見学。ピカピカに修復されていたが、
戦争の痕跡となった砲弾の穴はくっきりと残っていた。大きく開いた穴と
修復された門の輝きがアンバランスに思えた。
 
根本中堂は法要の準備のため、閉じている旨の掲示があった。ご本尊の
参拝は、残念ながらできなかった。お堂には「瑠璃殿」の扁額が掲げられて
いた。ご本尊は、扁額にもある瑠璃光浄土の教主「薬師如来」だ。
犬の散歩で通りかかった方にシャッターをお願いし、記念撮影。
 
根本中堂を後にし、上野公園を通り抜け、向かった先は「上野大仏」。
階段を上ると、顔だけとなった大仏。往時の姿は写真で掲示されていた。
「これ以上落ちない」と受験の合格祈願に訪れる人が多いとのこと。
お寺の方のご厚意で、薬師如来を祀るお堂の扉を、開けて頂き、参拝
できた。
 
次は、清水観音堂。京都清水寺と同じ舞台造り(懸造り)となっている。
せり出した舞台からの眺望は素晴らしい。
観音堂には「施無畏」の扁額が掲げられていた。「施」と「無」は読めても、
「畏」の字は崩しすぎて、読めない。
ご本尊は千手観音。両サイドに分かれ、二十八部衆が所狭しと並んでいる。
薄暗いため、阿修羅がどこにいるかは分からない。
 
最後は、「不忍池辨天堂」。琵琶湖竹生島になぞらえて中之島を築き、
そこに開いたとのことだ。間近で、ご本尊の弁財天を拝観。
 
今年最後の見仏会は、ウォーキングも加わり、皆さん適度な運動となった
ご様子。
 
17名の昼食をどこで取るか、いくつかのアイディアが浮かんだが、最後は
北島さんがご存知のレストランで美味しく頂いた。
リーゾナブルな値段でもあり、満足。
 
帰りは、アメ横に寄りたいとの要望もあり、御徒町駅へ向かった。
「御徒町駅のそばにあるお寺にも寄りましょう」と岡本さんからご提案。
「摩利支天。徳大寺」で参拝を済ませ、解散。
4月からの見仏会、お疲れ様でした。来年も楽しい見仏会にしましょう!!
 
 
 
 



2012年12月21日金曜日

牧野さん「狛犬&神使の見方・楽しみ方」を語る!!

牧野さん「狛犬&神使」講座

見仏会の事前学習風景
 
 
見学者2名、特別参加者1名を含め22名が集い、今年最後の定例会が
開催されました。今回は、牧野さんが「狛犬&神使の見方・楽しみ方」と
題して、スライド写真を見ながら、解説されました。
 
狛犬や神使が何のためにいるのか、歴史を紐解きながらその変遷を話され
皆さん、なるほどと頷きました。また、見方・楽しみ方は、仏像と似ています。
表情、しぐさ、持ち物、付属物や台座など共通項が多くありました。仏像は
一部を除き触れませんが、触ることもできるのは特徴の一つと思いました。
 
これで、見仏会での楽しみも、堂内ばかりでなく、境内の隅々まで注意して
しっかり眺めることができます。新しい知識がたくさん増えたと大勢の方が
喜ばれていました。
 
4月の定例会から学んできたことの総復習として、パワーポイントで作成の
資料をスクリーンに映し出しました。今まで、何度か聞いたことばかりで
あり、整理が進んだようでした。今回の資料もまた、ペーパーでほしいとの
声もあがりました。(別途、お渡しすることにします。)
 
最後に、12月の見仏会「東叡山 寛永寺」の見どころについて、井戸さん
から解説がありました。
 
定例会終了後、メンバー12名が昼食、忘年会を兼ねカラオケルームで
楽しいひと時を過ごしました。暫し、青春の思い出やアンニュイな世界に
浸りました。それにしても、女性群の歌の上手さは半端ではありません。
参りました。脱帽です。
 


2012年11月29日木曜日

西荻北館「ゆうゆう楽習塾」にて仏像講座!!

ご挨拶される薗部さん
 
楽習塾 風景
 
「ゆうゆう楽習塾」(ゆうゆう西荻北館主催)からのご依頼で、
「仏像の楽しみ方」講座を開きました。
 
「仏の世界にも序列がある」「仏の世界にも派閥がある」との
観点から仏像をご紹介しました。
 
熱心な学習ぶりに、あっと言う間の2時間でした。
「もっと早く、こういうことを知ってお寺に行けたら良かったのに」
との発言をされる方もいました。
 
年間カリキュラムが決められた「楽習塾」で、皆さん文字通り、
楽しく習っているように感じました。
 
今回の機会を与えて頂いた薗部さん始め、スタッフの皆さんにお礼
申し上げる次第です。
 
引き続き、仏像についての学習をご希望される方は、ご遠慮なく
ご連絡ください。(薗部さん宜しくお願いします)
 
なお、BACの皆さんへは次回定例会で、今回の講座内容をご報告
いたします。
 
 

2012年11月22日木曜日

護国寺・観音堂(本堂)で多くの仏像にご対面!!

護国寺仁王門
 
 
 
 
 
 
大隈重信の墓
 
墓所内の紅葉
 
ジョサイア・コンドルの墓
 
 
 
 
 
林泉寺
 
 
護国寺仁王門前に10時、メンバー15名が集合しました。雨が心配されるも
運よく降られずに済みました。これも皆さんの心がけの良さか!?
 
全員揃ったところで、早速、本堂を背にして記念撮影。(皆さんいいお顔して
います。)
 
いよいよ本堂の参拝です。ご本尊は如意輪観世音菩薩。毎月18日がご開帳
のため、今回は拝観できません。立膝の輪王座、如意宝珠と法輪を持った
お姿は、どことなくリラックスした雰囲気を醸し出して、心安らぐ仏さまです。
今度は、ご開帳の日に訪れたいと思います。
 
それにしても仏さまの多さに驚いた本堂です。ご本尊の両サイドには三十三
身像がびっしりと並んでいます。この像の胎内に桂昌院の毛髪が納められ
ているとのことです。
 
ご本尊に向かって左手には、十一面観音、地蔵菩薩、四天王、役行者、
出山の釈迦像(修行で痩せ細ったお釈迦さま)などを拝観できました。
これだけの像を一度に拝観できるとは大変有難い。
十一面観音は右手に錫杖を持った、「長谷寺式十一面観音」でした。
護国寺は真言宗豊山派であり、総本山が奈良の長谷寺です。錫杖を持つ
十一面観音となることも頷けます。
 
更に、右手には不動明王が、制叱迦童子、矜羯羅童子との三尊像で鎮座
されています。左手で羂索を高く持ち上げた姿は、今まであまり見かけ
ない不動明王です。天井の奏楽菩薩図や天井から吊るされた幡(ばん)
や華鬘(けまん)、壁に掛けられた絵馬など、時代を感じされる貴重な品々
を堪能し、大満足でした。
 
次に向かった所は、墓地です。さすが、護国寺。名のある方々のお墓を
数多くお見かけしました。井戸さんの案内で大隈重信や、ニコライ堂など
の建築で有名なジョサイア・コンドルの墓を見学した。
 
境内を散策すると、六地蔵、一言地蔵など、たくさんお地蔵さんをお見かけ
しました。お地蔵さんへの信仰が篤いお寺の印象を強く持ちました。
 
護国寺を後にして、向かった先は「しばられ地蔵」の林泉寺。移動の際に、
御茶ノ水女子大学正門前を通ることもあり、学食を頂こうと計画した。
受付の方に、食堂への入館は可能か質問すると、10名以上の場合は、
予約がいるとのことでした。今回は残念ながら、見合わせ。
昼食は、時間を少しずらすことにしました。
 
林泉寺に到着。このお寺は曹洞宗で、表札に座禅道場と掲示されていた。
縄でぐるぐる巻きのお地蔵さんに皆さん、微妙な反応です。
目の部分しか隙間のない姿に、ちょっと気の毒な印象も持ったようです。
この縄をいつ外すのだろうかと、心配する声も聞こえてきました。
お地蔵さんは、いつも身代わりとなって我々を護ってくれる有難い仏さま
です。
 
茗荷谷駅近辺のお食事処で、皆さんワイワイガヤガヤ、テーブルを囲んで
食事しました。
今回も楽しく、充実した見仏会となりました。深謝!!
 
 

 

2012年11月16日金曜日

安元さんの体験談テーマは「琉球の歴史」「沖縄の神仏」

定例会終了後、体験談ご発表の安元さんを囲んで
 
11月定例会は2名の見学者を含め20名の参加者でスタート。
 
冒頭、BAC幹事(木村)が旅行した京都古寺のスライド写真を見ながら、
お勧めの仏像、庭園等をご紹介しました。
仏像では、泉涌寺塔頭の即成院、戒光寺、秘仏十一面観音12年ぶり
ご開帳の六波羅蜜寺、六観音の千本釈迦堂 大報恩寺がお勧めです。
見事な仏像がお堂や宝物館にびっしりと鎮座されています。
庭園では、泉涌寺の御座所庭園、高台寺 圓徳院の庭園、ライトアップした
みかえり阿弥陀の永観堂が素晴らしかった。(11月11~13日小旅行報告)
 
仏像ミニ知識では、方位(四方と四維)・十二支・季節・時刻・四神・四天王を
一覧表にまとめました。関連付けることで、スムーズに理解が進むようです。
この資料は皆さんに喜んで頂いたようです。(?)
 
本日のメインは安元さんの体験談です。
最初に、「琉球の歴史」について、時代区分を本土と比較の上、時系列的に
解説されました。沖縄人の祖先はどこから来たのかまで論じられました。
また、耳にしたことのない琉球王の名前に、沖縄のことは全く知らないでいた
と痛感しました。
 
「沖縄の神」では、古来の信仰世界を三つご紹介されました。すなわち、
他界信仰、オナリ信仰、御嶽(うたき)信仰の三つであり、これらが重なって
沖縄の神となっているようです。
「霊魂は三十三年の忌明けとともに神に昇華する」との解説が、大変印象に
残りました。また、神棚と仏壇が並んである写真を拝見すると、神仏が混然
一体となって祀られてようにも感じました。先祖を神として崇拝する沖縄の
風習を少しだけでも理解できたように感じた次第です。
 
時間が足りなくなってしまい、質問時間を十分に取れませんでした。来月の
定例会で、再度質問の時間をお取りします。
 
今後の体験談予定は12月に牧野さんの「狛犬研究」。来年1月に小杉さん
の「短歌の中の御仏たち」と続きます。お楽しみに!!
 
最後に、今月の見仏会「護国寺」についての見どころを井戸さんが解説
されました。


2012年10月25日木曜日

世田谷観音並びに龍雲寺を参拝!!

世田谷山観音寺(正式名)
                   阿弥陀堂のご説明

                    六角堂(不動堂)

                    文殊菩薩

                     夢違観音

             観音堂・聖観音菩薩の前で記念撮影

                ご住職のご説明を拝聴

聖観音菩薩

                    阿弥陀如来

                    韋駄天

地蔵菩薩
 
                        
                    龍雲寺 山門

                  
 
                 龍雲寺でお茶を頂く
 
                    龍雲寺の境内
 
BACメンバー11名が10時世田谷観音参道入り口に集合。
執事長(ご住職のご子息)に迎えて頂き、朝から嬉しい気分となりました。
早速、境内のお堂や仏像についてご説明して頂きました。
 
昭和26年の創建であるにも関わらず、歴史的建造物や仏像が多い
のには驚かされます。お寺創建の経緯や、伽藍整備の状況をお聞きし
先代ご住職の志の大きさを知り、感銘を受けました。
 
本堂である観音堂ではご本尊の聖観音菩薩立像を中心に両脇侍に
様々な仏さまが並んでいます。
お言葉に甘え、ご本尊の前で、記念撮影させて頂きました。
 
本堂内陣について、ご住職からご説明がありました。熱心なご説明に
聴き入り、皆感服していました。
 
次に、特別にご開帳頂いた阿弥陀堂の中を拝観。阿弥陀如来坐像が
中央に鎮座。両脇侍に韋駄天や地蔵菩薩などが並んでいます。
韋駄天の甲冑姿が見事でした。また、腕で子供を抱き、足元は子供に
抱き付かれる「子育て地蔵菩薩」にほのぼのとしたものを感じました。
 
ご住職と執事長のお蔭で、楽しく、為になる時間を過ごすことができた
ことにお礼申し上げます。
 
世田谷観音を後にして、次に向かった先は野沢の龍雲寺。正式名称
は大澤山 龍雲寺という臨済宗妙心寺派のお寺です。
 
座禅や写経のできるお寺とのことであり、お堂の拝観を目的に訪問。
来訪の目的を告げますと、快く本堂に通して頂きました。
本堂でご本尊・聖観音菩薩を拝観していますと、お坊さんがお見えに
なり、我々の質問に対し、ご回答頂きました。
 
その後、お庭の見える応接間のような部屋に通され、お茶やお煎餅が
出されました。ご親切な応対に驚きです。
ご住職の奥様が来られ、お寺で実施されている活動についてお話しされ
ました。近隣小学校などのご支援もされています。地域ネットワークの
キーステーションのように感じました。
 
今日一日素晴らしい出会いがありました。感激した気持ちを持ったまま
渋谷へ戻り、マークシティで昼食を取りながら、歓談しました。

2012年10月19日金曜日

小池さん「音訳(音写)文字」について語る!!





10月の定例会報告です。半年間の見仏会振り返りをしました。
 
4月「浅草寺」、5月「九品仏浄真寺」、6月「高幡不動尊」、
7月「目黒不動尊」、8月「深大寺」そして9月「池上本門寺」と
回りました。皆、それぞれ良さがあります。とりわけ九品仏の
印象が一番強かったようです。
 
本日の体験談ご披露は小池さんです。お気に入りの仏像は
三千院の阿弥陀如来、広隆寺の弥勒菩薩とのことです。
うっとりするような仏に何とも言えない魅力を感じるそうです。
 
次に、「音訳(音写)文字」について、関心を持たれた経緯
を話され、音訳(音写)文字の具体的例をたくさん紹介して
頂きました。
 
更には、「般若心経」の経文の中にある音写文字の具体的
な解説がありました。改めて数の多さに驚きました。
参加者の皆さんから音写文字について活発なご意見が飛び
出し、大変盛り上がりました。
 
「仏像ミニ知識」では観音菩薩のルーツをDVDを見ながら
整理しました。「阿弥陀如来の脇侍」「六観音」「三十三観音」
の三パターンで観音菩薩を見つめてみました。
 
今月の見仏会は「世田谷観音」です。今回も、井戸さんから
世田谷観音の見どころついて解説して頂きました。
見仏会を通し、観音菩薩についての理解を深めたいものです。
 
小池家に伝わる阿弥陀如来坐像を会場へお持ち頂きました。
皆さん、近くに寄って、まじまじと眺めていました。
柔和なお顔立ちの正に「如来相」のお顔でした。(写真掲載)
また、像の重さからして、乾漆造のようにも思われます。