2015年2月20日金曜日

山森さん 色彩の「青」について解説する

2月の定例会は25名の参加。今月のメインは山森さんが
予てから熱心に探究されている色彩についてのご発表。

最初に、今後の予定について連絡。
4月以降、朝比奈さんにもBAC幹事のお一人として
活動して頂くことをお願いし、ご本人の了承と参加者の
賛同を頂いた。

先月の見仏会・東博「みちのくの仏像」展で印象に
残ったことを伺った。これから観覧予定の方も数名。
(4月5日までの展示)

また、BACで講演を2度された中嶋莉恵さんの作品が
新宿高島屋10階の美術画廊で2月23日(月)まで
展示されていることも伝えた。

すでに観覧された方から、「素晴らしい」との感想。
作品は下に写真をアップ。激励を兼ねぜひ観覧ください。
 
今月は増上寺に参拝する。
増上寺の縁起や伽藍、見どころについて井戸さんが解説。

いよいよ山森さんの登場。
演題は「いにしえの色彩〔青〕を求めて」。
原稿を拝見した時、ボリュームがあるため、
2回に分けて、お話頂くこととした。

今日は第一回目。
最初に青色についての解説があった。
青色の自然物を手に入れることは極めて困難で古代より
金と並んで青色は神聖な色とされてきたとのことだ。
解説される山森さん        解説に耳を傾ける参加者

興味を引いたのは日本語の色彩言語。
記紀に記された日本最古の色彩語は「青、赤、白、黒」の
四色だそうだ。

その後、黄色、更には藍、橙、紫、緑などと増えて行ったとのこと。
最初の四色はその色に「い」を付けるだけで形容詞となる。
「青い」「赤い」「白い」「黒い」。

一方、後からできた色は「い」を付けた言葉が無く、
「黄色の」「藍色の」と言うように色を付けなくては表現
できないとのことだ。言葉の誕生と関連し、面白い。

顔料と染料の違いも興味深い。
鉱物でできた顔料は水や油に溶けないため、色を塗ると言うより、
貼り付けると言ったイメージだ。

そのために糊としての膠(にかわ)が必要となる。
青の顔料となる鉱物を見本にご持参された。
見事な色合いに感心した。
緑青は孔雀石、群青は藍銅鉱、瑠璃は青金石などの
鉱物から採取されているようだ。
山森さんご持参の石

日本語で表現する「青」の範囲や、仏教経典に出てくる
色彩についても解説があった。
極楽浄土・七宝の一つである瑠璃(青色)や
如来の五色など、仏教における色彩の話も興味深い。

色についてこれほど考えたことはなかったように思う。
皆さんが熱心に耳を傾け、質疑応答の時間もあり、
次回がまた楽しみとなった。


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中嶋莉恵さんの作品
 
 

若い4人の作家が作品を展示。鳥をモチーフにした彫刻。
素材は木、石、土、金属。中嶋さんは木彫像で鳥を制作。
 



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