2015年5月21日木曜日

金沢文庫 特別展「日向薬師 秘仏鉈彫(なたぼり)本尊開帳」


明け方の雷雨が嘘のような、心地良い晴天の日となる。
10時、金沢文庫駅に集合し、神奈川県立金沢文庫へ徒歩で向かう。
お目当ては、秘仏鉈彫本尊の薬師三尊像。
称名寺を参詣してからの正面入り口

学芸員の瀬谷貴之さんから解説して頂いた。最初に、金沢文庫が
どのような博物館なのか、東大寺展、解脱上人貞慶展などを
金沢文庫で開くことができるのはなぜか。
今回の日向薬師 秘仏鉈彫本尊開帳となった経緯などのご説明を受けた。

金沢文庫にしかない、極めて貴重な古文書や仏像など多数あるとのことだ。
運慶作の仏像がある博物館も金沢文庫だけのようだ。改めて、金沢文庫が
特色あり、かつ存在感のある博物館だと感じた。

1階は称名寺のご本尊が秘仏となっているため、弥勒菩薩立像の模刻像や
弥勒浄土壁画模写が展示されていた。弥勒菩薩が本尊のお寺は珍しい。

称名寺開基、かつ金沢文庫を開いた北条実時が弥勒信仰を持っていたため
本尊が弥勒菩薩となった。称名寺と言う名前の通り、最初は阿弥陀信仰の
お寺だったものが、弥勒信仰へと変わったとのこと。
 
2階が【特別展】平成大修理記念 日向薬師 秘仏鉈彫本尊開帳の会場と
なっている。日向薬師宝城坊の本堂(薬師堂)が平成28年の完成を目指し、
平成22年より大修理が行われている。その期間を活用して、今回の特別展
となった。
 
日向薬師宝城坊は関東有数の古刹で、本尊薬師三尊像は平安時代に
遡る鉈彫による仏像の代表作例として知られているそうだ。
学芸員の瀬谷さんが「私の話をお聞きになったら、日向薬師に行きたくなります」
と言われた。本当に、今度BACで日向薬師へ行きたくなった。
 
宝物殿には重要文化財だけで23体安置されている。これだけの文化財が
収蔵されていると聞いただけで、わくわくする。
「宝城坊の解説」チラシから抜粋
 
瀬谷さんから鉈彫技法の発生について3点を解説された。
1点目は法華経に出てくる仏が地面から湧き出てきて、
身体ら揺らぐイメージに合う。
 
2点目は木の中から出現したように見える。
3点目がノミの音には霊験があり、音を連想させる。
 
なるほどと感心しながら拝聴した。
お話を伺って、鉈彫像に対する見方が変わった。
図録から
 
月光菩薩     薬師如来     日光菩薩 
 
大変分かりやすい解説で、参加の皆さん満足された。瀬谷さんにお礼を言い、
お隣の称名寺へ向かった。清々しい気分で暫く弥勒浄土の庭園を散策。
本堂、不動堂をお参りし、最後に反り橋の上で記念撮影。
 
開基 北条実時の像       称名寺庭園の解説文
 
反り橋の上で記念撮影
 
仁王門

吽形                  阿形 
 
称名寺の参道を出たところのバス停があり、バスに乗って駅に戻る。
駅近辺で昼食を取る。運よく全員入れる。歓談しながらの食事は格別。
楽しい一日でした。
 
ハプニングとして、高橋さんと靴を間違えて履いたこと。
それにしても、全く同じ種類の、同じ色、同じサイズの靴だったとは驚き。
かかとの減り具合で違いが分かった。
 

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