2015年11月26日木曜日

横須賀 浄楽寺にて運慶作の五仏を拝観!


小雨交じりの中出かけ、8時40分、新宿駅構内の
スーパー成城石井前に8名が集合。
今日の参拝予定は、逗子の延命寺と横須賀の浄楽寺。
浄楽寺は運慶作の阿弥陀三尊、不動明王と毘沙門天で
有名はお寺。
両寺院とも幹事の井戸さんが拝観予約をされた。

浄楽寺については、拝観時間帯が雨の場合は、
収蔵庫を開けて頂けないため、拝観ができない。
御仏のご加護があるか、空が明るくなり、太陽が
顔を出すまでになる。

逗子駅で下車、徒歩5で延命寺に到着。本堂にご案内され、
ご住職の解説をお聴きした後、内陣にまで通され、
ご本尊の大日如来始め多くの尊像を間近で拝観させて頂いた。

延命寺の縁起が興味深い。開基が行基で、自作の
延命地蔵菩薩を祀ったことで延命寺となったこと。
また逗子の地名が地蔵尊を安置する厨子に由来していると聞いて驚く。
その厨子を設置したのが空海とのことであり、更にびっくり。
     延命寺 境内       ご本尊・大日如来坐像

本堂の荘厳が印象に残った。内陣を挟む両壁には真言八祖像を
描いた絵が飾られている。
向かって右壁の奥に空海、その手前が師匠の恵果和尚の姿を確認した。
また、正面向かって右側には胎蔵界曼荼羅、左側には金剛界曼荼羅の
図が掲げられている。

正面中央にはご本尊の大日如来、左脇侍(向かって右)には不動明王、
右脇侍には愛染明王が鎮座。
不動明王の火焔光背は珍しい形をしていた。明王左右の火焔が
厨子の扉のように開け閉めができるようになっている。

更に、不動明王と愛染明王の外側に地蔵菩薩が祀られている。
行基作の地蔵菩薩は焼失して現存しないものの、その跡を継ぐ
地蔵菩薩は左右どちらか諸説あったようだ。
今は、愛染明王の左側に安置された小さい方の地蔵菩薩が
有力となっているとご住職の解説があった。

愛染明王側の地蔵菩薩像のそばに阿弥陀三蔵像の掛け仏がある。
その仏について興味深い話をされた。元々、この像は延命寺の近くに
ある亀ヶ岡八幡宮のご神体であったとのこと。
神仏分離令により、この延命寺に安置されるようになったようだ。

しかも亀ヶ岡八幡宮は鎌倉の鶴岡八幡宮と対となった神社だったそうだ。
「鶴」「亀」のセットかと直ぐに想像した。
そこで亀ヶ岡八幡宮も参拝することにして、向かった。
亀ヶ岡八幡宮の鳥居           神社

神社の前には阿吽の亀が参拝者を迎える

逗子を後にして、横須賀の浄楽寺へ向かう。
伝・運慶作の仏像は数多く目にする。
正真正銘の運慶作を拝観できるとは嬉しい。
運慶作と確定した仏像は全国で、31体。
その内、一気に5体を拝観できる。
(今回が3回目であるが、何度でも良い。)
バスの路線や時刻表を確認しながら、バス停を探す。
路線図を確認する皆さん

バスに揺られて約25分。浄楽寺に到着。バス停から本堂が
見えるくらいの近いところに浄楽寺がある。
バス停近くに「浄楽寺阿弥陀三尊像」についての解説板がある。

それによると、源頼朝が鎌倉の大御堂ヶ谷に勝長寿院を
建てたが、台風で破損したため北条正子と和田義盛が
本尊をここに移したとする説、また別の説は和田義盛が建てた
七阿弥陀堂の一つの本尊とするものがあると書かれている。

しかし、毘沙門天、不動明王から出た銘札で、移転説は、
現在否定され、運慶が造立したことが確定したとのこと。
阿弥陀三尊の胎内には銘札はなかったものの、陀羅尼など
の墨書筆跡が銘札と同じであり、
五体が大仏師運慶と小仏師十人の作と決定づけた。
解説板には、その後の展開が書かれていないため、
誤解を招くこととなる。

阿弥陀三尊像の由来解説     浄楽寺本堂の正面

本堂の扁額       本堂の脇を通り収蔵庫へ向かう

収蔵庫では前の組の拝観が終了したところだった。
前の組は船橋から来られた方々で総勢22名とのこと。
しかもガイド付きの団体だった。
やはり運慶人気を物語っている。

収蔵庫の前には、阿弥陀三尊像と不動明王、
毘沙門天の解説板がある。
解説文を読みながら、いよいよ収蔵庫の中へ入る。
中央に阿弥陀如来坐像がどっしりと構えて鎮座。
両隣りに左脇侍・観音菩薩、右脇侍・勢至菩薩の立像が
阿弥陀のお供をする。

この阿弥陀さんのお顔が実に良い。気品があり、男前だ。
堂々とした体つきも頼もしさを感じ素晴らしい。
蓮華の持ち方を逆にした観音、勢至も破たんのない
造形に安心感を感じる。

一番奥には、不動明王立像が天地眼で、睨みを効かしている。
肉づきも良く、でんと構えた姿はいかにも不動明王。
体つきは不動十九観の通り、童子のようであり、筋肉質ではない。
写真で見るより、小柄に見えた。

収蔵庫の入り口近くに毘沙門天立像が左手に宝塔を掲げ、
右手に戟を持ち、邪鬼を踏みつけている。
「この眼は運慶だ」と言う声が聞こえてくる。
玉眼を取り入れたのも運慶の時代からであり、
当時はどれだけリアルに感じセンセーショナルであったことか。

ガラス越しでもなく、こんな間近で見られるとは嬉しいと感想を言う人もいた。
仏像に額が付く位の近さで拝観できるとはあまりない。
掲示の解説文

中尊・阿弥陀如来坐像     勢至菩薩・観音菩薩

毘沙門天立像 不動明王立像

浄楽寺墓地に埋葬されている郵便の父「前島密」の墓参りも済ませた。

最後に、本堂を背にして記念撮影を済ませた。今日も一日有難うございました。
今回、井戸さんが拝観予約や、電車の時刻調べ等大変お疲れ様でした。
皆さん大満足の見仏会となったと確信しています。感謝いたします。
今回、拝観できなかった方は、ぜひ機会をお作りになることをお勧めします。


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