2016年6月17日金曜日

朝比奈さん 仏像制作の企画案発表!

6月の定例会は、見学者を含め30名参加で大賑わい。
ご参加の皆さん
 
先月訪問した静嘉堂文庫美術館での観覧について感想を伺った。
「運慶らしくない」
「なぜ、国宝に指定されていないのだろうか」
「コミカルな動きが印象的」「願成就院像を拝観した直後だけに、
運慶作と思えなかった」等々。運慶は良きに悪しきに、いつも
話題となる。
 
次に、2016年に国宝に指定された西大寺の叡尊坐像について
解説をした。合わせて西大寺の縁起、叡尊の事績、更には仏教宗派の
13宗56派についても敷衍した。
西大寺は、真言律宗の総本山寺院。聖武天皇が創建した東大寺
(東のおおでら)に対し孝謙天皇(聖武天皇の皇女)が西大寺
(西のおおでら)を創建した。創建時は華厳宗か。

荒廃した西大寺を真言律宗として再興したのが興正菩薩叡尊。
叡尊によって中興された寺院は数多くある。叡尊は愛染明王と
舎利塔(釈迦回帰として)を大切にされていた。
戒律を重んじる律宗と真言宗が融合し、真言律宗。
(真言宗の中の一派)

今回の国宝指定を機に、叡尊についてもっと関心が高まると良い。
叡尊の直弟子・忍性が創建したお寺に鎌倉の極楽寺がある。
お二人とも慈善活動家として有名。

叡尊坐像解説         国宝仏像所蔵寺院の一覧
 
 
本日のメインは朝比奈さんの「阿弥陀来迎像制作(第2回)」。
朝比奈さんの熱心さと探求心に参加者は皆脱帽。
 
PPTで発表の朝比奈さん
 
来迎像制作の目的      来迎像の使われ方の想定

制作上、独自の工夫をされているところに注目が集まった。効率化を
図るために人形を活用したり、精度を増すために塑像での試作モデル
づくりなど、創意工夫が凄い。
雲棚方式での試作方法        塑像の(仮)制作
 
 
厨子の中に安置する方法を検討した結果、雲棚の形式を採用
することとされたそうだ。
雲棚制作の工夫も凄い。
阿弥陀聖衆来迎像の配置案
 
試作の阿弥陀聖衆来迎像
 雲棚を含まない段階        雲棚に上に乗せた姿
 
来迎像制作スケジュール
 
建設会社の工房使用が許可され、強力な助っ人となった。制作がより
効率的になり当初予定より早まるのではないかと思われる。
東京オリンピック前には完成したとの目標を立てている。
 
「解説も分かりましたが、朝比奈さんという人間に感動した」との感想
も聞かれた。
 
6月の拝観寺院は中野にある萬昌院功運寺と新井薬師。お寺の概要
や仏像について井戸さんが解説された。最近の参拝寺院は井戸さんの
フットワークで得た情報を基に選んで頂いている。
 
なお、13宗について掲載して欲しいとの要望があり、掲載。
 

 

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