2018年5月5日土曜日

伊勢原市の古刹巡り①「日向薬師(ひなたやくし)」


4月27日(金)朝7時、花小金井駅近くのピーコック前に18名が集合。
「花南仏像の会」仏像探訪バスツアーに同行させて頂いた。
目指すは、伊勢原市の「日向薬師」「大山寺」、秦野市蓑毛(はだのし
みのげ)の大日堂など。古刹、名刹で見どころ満載!

今回の探訪記は3回に分けてリポートする。参拝順に、先ず、日向薬師。
バスに乗って2時間余り、幟(のぼり)が立つ参道入口に到着する(①)。

「史跡 宝城坊境内」(②)と書かれた案内板に、日向薬師についての
解説がある。霊亀二年(716)に行基が開創したと言われているのが
霊山寺(りょうぜんじ)で、その中の一坊である宝城坊だけが現存して
いる。宝城坊が「日向薬師」と呼ばれている。
①南無薬師如来の幟が立つ参道 ②史跡 宝城坊境内の案内板 

最初に、宝物殿に入る(③)。 国重要文化財の仏像がびっしり並ぶ。
仏像安置図(④)が記されたパンフレットを頂く。ご本尊は厨子入りの
薬師三尊像(⑤)。本日は、ご開帳日でないため、お目に掛かれない。

ご本尊像は⑥の通り、鉈彫り(なたぼり)と呼ばれる様式の仏像。
10世紀末から11世紀初め頃の作で、鉈彫り像として最古に属する。
「厨子」「薬師三尊像」とも国重要文化財。
③宝物殿 入口       ④宝物殿仏像安置の図 

⑤ご本尊を納める厨子(A) ⑥本尊・薬師如来及び両脇侍像(A)

宝物殿の左右壁際に像高2メートルを越える巨像が安置されている。
仏像安置図(④)の右端(B)に薬師三尊像(⑦)、左端(C)に阿弥陀
如来像(⑧)がどっしりと鎮座。いずれもボリューム感のある鎌倉期
らしい仏像で、重要文化財。
⑦薬師三尊像(B)     ⑧阿弥陀如来像(C)

宝物殿拝観後、本堂(⑨、⑩)へ移動。この本堂は、霊山寺本堂を
引き継いだものと解説板(⑫)に記されている。更に、江戸時代の
万治三年(1660)に幕府から丹沢の立木百本の寄進を得て修造が
行われ、現本堂はこの時の再建と考えられるとのこと。

本堂の格子戸越しに、薬師如来と十二神将像が拝観させて頂いた(⑪)。 
⑨本堂(左手からの画像)   ⑩本堂(右手からの画像)

⑪本堂の扉から見える堂内   ⑫宝城坊本堂の解説板

その他、境内を散策して目にしたものは鐘堂(⑬)。解説文(⑭)を
読むと、銅鐘が暦応三年(1340)の銘を持つ国重要文化財であり、
鐘堂は伊勢原市の指定文化財となっている。

一隅(ひとすみ)に、3本の柱を使い、四隅合わせて12本の柱で
建てられているのが特徴となっている。これは、薬師如来を守護
する十二神将を表しているそうだ。日向薬師ならではの建造物
と言える。
⑬宝城坊の鐘堂        ⑭鐘堂の解説板

立っている幟も目に付く。「南無大師遍照金剛」「南無虚空蔵菩薩」。
弘法大師・空海像と虚空蔵菩薩を祀っている。(⑮、⑯)

高野山真言宗の寺院だけに、弘法大師像は外せない。虚空蔵菩薩
は「虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)」と言う無限の記憶力を
獲得する修法のご本尊であり、空海が信奉していた。

虚空蔵菩薩についての解説は⑰の通り。幹が空洞になった中
に祀られているのが興味深い。
⑮弘法大師像

⑯虚空蔵菩薩像        ⑰虚空蔵菩薩の解説
  
9時20分頃から約1時間過ごし、次の大山寺へバスで向かった。(続く)


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