2018年12月19日水曜日

空海研究会(2)奈良・信貴山でご祈祷‼


(続き)
12月5日(水)は信貴山玉蔵院の宿坊「富貴閣」に宿泊。
信貴山真言宗 総本山 朝護孫子寺には3つの宿坊があり、
その一つが玉蔵院。山内寺院(塔頭)が3つとも言える。

信貴山真言宗の管長様や玉蔵院のご住職が歓迎のご挨拶に
部屋まで来られた。福田先生の人脈の広さを改めて知る機会
となった。夕食は、全員揃って大広間で美味しく頂いた。

信貴山 玉蔵院 浴油堂での護摩祈祷
  宿泊している玉蔵院富貴閣のそばに、浴油堂がある(❶)。
  朝5時30分からの護摩祈祷に参加するため、5時前に
  起床し、ロビーに集合(❷)。
❶総本山信貴山案内図    ❷浴油堂に向かう前

  護摩祈祷と言えば、本尊は不動明王となるのが通例。
  浴油堂の場合は出世毘沙門天が本尊となっている(❸)。

  新義真言宗の開祖である覚鑁(かくばん)上人が信貴山の
  毘沙門天王に秘法を修され、開いたお寺が玉蔵院、その秘法
  が、浴油法となる。

  浴油法と言う護摩祈祷は、真言密教の諸々の秘宝の中でも
  最秘宝と言われる。清浄なこころを意識し、堂内へ入る(❹)。
❸浴油堂・出世毘沙門天の解説 ❹階段を登り浴油堂に入る

  狭い堂内に、参列者がどっと集まる。半数をフランス人の
  団体客が占めた。通訳の話によると、今までに何度も引率
  されたとのこと。外国人が、日本の伝統的なものに関心を
  持たれることは大変喜ばしい。

  護摩壇を囲むように、着席して待つ。暫くすると浴油法を
  執り行うお坊さんが入って来られた。静寂な中、護摩祈祷
  が始まった。

  堂内に響く読経の声、燃え盛る護摩木の炎、打ち鳴らす
  太鼓の音を間近で体感。迫力満点のご祈祷に感動した。
  次は、6時45分からの本堂でのご祈祷。
  
信貴山 朝護孫子寺 本堂での大般若祈祷
  本堂は京都・清水寺の舞台を思わせる懸(かけ)造りの
  様式になっている(❺)。
❺朝護孫子寺本堂

  堂内で椅子に着席して待つ。6時45分からのご祈祷が
  始まった。管長の朗々とした声が響き渡る(❻のイメージ)。
  ご祈祷を申し込んだ人の名が三度も読み上げられた。諸願
  も成就しそうに思える。

  また、大般若経の読経と合わせて、経典で打ち鳴らす音の
  迫力に度肝を抜かれた。本堂の須弥壇には、毘沙門天王(❼)
  吉祥天女、善膩師童子のファミリーが祀られている。

  浴油堂、本堂と言い、信貴山のご祈祷は、今までにない、
  強烈な印象を残した。
❻本堂でのご祈祷 ❼本尊・毘沙門天王
          (イメージ)

  ご祈祷が終り、本堂の外に出ると、雲間から朝日が指す光景(❽)
  に目を奪われた。辺り一面が、刻一刻と明るくなる様子(❾)が
  現出した。清々しい気分になった。
❽本堂外陣からご来光を仰ぐ  ❾時間と共に一面が明るくなる

  参列者は、懸造りの舞台から、眺望を楽しみ、景色をカメラ
  に収めていた(❿)。振り向いて、本堂に掛る扁額「毘沙門天王」
  の文字、両側に百足(むかで)がいる(⓫)。百足が毘沙門天王の
  お使いであることを初めて知った。
❿眺望を楽しみ、記念撮影  ⓫本堂に掛る扁額

  宿泊した玉蔵院の方面を見渡すと、巨大なお地蔵さんと
  三重塔が見える(⓬)。浴油堂と本堂でご祈祷されたお札を
  頂く(⓭)。
⓬地蔵尊と三重塔     ⓭ご祈祷のお札

宿坊に戻り、朝食を済ませた後、参道を歩き、バスの待つ駐車場
へ向かう。参道脇に、聖徳太子像(⓮)、大きな寅の像(⓯)を目に
する。

蘇我氏と物部氏との戦いの時、聖徳太子は蘇我氏側で参戦している。
戦勝祈願したところ、天空から毘沙門天王が出現し、必勝の秘法を
授けられたそうだ。その日が寅年、寅日、寅の刻であったとのこと。

その先勝祈願をした山を、信ずべき山、貴ぶべき山「信貴山」と命名
された。ついでに、朝護孫子寺と称したのは醍醐天皇の時代とのこと。
醍醐天皇が重病の時、信貴山の毘沙門天王のご加護によって全快され、
朝護孫子寺の勅号をたまわった。

聖徳太子~毘沙門天王~寅~信貴山~朝護孫子寺の歴史・伝説が実に
興味深い。
⓮馬上の聖徳太子像    ⓯世界一大福寅

樹齢1500年の榧(かや)の木(⓰、⓱)や参道の鳥居(⓲)は
古代から神仏習合の聖地であったことを物語っている。
⓰樹齢1500年の榧の木     ⓱榧の木の解説

⓲参道の鳥居

次に向かったのは當麻寺。(続く)


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