根津美術館入口 通路
金剛界八十一尊曼荼羅
(絵葉書)
同上 (部分) 大日如来坐像
昨日、青山の根津美術館で「曼荼羅展」を鑑賞して参りました。
一口に曼荼羅と称しても、沢山の種類があることが良く分かりました。
特に印象に残ったのは、「金剛界八十一尊曼荼羅」、「愛染曼荼羅」
(ポスターやチラシにも掲載)、「兜率天曼荼羅」などです。
「金剛界八十一尊曼荼羅」は金剛界曼荼羅の中央部分「成身会」を
独立させた曼荼羅です。大日如来を中央にして、その周りを如来や
菩薩が固め、仏の智慧がいかに拡がっていくかを示す基本中の基本
となる曼荼羅のようです。
また、大日如来以外の仏を中心に据えた曼荼羅を別尊曼荼羅と呼び
ます。その中で「愛染曼荼羅」では中央に愛染明王が描かれています。
いかにも密教的な色彩の強い曼荼羅と感じました。
この曼荼羅は人々の和合を願う敬愛法(きょうあいほう)の本尊画像
とのことです。
私たちに馴染み深い弥勒菩薩は天界の兜率天に住しています。
その兜率天の様子が曼荼羅として描かれ、主殿にに坐す弥勒菩薩
から強い光が放たれています。大変印象深い一幅です。
一般的に、曼荼羅と言えば、金剛界と胎蔵界の二つがあります。
「大日経」が説く世界観を図式的に表したものが胎蔵界曼荼羅、
「金剛頂経」が記す悟りへのプロセスを図示したものが金剛界曼荼羅。
前者は慈悲と智慧が融合して展開、後者は智慧が展開と言えそうです。
胎蔵界曼荼羅には414尊(or 409尊)、金剛界曼荼羅には1461尊
(成身会だけで1061尊)の仏が描かれているとのことです。正に仏に
満たされた宇宙です。
今まで、曼荼羅と言えば、京都・東寺の立体曼荼羅を思い浮かべて
いました。この曼荼羅も羯磨曼荼羅と言って、曼荼羅の一形態です。
今回の曼荼羅展を通して、絵画の曼荼羅に大変興味が湧き、美術館で
密教絵画の冊子まで購入してしまった次第です。
【お知らせ】
広報「すぎなみ」にも掲載の通り、「仏像の見方・楽しみ方」講座の
依頼を受けています。
仏像の見方・楽しみ方
0 件のコメント:
コメントを投稿