2013年12月12日木曜日

映画「天心」を鑑賞する!


昨日、シネマート新宿で「天心」を観た。天心没後100年の節目に
制作されたそうだ。岡倉天心の映画が上映されていることを知れば、
仏像愛好家の私としては見逃すわけにはいかない。

廃仏毀釈の嵐が吹き荒れる中、仏像や美術品を護ってくれたのは、
天心やフェノロサの尽力のお蔭だ。彼らがいなかったら、今日国宝
に指定された仏像の多くも焼失し、拝観することもできなかった訳だ。

天心の活動がどのように描かれているのか楽しみに、出かけた。
映画は昭和12年、横山大観(中村獅童)が第一回文化勲章を受章し、
新聞記者からのインタビューで師・岡倉天心(竹中直人)について
思い出を語る形で展開していく。

天心に従って、茨城県五浦に移り住み、日本画制作に没頭する
弟子4人(横山大観、下村観山、菱田春草、木村武山)の様子と、
師・天心の指導、影響を与える姿が克明に描かれている。

師と弟子との人間模様を詳しく知ることができたことと大観始め
日本画の巨匠を多く輩出した天心の功績を再認識できたことは
良かった。

仏像ファンの私としては、天心がフェノロサと調査した奈良の古刹
のこと、法隆寺夢殿で救世観音と対面した時のこと、更に仏像の
保護・保存活動にどのような活動をしたかなど、ほとんど描かれて
いないのが残念!!

古来からある日本的なものを大切に思う天心の姿をもっと具体的
詳細に描いてほしかったと思う。弟子4人がなぜ、天心に付いて
行きたいと思ったかも、もう少し描いてほしいと感じた。

横山大観の眼を通して描く岡倉天心像であり、描き方に制約と限界
があったのではないだろうか。


映画「天心」のフォトギャラリーから



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