2013年12月20日金曜日

牧野さん「寺社の植栽」について話す!


今年最後の定例会は会員27名、見学者4名の参加で、大賑わいとなった。
前月まで「ロノ字型」に机を並べての席にしていたが、30名を超えると席が
作れない。今月はやむなく「学校スタイル」に机を並べ、着席いただいた。

最初に、来月以降の研究発表予定と見仏会での訪問先についてご連絡し、
皆さんのご了承を頂いた。6月までの訪問予定が決定!!

近況報告では先月からご参加の朝比奈さんが奈良古刹を参拝されたこと
を話された。朝比奈さんは3年前からに仏像彫刻を始められたとのこと。
現在、彫っている薬師如来が完成間近であり、次の計画は如来の中の
如来、大日如来だそうだ。

大日如来を彫り始める前に、像のイメージを掴むために奈良・円成寺に
行かれ、運慶作・大日如来坐像を拝観されたとのこと。朝比奈さんには、
すでに仏師の気迫が漂っているように感じられた。
~・~・~・~・~・~・

本日のメインは牧野さんが話す「寺社の植栽」。牧野さんは、樹木や草花
について造詣が深い。半年以上も前から計画し、今回ようやく実現となった。

     スクリーンで解説される牧野さん    解説を聴く皆さん

牧野さんの研究テーマとなったきっかけは次の4点とのこと。
1.寺院・神社それぞれに特定の植栽はあるのか?
2.仏教の宗派ごとの特定の植栽はあるのか?
3.寺院の庭は何故美しく造園されているのか?
4.寺院・神社で良く見かける植栽とその効用(役目)は?

今も、この4つの視点で研究を継続されていることと思う。

大変興味深く拝聴したことは、寺院庭園の歴史を時代別に整理されて、
解説頂いたことだ。庭園はご本尊とお会いするためのアプローチであり、
庭園の持つ意味を理解することによって、参拝の魅力が倍増する。

寺社で良く見かける植栽とその効用一覧表は今後、寺院参拝時の必携
資料となる。
ベスト10は、「マツ」「イチョウ」「クスノキ」「カシ」「ケヤキ」「スギ」「シイ」
「マキ」「ウメ」「カエデ」だそうだ。

また、杉並区にケヤキが多いのは、杉並区は昔は農家が多く、ケヤキの
葉が肥料となることから多く植栽されたとのことだ。なるほどと納得。

「鎮守の森」の解説で、杉並区の現状について話されたことも、大変興味
深い。
①鎮守の森:現存28寺社(神社23・寺院5)
②貴重木、代表木がどういう木のことか、またその基準と実数
③区の緑の占有率22% (⇒ 23区中何番目か知りたい。)

「寺社の参道や庭園を歩き、植物の生命力を感じとって下さい」との結びは
大変印象に残った。参拝がより一層楽しみとなる。
~・~・~・~・~・~・

その他、今月学習したこととしては2点
1.国宝十一面観音立像7体

2.平等院鳳凰堂の創建歴史及び、ご本尊と雲中供養菩薩・飛天
  (サントリー美術館 「天上の舞 飛天の美」の事前学習)

 
定例会終了後、会場を変え、ご都合の良い方のみの忘年会を実施した。
参加者19名とこちらも大変賑やかな会となりました。
今年最後の定例会も楽しく有意義なものとなりました。ご参加の皆さん
のご支援、ご協力に心より感謝。 (合掌)




0 件のコメント:

コメントを投稿