2016年1月15日金曜日

安元伸夫さん「印相」について解説する!


1月BAC定例会には26名が参加。先ずは、先月参拝の曹洞宗大本山
總持寺について進行役の朝比奈さんが、参加者へ感想を伺った。
七堂伽藍や千畳敷となった太祖堂が広大なことに感心したと言う方。
また、修行僧が座禅を組んだり、生活するスペースの狭さに驚くとの
感想を言われる人もいた。

禅宗寺院は伽藍配置などを見るのも、楽しみ方の一つと説明すると、
「三門」とは何かとの質問が出た。そこで「三門」とは「三解脱門」のことで、
三毒である煩悩「貪(とん)、瞋(じん)、痴(ち)」を解脱するために通る門
だと解説した。即ち、貧は貪欲の欲、瞋は瞋怒の怒り、痴は愚痴の愚かさ
と言ったところ。

続いて、朝比奈さんが参拝された川崎市の影向寺(ようごうじ)と光明院に
ついて報告された。影向寺は来月、BACで参拝予定であり、重文の薬師
三尊像が見どころ。
光明院については、中嶋莉恵さんが勤務している工房で制作された
仏像が多く祀られており、3mもある仁王像も8月頃に奉納されるようだ。
いずれも拝観が楽しみ。

私からは、谷中七福神巡りと昨年末に参拝した鎌倉や藤沢の寺院を
報告した。源義経所縁の鎌倉市腰越・満福寺や日蓮が処刑されそうに
なった藤沢市片瀬の龍口寺(りゅうこうじ)、元(中国)の国使が北条時宗
の命により処刑された事で知られる常立寺(じょうりゅうじ)を紹介した。

本日のメインは安元さんが発表される「印相」。数か月前の定例会で
安元さんから印相についての質問が出た。そこで、一度お調べになって、
ご発表されてはいかがですかと提案した。
そのことが契機となり、本日を迎えた。
ご発表される安元さん

先日、お会いした時には、画像資料を作成に2か月間集中し、
他のことに一切手が付かなかったとお聞きした。その時は提案した
ことがまずかったと反省した。そんな気持ちで今日を迎えた。

簡潔にまとめられた内容に、参加者は一様に「良く分かった」との
感想。私も、PDFの画像資料、発表内容や進め方など見事と感じた。
ご発表をお勧めしてしたことも、良かったのではないかと少し気が
楽になった。
ご参加の皆さん         安元さんと幹事のお二人

ご発表内容の概略は以下の通り。
印相は釈迦の身振りから生まれたもの。我々を導くための願いや
働きなどの重要なメッセージが表現されている。形を決めれば、何かが
心に中に現れてくるのではないか。五郎丸もあのポーズを取ることと
印相は共通しているのではないか。上手い例えだ。

釈迦の五印「定印、降魔印、説法印、施無畏印、与願印」について
一つずつ、丁寧に解説された。説法印、施無畏印、与願印が衆生教化
の印と分類。なるほどと感心する。

密教印として、智拳印や法界定印。阿弥陀如来の九品往生印
(くぼんおうじょういん)。
その他として、刀印(とういん)や思惟手(しゆいしゅ)にも触れた。

「印相」解説に使われた画像の一部



解説の合間に言われる個人的な感想が良い。なるほどと頷くことも多く、
話にメリハリが付き、楽しく拝聴でできた。特に、感心したことは、
法隆寺・阿弥陀如来像(鎌倉大仏の右隣の像)の印相について、
これは説法印か来迎印か。

安元さんの解説が面白い。阿弥陀さんの眼は説法しているように見える。
決して来迎に見えないと言われた。印だけに注目するのではなく、眼も判断の
決め手だとすることは凄い。
印相をきっかけに仏像を観る眼が数段アップされたのではないだろうか。

話が弾み、時間が足らなくなった。予定されていた分は次回に、お話しして
頂くこととなった。来月も続きをお願いします。

なお、今月の見仏会は中野区の成願寺と宝仙寺を予定。井戸さんから
寺院の解説と集合場所を連絡頂いた。
終了後、十数名で昼食歓談。楽しいひと時を過ごした。



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