2015年1月16日金曜日

学習会は「歴史・お寺・仏像の自己流楽しみ方」を披露!


新年最初の定例会には会員24名が参加。先ずは、昨年末の多摩美大
美術館の感想をお聴きした。皆さん満足の展示会だったようだ。

「六地蔵の笑顔が良かった」「大日如来の表情が照明で変化するのが、
印象に残った」「300円の入館料で、解説もして頂き、大変満足」
「専門的な質問も出て、学芸員の方も大変だったのでは」「箱車での
遍路は、車を引いたり、押したりする人の方が大変」「映像の中で、
仏像を運び出す際に白い手袋をしていないのが気になった」等々

今回は、どなたの発表も予定がなかったため、幹事が、何かを発表する
こととなった。日頃、仏像拝観してメモしたことや、本を読んだり、調べたり
して、まとめていたことをパワーポイントのスライドにしてみた。

テーマは「歴史・お寺・仏像たち ~K2式楽しみ方のポイント」。スライド
は52枚となった。しかしご覧頂いたのはわずか13枚で予定の時間と
なった。消化率25%。残りは、ご要望があれば、またの機会にご覧頂く。
 (K2式とは後述)

私の楽しみ方は自分でグラフや系図を作り、眺めることから始まる。
先ず、歴史については・・・
①登場する人物の生存年数を棒グラフにして、同じ時代に生きた人か
  否かをつかむ。⇒同時代の人であれば、会ったことがあるのではと想像
  が膨らむ。 
②登場人物の系図を作り、姻戚関係がどのようになっているかを調べる
  ⇒外祖父となることで権力を手にすることが多い。
③年表を作り、時代の展開を見る
④事件や政変は当事者の相関図や推移表を作る⇒臨場感が出る。

肝心のお寺や、仏像にまで、話が及ばなかった。楽しみ方のポイントと
しては表①のような項目をチェックしている。
表①
 
今回取り上げた時代は、国宝仏の多い、天平から弘仁・貞観時代に絞った。
登場人物は天皇家(皇室)、藤原氏(貴族)、高官、高僧の4部門に分けた。
登場するのは個人的に関心の高い人物だけ。(表②)
 
KousituのK、KizokuのK、KoukanのK、KousouのK。4つとも「K」で始まる。
この「K」のうち2つだけに絞ると、分かりやすい。従って「K2式」と呼んだ。
例えば、「皇室と貴族」「皇室と高官」「皇室と高僧」「貴族と高官」等々。
この2部門の関係に絞ることで頭の整理がしやすい。
(私のイニシャルもKKだからK2としたこともある)
表②
 
生存年数(生年から没年)を棒グラフにし、生年順に並べた表を作る。
年齢は5歳刻み位のアバウトのものでも、同時代に生きた人かどうかが
一目で分かり、眺めているだけで面白い。(表③、④)
表③               表④

次に、系図は桓武天皇の皇子・皇女が藤原四家とどのようにつながって
いるのかを見るために作成。(表⑤)
更に、藤原氏に関連する年表を作成し、藤原四家⇒南家・仲麻呂⇒
式家へと勢力が変遷していくことが分かる。(表⑥)
称徳天皇没後、藤原良継や百川が、なぜ光仁天皇擁立を進めたかは
系図を見ると容易に想像がつく。
表⑤               表⑥
 
桓武から平城、そして嵯峨へと移り、藤原氏も式家から北家へと勢力が
移って行く。藤原冬嗣、良房、基経と政権の中枢になっていく。「承和の変」
から「菅原道真 大宰府へ左遷」は次回以降となった。
 
桓武天皇、和気清麻呂、最澄との関係、嵯峨天皇、藤原冬嗣、空海の
関係も興味深い。空海の交遊録という側面からのアプローチも楽しい。
 
今回の発表は、個人的な学習や楽しみ方をお話しさせて頂いただけであり、
学術的に正しいか否か問うものではないことをご了承願いたい。
 
終了後、相良さんから感想を言われた。「学生時代には、平安文学を読んで
いた。このような相関図が分かって読むともっと面白くなっていましたね」
 
2月は山森さん「いにしえの色彩を求めて」、3月は井戸さんの「神社」の
ご発表予定。お楽しみに!!
 
 
 
 


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