2022年5月6日金曜日

松濤美術館で奈良国立博物館コレクションを観覧!

 5月5日(木・祝日)、渋谷区立松濤美術館を訪れた。「SHIBUYAで仏教美術」
と銘打って、奈良国立博物館名品の展覧会が開催されている。10時~10時30分
の枠で予約しておいた。10時10分前に到着すると10数名が開館を待っていた。

時間なると入口で予約内容を確認を受け、入館した。60歳以上は入館料500円と
言われ、何か得したような気分になった。予約していない方も直ぐ入館できた。

❶展覧会案内(表面) ❷展覧会案内(裏面)

展示は2部構成で、第1部『日本の仏教美術の流れ』、第2部『珠玉の名品たち
ーまほろばの国から』となっている。会場も地下1階と地上2階の2か所。展示
作品は第1部が34件、第2部が22件と程良い数と感じた。(前期の出品数)

第1部では、観覧後に日本の仏教美術を復習した感覚になった。仏教美術の流れ
を大きく捉えるのにちょうど良い企画であったように思う。第1部は5章で構成。
①釈迦の美術、➁密教、③浄土信仰、④神仏習合、⑤絵巻となっている。

仏教美術における密教の存在は大きい。密教彫像や曼荼羅が仏教美術に与えた
影響は計り知れない。空海は信仰面だけでなく美術史面においても大きな足跡
を残した。本展覧会において18件と出品数が一番多い。第1部出品数の過半数
は密教の作品が占めている。
❸出品リスト(表面) ❹出品リスト(裏面)

第2部『珠玉の名品たちーまほろばの国から』は①仏像、➁書、③工芸品の3章で
構成されている。仏像はわずかに4躯のみではある。しかし、飛鳥、奈良、鎌倉
の時代的特徴が良く分かる。

書で注目したのは、重文の『兀庵普寧墨蹟(ごったんふねいぼくせき)』。この
兀庵普寧は建長寺の第2世で南宋の僧である。墨蹟の見事な達筆ぶりに感心した。
「ごたごた」(争い・もめごとや雑然としている意で使われる)の語源となった
人物が兀庵和尚とも言われる。「ごたごた」と程遠い墨蹟だ。

工芸品では五鈷鈴。鈴の部分に彫像がある。「四大明王五鈷鈴」「梵釈四天王
五鈷鈴」「五大明王五鈷鈴」「四天王五鈷鈴」と展示されていた。このように
五鈷鈴を一度に見るのは初めてだ。ここでも密教の法具が大きなウエイトを占
めている。

観覧時間は40分あれば、充分堪能できる。観覧後、久方ぶりに渋谷でランチを
頂いても12時前に終え、時間を得したように感じた。