2014年3月27日木曜日

鎌倉 東慶寺仏像展を観覧!

新宿駅構内 スーパー成城石井前に集合し、湘南新宿ラインに乗車。
10時前に北鎌倉駅に到着。小雨が降る中15名で東慶寺に向かった。
お目当ての水月観音は明日から、奈良国立博物館へご出張されるとの
こと。本日の拝観は幸運と言える。

拝観料200円を受付で支払境内に入る。どことなく優しい雰囲気の
境内は、尼寺であった名残を感じさせる。最初に、「波羅蜜」の扁額が
掛かる本堂を拝観する。内陣正面にはご本尊の釈迦如来坐像が鎮座
されていた。

ご本尊にご挨拶した後、仏像展の展示会場「松岡宝蔵」へ移動する。
階段の踊り場に聖観音菩薩立像がお出迎えしてくれる。金泥塗で
あった像も時の流れの中で有難味を感じさせる色合いとなっていた。

2階の会場に入ると、直ぐに水月観音菩薩半跏像が遊戯坐(ゆげざ)
の姿勢で佇んでいた。やはりこの観音様は秀逸だ。光の加減で眼が
微妙に変化する。下から見上げる角度が良い。水月観音を拝観しつつ、
暫し「遊戯坐」を話題に談笑。

奈良時代の乾漆造・如来像、和辻家から寄贈された如来立像、天秀尼
念持仏であった阿弥陀如来立像、盗難後鋳造された香薬師如来像など
興味の尽きない仏像が8体も拝観できた。

続いて、東慶寺墓苑へ向かい、懐かしい著名人や歴代住職の墓所を
訪ね、合掌。小林秀雄、和辻哲郎、開山の覚山尼、第五世用堂尼、
第二十世天秀尼の墓所はいずれも質素な造りであった。禅宗寺院の
墓所は「ひっそりと静かに眠る」と言う表現がぴったりだ。
境内を出る前に、全員揃って記念撮影。小雨模様のため、梵鐘のある
屋根の下に並び、通りかかりの参拝者にシャッターをお願いした。

東慶寺の墓苑

         小林秀雄の墓所        和辻哲郎の墓所

鐘楼を背に記念撮影

昼食は精進料理を頂こうと「鉢の木」北鎌倉店向かう。12時になる前
であり、全員待たずに座ることができた。歓談しながら舌鼓を打った。

精進料理で舌鼓
 
次に参拝した寺院は、ご本尊が閻魔大王の円応寺。本堂の正面に
大きな口を開けた閻魔大王が鎮座されている。この像は大仏師運慶
作との伝えがある。奪衣婆の恐ろしい表情に比べ、この閻魔大王は
「笑い閻魔」と呼ばれるくらい、どことなくユーモラスな雰囲気もある。
入口近くに坐す地蔵菩薩半跏像の表情が良い。さすが、閻魔大王の
本地仏だ。


最後に、建長寺を参拝した。三門を通り、「三解脱門」の意味について
説明した。境内にある柏槙の樹は見事だ。建長寺の歴史を見つめて
きた見事な樹だ。神々しさも感じられる。

本堂の本尊・地蔵菩薩坐像、法堂の釈迦苦行像や千手観音坐像は
存在感のある像だ。ご本尊が地蔵菩薩と言うのも極めて珍しい。
元々処刑場の地に寺院建立となり、地蔵菩薩がご本尊となったようだ。
最後は庭園を眺めながら歓談した。心落ち着くひとときとなった。

 本尊・地蔵菩薩坐像  釈迦苦行像と千手観音

法堂天井の雲龍図

また、北鎌倉駅に向かって歩き出す。鎌倉は晴れて良し、雨もまた良し!!






2014年3月21日金曜日

小池博さん「仏の三十二相」について語る

 
BACがスタートしてちょうど2年が経過する。会員も増え、お名前とお顔が
一致しない方も多くなってきた。そこで、今回は名簿を見ながら簡単な自己
紹介から始めた。皆さん、ご自身の関心事やBAC参加のご縁、仏像との
関わりなどをご発表された。親近感も増したように感じた。(参加者25名)

今回のメインは小池さんが「仏の三十二相」についてまとめられたものを
ご発表されること。前置きとして、仏の顔に関心を持ち始めた経緯について
話された。仏の顔にうっとりし、なぜだろうかと思ったのがきっかけとなって、
調べるうちに三十二相に辿り着いたようだ。

また、仏教以外の宗教では偶像に対してどのようなスタンスなのかについて
解説された。大変興味深い。

金子啓明氏「仏像のかたちと心」での解説を紹介された。「三十二相」とは
釈迦の偉大さを示す、身体的表現であり、普通の人間にはない異形をとる
ことで、人間をはるかに超えた超越性や神秘性を暗示するものである。

具体的な三十二相については『大智度論』という経典に書かれており、
すべて適応されるのではなく、取捨選択されて、表現されるとのことだ。

確かに基準は決まっていても、仏像制作発願者の要望や仏師の表現方法、
あるいは時代的な流行などによっても大分相違するだろうと想像がつく。

三十二相が適用された仏像をスクリーンに映し、代表的な相についての
解説を加えて頂いた。その中のいくつかをご紹介します。
        肉髻相(にっけい)   手足指縵網相(しゅそくしまんもう)

    足跟広平相(そくこんこうびょう)    足下二輪相

       解説をされる小池さん      解説を聴く皆さん
 
これから仏像を拝観される際、本日の学習が大いに参考とるものと確信。
小池さんお疲れ様。
 
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☆☆本日の定例会でのホットなニュースは橘千鶴子さんご自慢の絵画。
橘千鶴子さんが絹谷幸二さんに描いて頂いた絵。
絹谷さんは当時、藝大の学生さんだったとのこと。
橘さんの宝物!!
 
絹谷幸二さんは現在 東京藝大名誉教授、大阪藝大教授
日本芸術院会員、独立美術協会会員と日本を代表する画家。
 
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☆幹事からのお薦め図書・・・關 信子 氏 の『仏像歳時記』
 「縁日」に代表される伝統的な催しに季節感がある。
 仏像を歳時記を通して、拝観することは新しい発見となった。
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なお、3月の見仏会は急遽、鎌倉・東慶寺に変更となった。理由は
東慶寺が仏像展を開催中であり、水月観音も予約なしで拝観できる。
精進料理も楽しみとなる。