2014年6月20日金曜日

今月の学習会は「須弥山世界と四天王」


6月の定例会は26名の参加があり、学校形式の配席で進めた。
今回は、体験談や研究の発表者が決まっていなかったため、幹事が
「須弥山世界と四天王」と題してのミニ講座を開いた。

須弥山世界の前に毘盧舎那如来の蓮華蔵世界とはどんな世界なのか
を図を見ながらイメージして頂いた。
次に、取り上げたテーマは以下の通り
①仏を生む仏「毘廬舎那如来」とはどんな仏か?
②蓮華蔵世界の小世界=「須弥山世界」とはどんな世界?
③なぜ須弥壇の四方に四天王が配置されるのか?
④邪鬼は四天王に踏まれているのか、四天王を支えているのか?
  等々。
      蓮華蔵世界の図     東大寺、唐招提寺の毘盧舎那如来

       須弥山世界の図      東大寺戒壇堂の四天王と邪鬼

終了後の感想の中に、インドの人はそんな昔(4世紀頃か)に、このような
世界観を持っていたとは驚きとの声も聞かれた。

聖徳太子創建の「大阪・四天王寺」、聖武天皇創建の「奈良・東大寺」は、
共に「四天王に護られた国の寺」との呼び名がある。四天王が国家の
守護神としていかに心強い存在であったか、また同時に仏教が根付くに
当たり果たした役割も強大であったと思われる。

これからは、ご本尊ばかりでなく、須弥壇を護る四天王、邪鬼にも注目し
て頂けると嬉しい。

今月の拝観寺院「築地本願寺」について、もう一人の幹事・井戸さんから
見どころの解説があった。
★今後の予定は・・・
  (7月)世田谷区・玉川大師、 (8月)目黒区・大円寺&松岡美術館
  (9月)小平市・平櫛田中彫刻美術館、(10月)港区・サントリー美術館

☆☆7月の定例会は東京藝大の中嶋莉恵さんの講演会を予定
    お楽しみに・・・



4 件のコメント:

  1. 初めてコメントを書かせていただきます。
    仏像彫刻を楽しんでいる割には、仏のことや仏の世界のことをほとんど分かっていないということを、木村講師の話を聞かせていただくたびに再認識させられています。
    このたびの四天王の話は、まさにこれから毘沙門天(多聞天)像を彫りたいと思っていたところでして、とても勉強になりました。今回のお話の中で邪鬼は四天王に踏まれているのか、四天王を支えているのか?ということに明快な回答が無かったようですので、私も調べてみようと思っています。
    お話の中の須弥山の世界の図は木村講師の独自の図とのことで、この世界のことをとても深く掘り下げられておられるようで、驚きです。ただ、改めて見させていただくと、分からないことばかりです。また機会をつくり、この世界のことを教えていただければ助かります。

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    1. 邪鬼が仏教と敵対する存在であれば、四天王に踏みつけられていると思います。また、仏教に帰依した邪鬼が夜叉神として須弥山のふもとで四天王をガードしていると考えれば、支えていることになるのではないでしょうか。したがって、どちらにもとれるのでは。いかがでしょうか。勝手な解釈です。

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  2. さっそくのご回答ありがとうございました。
    邪鬼については、いずれの解釈も間違いではないとのことですので、今後彫刻予定の毘沙門天の邪鬼については、私なりの解釈で、毘沙門天を支えるということで進めたいと思います。

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  3. 外敵に襲いかかろうとする邪鬼が四天王に「待て待て」と制止されているように見えます。邪鬼のユーモラスな表情が何とも言えません。毘沙門天と邪鬼の制作、楽しみにしています。完成後、BAC定例会でぜひご披露ください。

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