4月13日(土)東京国立博物館で東寺展を堪能した。
参加者は総勢18名。好天に恵まれ、青空が広がる。(❶)
入館者が大勢並んでいるものと想像していたところ、待ち時間
も無く、スムーズに入館できた(❷)。
❶東博外観、桜と青空 ❷平成館入口掲示の看板
今回の見どころは、立体曼荼羅の諸尊像(❸)や両界曼荼羅図、
風信帖、密教法具、兜跋毘沙門天像、五大虚空蔵菩薩像などの
東寺名宝の数々(❹)。
❸特別展チラシ(表) ❹特別展チラシ(裏)
展覧会の構成は4章構成となっている。
第1章「空海と後七日御修法」、第2章「真言密教の至宝」
第3章「東寺の信仰と歴史」 、第4章「曼荼羅の世界」
会場図❺の通り、最後に空海ワールドの曼荼羅が現れる。
❺特別展 会場図
1.後七日御修法 (ごしちにちみしほ)
真言密教の最大の秘法と言われる後七日御修法がどのような
設えで行われるか見てみたい(❻、❼)。また、天皇の安寧
や国家の安穏をどのように祈るかも大変興味深い。
正面に五大尊の図像が安置され、左右に修法壇が設えてある。
修法壇の前にはそれぞれ、胎蔵界、金剛界の両界曼荼羅図が
掲げられている。
❻後七日御修法 道場略図
❼後七日御修法壇(1) ❼(2)<図録から>
【壇の左手に五大尊像】【正面に胎蔵界曼荼羅図】
胎蔵界曼荼羅図の後ろ側壁には、十二天像(❽)が並んでいる。
<十二天像 平安時代・大治二年(1127)京都国立博物館>
十二天像とは密教における方位の神々であり、四方四維の八方位に
上下の二方、更に日月を加えた十二方からなる。密教の修法空間を
守護している。
❽十二天像(1) ❽ー(2)
❽ー(3) ❽ー(4)
(画像はネットから)
十二天像は胎蔵界曼荼羅図にも描かれている。胎蔵界曼荼羅図
は十二院に分かれている。一番外側の四方を外金剛部院と言う。
外金剛部院に十二天像が描かれており、その位置を示したもの
が❾図。
❾胎蔵界曼荼羅 外金剛部院に
描かれた十二天の位置
後七日御修法の修法壇で一番感心したのは、修法壇の前に
設置された台の上に御衣が置かれてあった。天皇の勅使に
よって運ばれた御衣は、祈祷の後、御所へ届けられる。
834年、仁明天皇から空海に勅許されたこの御修法が
今も延々と続いていることに深く感動する。
2.第2章、第3章で、特に注目した仏像
愛染明王香合仏(あいぜんみょうおうこうごうぶつ)(❿)
は、直径8.6㎝の小さなお椀の中に納まっている。
何とも可愛い仏像で、大事にお守りしたい気持ちんになる。
香合とは香を入れるための蓋つきの小さな容器のことを言う。
愛染明王はヒノキで制作されており、香木の白檀ではない。
兜跋毘沙門天立像(とばつびしゃもんてんりゅうぞう)
(⓫)を間近で拝観した。見開いた眼は威圧的である。
しかし、顔全体の表情は、どことなく女性的な優しさを
感じた。下から両手で支える地天女と尼藍婆、毘藍婆は
何とも愛嬌がある。
平安京の羅城門で都を守護したこの像を、空海はどんな
気持ちで眺めていたのだろうか?
❿愛染明王香合仏 ⓫兜跋毘沙門天立像
(いずれも図録から)
(いずれも図録から)
3.曼荼羅の世界
今回一番の見どころは曼荼羅の世界。お堂で拝観する時と
違った眺めを楽しみにして来館した。仏像配置が変わること
で印象が異なることや360度の観覧など、博物館ならでは
の楽しみがある。第二会場に入ると(⓬)、五大虚空蔵菩薩
を目にする。
観智院の五大虚空蔵菩薩坐像(⓭)は、お寺で拝観する時は
横一直線に並んでいる。今回は円形に配置されている。方位
を考慮すれば、円形配置の方が本来の配置ではないかとも
思える。
どの虚空蔵菩薩も、同じようなお顔をされている。一方、台座
の動物がみな違い、面白い。法界虚空蔵菩薩はなぜ馬なのかと
いろいろと想像を巡らす。
これらの像は、空海の孫弟子の恵運(えうん)が唐から請来
したと伝えられており、安祥寺旧蔵だそうだ
今回一番の見どころは曼荼羅の世界。お堂で拝観する時と
違った眺めを楽しみにして来館した。仏像配置が変わること
で印象が異なることや360度の観覧など、博物館ならでは
の楽しみがある。第二会場に入ると(⓬)、五大虚空蔵菩薩
を目にする。
観智院の五大虚空蔵菩薩坐像(⓭)は、お寺で拝観する時は
横一直線に並んでいる。今回は円形に配置されている。方位
を考慮すれば、円形配置の方が本来の配置ではないかとも
思える。
どの虚空蔵菩薩も、同じようなお顔をされている。一方、台座
の動物がみな違い、面白い。法界虚空蔵菩薩はなぜ馬なのかと
いろいろと想像を巡らす。
これらの像は、空海の孫弟子の恵運(えうん)が唐から請来
したと伝えられており、安祥寺旧蔵だそうだ
⓬「曼荼羅の世界」仏像配置図 ⓭五大虚空蔵菩薩坐像
立体曼荼羅(⓮~⓱)をどのように、再現するのかが
一番の関心事。前面中央に、帝釈天騎象像を安置し、両端には
持国天立像、増長天立像を配置(⓮)。立体曼荼羅の主役は、
帝釈天と言える。帝釈天像のみ、写真撮影が許可され、大勢の
人が周りに群がっていた。
菩薩像、明王像は東寺講堂と同じように配置される(⓯、⓰)。
如来像は最後部に横一列に並んでいた(⓱)。東寺講堂では
中央に陣取る如来像も、東博では控えた存在となっている。
⓮天部像 ⓯菩薩像
⓰明王像 ⓱如来像
(⓮の帝釈天像以外は図録から)
写真撮影が許可された帝釈天騎象像が⓲。
⓲帝釈天騎象像(筆者撮影)
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