2014年5月22日木曜日

東京藝大 大学美術館「法隆寺ー祈りとかたち」を観覧!


午後からの天気が危ぶまれる。朝は晴天。青空の下、上野駅から
藝大美術館へ向かった。10時、美術館入口に19名の会員が集合。
法隆寺展を観覧した。

 
                   陳列館・阿弥陀浄土図 前
 
 
【陳列館に展示の浄土図】
                 釈迦浄土図

弥勒浄土図         薬師浄土図
 
阿弥陀浄土図
 
 何と言っても、今回の展示の中で、一番の注目は国宝の吉祥天立像と
毘沙門天立像。両像とも小振りなのは、法隆寺金堂の釈迦三尊像に
合わせたためとのことだ。動きや表情も控えめな感じがする。
 
両像とも彩色や截金が見事に残っている。普段、目にすることのできない
背面の彩色も拝見した。その鮮やかさに驚いた。紫外線に当たる時間が
少ないためか。背面は、美術館でしか鑑賞できない。
 
この像を前にし、毎年、新年行事の吉祥悔過(きちじょうけか)が行われて
いる。今までどれだけ、多くの人の懺悔を受け止めてきたのであろうかと
ついつい想像してしまった。
 
もう一つの注目は祈りの仏画・鈴木空如の金堂壁画模写。壁に掛けられ
た原寸大の壁画には圧倒される。原画の傷みまで再現されている。これ
だけの技量があれば、修理しての仏画も拝観したかった。
 
特に、阿弥陀浄土図は鮮やかな色彩であり、浄土図の中で一番インパクト
があった。阿弥陀、釈迦、薬師、弥勒の浄土や菩薩像に囲まれた空間は、
祈りに満ちた特別な場所、浄土の世界であっただろうと想像がつく。
また、鈴木空如にとっては、後世に伝えようと必死に格闘した世界でも
あった。
 
いろんな作者が制作した聖徳太子像(彫刻、絵画)がいくつも展示されて
いる。二歳像、孝養像、摂政像、厩戸皇子、上宮皇子など聖徳太子ほど
神格化された人物はいないと改めて認識した。平櫛田中 彫刻、前田青頓
彩色の聖徳太子像(摂政像)が好きだ。
 
高村光雲作 定胤和上像も素晴らしい。高僧のオーラを感じさせる像で
あり、眼のくぼみが眉に見える。この方が法隆寺の宗派、聖徳宗を興した
学僧とのことだ。
 
金堂壁画は別棟の陳列館でも展示されている。こちらは最先端技術を駆使
した「超高精細映像表現作品」となって紹介されていた。法隆寺金堂を再現
した展示で臨場感がある。
カメラ撮影の了解を得、阿弥陀浄土図をバックに一枚撮らせて頂いた。
 
法隆寺展は今回が2度目の観覧であり、法隆寺と東京美術学校(藝大)
とのつながりも理解が深まった。藝大には引き続き、日本の文化遺産保護
のためぜひご尽力をお願いしたい。BACも微力ながらご支援させて頂く。
 
終了後、8名で中華料理に舌鼓を打った。
 
 

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