「いにしえの色彩[青]を求めてNo.2」のご発表。
参加者21名は、ロノ字配席に適正人数となり、
お互いの顔を見ながら、質疑応答もできる。
今回は、「色彩の変遷」「いにしえの仏像・絵画の色彩」
「色彩豊かな仏像等のCG復元やお堂の復元」をテーマにお話頂いた。
古代エジプトで色彩文化が花開いた話に始まり、ツタンカーメンの色、
中国の陰陽五行説での五色の話、日本では邪馬台国・卑弥呼時代の色
について時代を追って解説された。
特に、興味を引いたのが、聖徳太子「冠位十二階」
での色を指定したことだ。
紫は今日においても、高貴な色との認識がある。この時代から、
最高位の色とされていたことを改めて、再確認できた。
色の分類もランクも時代と共に変化している。
色名の充実が図られたのは主に、奈良・平安時代になって
からとのこと。
色の変遷は967年(平安中期)から1704年、ドイツ・ベルリンでの
「プルシアン・ブルー」の発見まで飛ぶ。
葛飾北斎もこの「プルシアン・ブルー」を用いて、描いたと聞いている。
この青が無かったら、北斎の名が世に知られることも
無かったかもしれない。
そう考えると色の及ぼす影響は極めて大きい。
仏像の髪色については「奈良博・薬師如来坐像」や
「弥勒寺・弥勒仏坐像」などの事例で解説された。
顔料は群青が使われたようだ。
復元されたものとして、三千院の舟底天井の色彩が鮮やかだ。
極楽浄土をイメージさせる。
画像を駆使しての解説、大変分かりやすく、皆さん満足されたこと思う。
「青」をこれほど熱心に研究される山森さんの情熱に頭が下がる。
青以外の色は、色んな物質から採取可能であるが、
青は極めて難しいようだ。
これを機会に今一度「青」について、考えてみたい。
そう言えば、LEDも青が最後となった。やっぱり「青」は神秘的な色だ。
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