上野にある「びわ湖長浜KANNON HOUSE」が10月末で閉館となる。昨日
(10月17日)伺った。東博や藝大美術館での展覧会に行った際、よく立ち
寄った。
1.びわ湖長浜KANNON HOUSE
今回展示の観音像は、長浜市宮司町・総持寺の千手観音立像(❶、❷)。
平安時代(12世紀)のヒノキ一木割矧造で像高が106.1㎝の像。柔和な
お顔立ちは、典型的な定朝様。持物は後補ではあるものの、千手観音の
法力を感じさせる。
今までに展示された観音像のパネルもじっくり眺めた(❸)。「東京に
ある長浜の観音堂」として本物の観音さまとの出会いは今月末で幕を
閉じることになる。2016年3月にオープンしてから4年半楽しまさせて
頂いた。
❶長浜・総持寺千手観音像 ❷展示千手観音像を観覧
❸観音ハウスに展示の観音像パネル
2.浅草文化観光センターでのパネル展
観音ハウス展示の仏像が浅草文化観光センターでパネル展示されている
とのことであり、浅草まで足を延ばした(❹)。当日が最終日だった。
展示の新聞記事が目に留まった。観音文化を後世につなぐために、活動
される、若い女性(記事の写真)が紹介されていた(❺)。外部から、
地域に溶け込み、地域の文化継承に活躍される姿勢は心を打つ。
❹浅草文化観光センターでの ❺長浜観音文化を伝える
パネル展 新聞記事
3.「観音の里」を紹介した展覧会やTV番組
(A)東京芸術大学大学美術館での展覧会
長浜「観音の里」に関心・興味を持つきっかけは二度の展覧会による。
「観音の里の祈りとくらし展ーびわ湖・長浜のホトケたちー」が開催
(2014年と2016年)され、感銘を受けた(❻)。その時の様子は、
2016年7月21日のブログでご紹介した。
❻展覧会の図録 (B)BSフジ「古都浪漫こころ寺巡り」で「観音の里」放映(❼~❿)
コロナ禍、以前録画したTV番組をよく視聴する。仏像好きの仲間
と一緒に観て楽しんでいる。「奥びわ湖観音の里~小説家・井上靖が
魅了された美しき観音菩薩」
120体もの観音が祀られる観音の里。井上靖が魅了された美人仏、
古物商から救われた仏、炎から救われた仏、地中に埋められた仏
たち。様々に秘めた歴史を持つ観音菩薩を紹介している。
近藤サトさんのナレーションも良い。
❼番組で紹介「観音の里」 ❽井上靖の小説「星と祭」
番組の中で、長浜「観音の里」に独自の仏教文化が開いた地理的背景の
解説があった。高月観音の里歴史民俗資料館の学芸員・佐々木悦也氏は
主要街道交通の要衝であったことと周りに信仰面で大きな影響を及ぼ
した宗派があったことを上げている(❾、❿)
即ち、奈良・京都と繋がり、東海道、中山道、北国街道を結ぶ交通の
要衝となっている。また、奈良時代には奈良仏教、平安時代になると
天台宗の影響を受ける。「白山信仰」という山岳信仰の影響も受けて
いる。
白山神社のご祭神は三柱。一柱の本地仏が十一面観音ということも
あり、長浜には十一面観音が多い。
姉川の合戦、賤ケ岳の合戦など戦の多いエリアでもあり、正に修羅道
の世界となっている。修羅道は六観音の中で、十一面観音が守護する。
長浜に十一面観音が多いのは戦が多かったからとも聞く。
❾主要街道要衝となる地域 ❿影響を受けた宗教・信仰
「観音の里」では観音さまをお守りすることによって自分たちが守られている
と感じている。学芸員の佐々木悦也氏はそのように解説されていた。
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