荻窪メンバー14名が日本橋の三井本館1階に集合。
美術館受付となる10時を待って7階の美術館へ移動した。
会場は、展示室1~7までの7ブロックに分かれている。
入館して直ぐに、蔵王権現像のオンパレード。これだけ、
蔵王権現を一時に観覧することは初めてだ。
蔵王権現と言えば修験道。修験道は山伏のイメージ。
仏像とは別物に思え、今まであまり、積極的に観覧することはなかった。
今回の特別展を機に、「修験道」「役行者」「蔵王権現」
についての関心が一層高まった。
修験道は役行者(634~701)が、金峯山寺で開いた
日本独特の宗教であり、東大寺より古い歴史を持つ。
密教との関連性も強く、空海(774~835)も大きな影響を
受けているものと思われる。
特別展のチラシ
展示室1、2には経箱や経筒の展示がある。平安期には
宇多上皇や藤原道長・師通に代表される皇族や貴族たちが
こぞって金峯山詣をしたそうだ。
末法到来で、埋経の流行があったようだ。
これらは金峯山経塚の埋葬品として伝わっている。
(下の①、②)
①国宝 経箱・脚台付 ②国宝 藤原道長経筒
道長経筒の側面に刻まれた文言に当時の世界観が伺える。
「南贍部州大日本国左大臣二位藤原朝臣道長・・・/ 」とある。
「南贍部州(なんせんぶしゅう)」とは仏教の宇宙観で須弥山世界にある
4大州の一つ。人間界のある世界。六道輪廻を恐れ、極楽往生する
「南贍部州大日本国左大臣二位藤原朝臣道長・・・/ 」とある。
「南贍部州(なんせんぶしゅう)」とは仏教の宇宙観で須弥山世界にある
4大州の一つ。人間界のある世界。六道輪廻を恐れ、極楽往生する
ことを願いながら埋経したものと思われる。
展示室4の中で注目した像は如意輪寺の源慶作・蔵王権現像と
櫻本坊の役行者坐像。
櫻本坊の役行者坐像。
蔵王権現像はバランスの良さ、火炎光背の見事さ、
色彩のインパクトがあり、大変印象深い。源慶は鎌倉時代に活躍した
慶派の一仏師とのことだ。流石、慶派と納得。
色彩のインパクトがあり、大変印象深い。源慶は鎌倉時代に活躍した
慶派の一仏師とのことだ。流石、慶派と納得。
この像は蔵王権現の代表的な作例で、右手を振り上げ五鈷杵を執り、
左手は剣印とし腰に当て、右脚を蹴り上げて立っている。
蔵王権現の解説で、刀印を剣印と呼んでいる。
刀を剣とする理由があるのだろうか。
役行者像は玉眼でリアルの顔立ちの中に威厳に満ちた
表情があり、修験道の開祖に相応しい像と思えた。
表情があり、修験道の開祖に相応しい像と思えた。
③重文 蔵王権現像 ④役行者坐像
(如意輪寺) (櫻本坊)
展示室5には懸仏(かけぼとけ)と鏡像(きょうぞう)の蔵王権現が
多く展示されていた。
会場では良く判別できなかった像が、図録に収められていたクリアな
像を見て、見事さを再確認できた。
しかもこの鏡像は国宝であり、所蔵が西新井大師總持寺とは意外。
(図録より)
⑤国宝 蔵王権現鏡像
(西新井大師 總持寺)
最後の展示室7は国宝 投入堂で有名な三徳山三佛寺
(みとくさんさんぶつじ)所蔵の蔵王権現が多く展示されていた。
その中ではチラシの表紙を飾る蔵王権現像が造像的に
スタンダードであり、蔵王権現らしく、親しみが持てた。
⑥重文 蔵王権現
(三佛寺)
その他、大変愛着を持った像として、(番号4-7)金峯山寺の
釈迦如来坐像がある。
微笑を浮かべ、こころ和む像と言える。
10時から11時半までの1時間半の観覧で足りず、
館内での昼食後、再度観覧へと向かった人もいた。
今日も、こころ豊かに、楽しい時間を過ごしました。
感謝。
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