今年最後の定例会は25名が参加。11月参拝寺院、逗子・延命寺と
横須賀・浄楽寺についての感想を伺うことからスタート。
浄楽寺の運慶仏を拝観した人がわずかに8名と少なく、
先々もう一度計画することとなった。仏像愛好者必見の尊像と言える。
次に、近況報告・情報交換に、国東半島の寺社と高野山参拝の
様子を報告。国東半島では宇佐八幡宮が神仏習合の最初の神社で
あること、六郷満山の寺院をぐるりと回る周遊バスがあることもお伝えした。
高野山では「奥の院」の近くで雪が舞い、一句「奥の院 さんげさんげ
(懺悔 散華)の雪が舞う」。
お大師さんにご挨拶されたような、不思議な感覚がした。
【国東半島の寺社】
宇佐八幡宮 富貴寺大堂(国宝)
両子寺(ふたごじ)山門 熊野磨崖仏・大日如来
【高野山】
奥の院入り口 檀上伽藍
朝比奈さんからは和歌山・紀三井寺参拝の報告があった。
とりわけ巨大な木造金箔の千手観音が壮観だった。
平成の名仏師・松本明慶師の作とのこと。
大きさも12メートルと木造として日本最大の仏像らしい。
仏殿の中が吹き抜けとなり、納められた巨大像を拝観する際
にはフロアを移動し、観る位置を変えて眺められるそうだ。
【紀三井寺】
新仏殿
巨大な千手観音立像
いよいよ、本日のメイン、山森さんの「莫高窟」報告。
山森さんの真骨頂、行動力にはいつも脱帽する。
今回もお一人で中国・莫高窟へのツアーに参加された。
いにしえの色彩を求めてのことだろうと推察できる。
今回のご報告は、仏像編としてまとめられた。
最初に、レジュメで「敦煌が歴史的にどんな位置づけの町か」
「莫高窟の大きさや歴史」についての解説がなされた。
パワーポイントを使って、地理的な位置や洞窟の外観など示された。
1987年、中国で最初に世界文化遺産として登録されたそうだ。
(万里の長城、故宮博物館と共に登録)
敦煌 西安 北京の位置 莫高窟俯瞰図
【 洞窟の外観 】
仏像の解説に際して、
【前期窟 420年~ 581年 北涼、北魏、西魏、北周 】
【中期窟 581年~ 907年 隋、初唐、盛唐、中唐、晩唐】
【後期窟 907年~1368年 五代、宋、西夏、元 】
の区分と特徴をレジュメにまとめられていた。
色彩鮮やかな仏像の多さに驚く。
洞窟のため、紫外線の影響が少なく、
色彩が残ることになったのだろうか。
実際には暗い洞窟の中でライトを当てて拝観されたようであり、
今回ご紹介された写真のような鮮やかさを実感することは難しい
かもしれない。
【前期】
南区 492の洞窟 交脚菩薩坐像(北涼)
【前期】 【中期】
釈迦多宝仏説法像(北魏) 菩薩と阿南(隋)
【中期】 【中期】
菩薩と阿南 (初唐) 釈迦、迦葉、阿難他(盛唐)
【後期】
弥勒菩薩三会説法像(宋)
洞窟の中の仏像は、窟の中で制作するのか、外で制作したものを
持ち込むのかとの質問が、朝比奈さんから出された。
どうだろうと、山森さんが思案しているところに、渡辺亮一さんから
「井上靖の敦煌では制作した仏像の保管場所として洞窟が描かれていた」
との回答があった。「なるほど」と感心する。
今日は莫高窟全体の様子を解説頂いた。
次回は、ぜひテーマ別に整理して頂き、もう一度、お聴きしたいと感じた。
定例会終了後、昼食を取りながらの雑談の席で、旅行で遭遇された
ハプニングをお聴きした。
上海に到着時にガイドが何時間も見えなかったことや、帰る便が無く、
一日延期されたことなど、ご苦労の連続であったようだ。
山森さんのバイタリティ、行動力は並外れている。
BACに刺激を与えてくれる存在。
引き続きのご活躍ください。
最後に、井戸さんから12月の見仏会「總持寺(鶴見)」の
概要について解説があった。
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