8月定例会参加者は23名。先ずは先月に観覧した「びわ湖・長浜の
ホトケたち(藝大美術館)」についての感想を述べあった。
話題に上った観音さまは、安念寺「いも観音」、正妙寺「千手千足観音
立像」、宝厳寺「弁才天坐像」など、どちらかと言えば異形のホトケが多い。
また、造形の美しさより、ホトケとしての信仰に感銘を受けた感想が多かった。
井戸さんさんが長浜市の仏像拝観案内と、上野にできたサテライトを
紹介された。関連して長浜での仏像拝観前に、井上靖の「星と祭」を
読まれることをお勧めした。
安元さんは、この本を契機に仏像に関心を持たれたとのことだ。
次いで、先月実施された「仏像講座(西荻地域区民センター協議会
主催)」についてのフォロー講座を行った。仏教の二大テーマは
「慈悲」と「智慧」と位置づけて、それぞれを考察した。
講演会では「慈悲」 ⇒「抜苦与楽(ばっくよらく)」 ⇒
「利他行(りたぎょう)」 ⇒「菩薩行(ぼさつぎょう)」と展開した。
そこで、今日は具体的に菩薩行を表した詩や行動規範を
示したものをご紹介した。
宮沢賢治「雨ニモマケズ」 相田みつを「ただいるだけで」
宮沢賢治は「法華経」、相田みつをは「禅宗」からの影響を受けた
作家、書家として有名。精神性の高い作品を残す人には、仏教から
何らかの影響を受けているように思える。
日常、心がけたいことを言い得たものとして「道元禅師の四摂法
(ししょうぼう)」についても触れた。
道元禅師「四摂法」
このような話を進めていると、突然「木村さんはできているのですか?」と
鋭い質問をされる方がいた。「心がけるだけで、できているとは言い難い」
とお答えした。その方は「顔施」を心がけていますと言われた。
「微笑む」ことで、相手からも気持ち良い挨拶が帰って来たとのこと。
大変立派な心掛けだ。「無財の七施(むざいのしちせ)」の一つ。
「布施」の話から、電車で「席を譲られた時にどうされますか」との質問も
出たり、「利行(りぎょう)」と言う言葉はいつから使っていたのだろうか、
「ボランティア」とどう違うのかなどの質問に、別の参加者が答えたりする
場面もあり、大変活発な時間となったように思える。
次に「知恵」と「智慧」に関連する歌を紹介し、一緒に考えた。
「俗世間の知恵」と「仏の智慧」の違いは何か。人それぞれの考え方や
価値観があるから、認識の仕方も違うと思う。俗世間では「分別」があること
が評価される。仏語での「無分別」と言う言葉は、区別しないと言うことで悪い
言葉ではない。
知恵と智慧を連想させる歌
仏教で言う「縁起」や「空(くう)」についても、考察した。個人的には
「空」の認識こそ智慧と理解している。しかし、肝心の「空」が掴み
どころがない。仏像を離れて、時にはこのような日本人の精神性を
探る討議も面白い。
「縁起」や「空」について
会員の渡辺美智子さんが9月の講演会チラシをご持参され、PRされた。
講演会ではBAC活動のことも触れる予定であり、皆さんに写真を出す
ことの了解を頂いた。
講演会チラシ
8月の見仏会は熱中症予防のため、中止と決定。
最後に、今後のBAC運営についてご意見を伺った。従来通り、個人の
体験談や研究テーマの発表と合わせ、テキストに基づく学習会を
再スタートすることとなった。
雑然とした知識を整理する意味で以前使用していた「仏像の楽しみ方
完全ガイド」を熟読する。
今回、地域活動をされている方々の話が聴けたのも良かった。
具体的には、
高野さん=「身障者へのサポートボランティア」、
渡辺さん=「生きがいアドバイザーの活動」、
原山さん=「防災・減災対策講話」。引き続き、ご活躍を!
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