8月10日(土)10時、杉並区阿佐谷の世尊院を参拝した。
正式の寺名は阿谷山世尊院正覚寺(あこくさん せそんいん
しょうがくじ)。真言宗豊山派の寺院。
猛暑にも関わらず、参拝者は24名と大人数となった。
ご住職、副住職にはお出迎えまでして頂き、大変恐縮する。
2階本堂にご案内される。本堂は、すでにエアコンで涼しく
なっていた。須弥壇を正面にして左側に、椅子が並べられて
おり、参加者は着席した。
副住職から世尊院の縁起等を記した「世尊院のしおり」と、
般若心経などのお経の書かれた「おつとめ」を頂く(❶)。
❶「世尊院のしおり」と「おつとめ」
「おつとめ」を見ながら、ご住職に倣って般若心経を唱えた。
更に、ご住職から「震災後の不思議な話」(宇田川敬介著)
の一部が紹介された。震災で亡くなった人の慰霊と同時に、
「死後を考え、今を生きる」生き方の大切さをご教示頂いた。
法話の後は、ご本尊の不動明王像を間近で拝観させて頂いた。
護摩壇の奥に須弥壇があり、ご本尊が安置されている(❷)。
ご本尊は矜羯羅童子、制多迦童子の二童子像を脇侍にして、
中央に立つ。
<❷❸は「世尊院のしおり」から>
❷本堂の内陣 ❸ご本尊の不動明王像
ご本尊の不動明王立像は室町時代末期の制作で像高122㎝と
杉並区内において、大きな仏像とのことだ。黒光りし、堂々と
した体躯。二童子像の表情、持物、彩色が対照的になっている。
三尊像としてバランスが良い。
不動、二童子像の脇に降三世明王像、軍荼利明王像が並ぶ。
また新たに2体の像を造立されると、ご住職がお話しされた。
大威徳明王像と金剛夜叉明王像とで五大明王にされるものと
思われる。
弘法大師像、興教大師像、真言八祖の図像、両界曼荼羅図等、
本堂内は密教寺院ならではの設えとなっている。諸尊像を
拝観させて頂いた後は、客殿にご案内された。
客殿には、川崎小虎(かわさき しょうこ)画伯作「佐保姫」
が掲示されているとご住職からご説明があった。淡いピンク色
が何とも言えない清楚な感じを醸していた。
本堂と客殿を繋ぐ廊下壁に掛る千手観音図像も素晴らしい。
千手が光背のように描かれており、強い印象を残した。
客殿を見学した後、中杉通りを挟んで反対側に建つ観音堂に
ご案内頂いた。内陣に入り、ご本尊の聖観音菩薩像(❹)や、
両脇に安置された閻魔大王像(❺)、奪衣婆像も拝観した。
聖観音菩薩立像は室町時代初期の作で、杉並区の有形文化財
に指定されている。像高62.5㎝の秘仏であり、御開帳日
が決まっている。今回、特別に御開帳頂いた。大変有難い。
<❹❺は「世尊院のしおり」から>
❹聖観音菩薩像 ❺閻魔大王像
杉並区教育委員会発行の「杉並区指定登録文化財」解説書に
よると、この聖観音菩薩立像は、「専門仏師の手による秀逸な
作品であり、室町時代の中でも優れた遺品」とある。
煤けた感じの聖観音と、彩色鮮やかな閻魔大王、不気味な雰囲気
の奪衣婆の対比が興味深い。観音堂では参加者の疑問、質問に
ご住職がお応えになられた。
〇観音護摩供…毎月十七日午後二時~三時
〇観音経読誦会…第一・第三日曜日午前九時~十時
開催日時についてご住職からお知らせがあった。
機会を作って、ぜひ一度参加してみたい。本日参拝者の中で、
参加希望者がいるのでは?
❻記念写真(筆者撮影)
観音堂を参拝後、ご住職を囲み、記念撮影(❻)をした。
その後、もう一度、本堂のある境内へ移動して、石造遺物
を見学した。
川崎小虎画伯の筆塚(❼)があった。娘婿の東山魁夷画伯
による揮毫とのことだ。お二人の関係を初めて知り、改めて
川崎小虎画伯の偉大さを再認識した。
❼川崎小虎画伯の筆塚
(ネットから)
ご住職、副住職から、丁寧なご対応を頂き、心に残る参拝と
なった。また、お菓子まで頂戴し、お心遣いが有難い。
なお、今回の世尊院参拝は、今井さんの取り持つご縁で実現
の運びとなった。今井さん有難う。
昼食は、清水さんに予約して頂いた中華料理店で20名が
ワイワイガヤガヤ舌鼓を打った。
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