2016年9月2日金曜日

「仏像の観方を学び、シニアライフを楽しく」


「生きがいクラブ杉並」主催の講演会で講師を務めた。「生きがいクラブ杉並」
は14年前に設立されたそうだ。設立の目的は「地域の人びとと共に、健康で
生きがいのある人生を築けるよう働きかける活動を行い、未来に向け明るく
活力に充ちた社会づくりに貢献する」と会則に記されている。
 (私の所属するNPO法人の設立目的と重なる。)

今回の講演会では、仏像と合わせて、「生きがい」をテーマに、私自身の
個人的体験もご披露させて頂いた。
主催者代表・玉村氏ご挨拶      講演会開始直後の様子
 
仏像が取り持つご縁について、系列別にご紹介した。現在、3つのグループで
活動している。それぞれ、仏像好きの仲間たちであり、楽しく過ごしている。
仏像が取り持つご縁
 
今回は、「仏像の観方・楽しみ方」を「歴史」、「寺院の縁起」という視点から
解説させて頂いた。仏像は3度楽しめると考えている。出かける前に、調べる。
実際にお会いする。帰って来てから整理する。
 
私自身の楽しみ方として
①人物・生存年グラフ  ②系図  ③年表  ④史実・事件・政変を
書き出し、多方面から眺めることによって、その仏像の時代背景を把握
している。
基本的には、仏像は「誰が、いつ頃、何のために」造立したかを意識すると、
自ずと歴史が関わって来る。
観方・楽しみ方チェックポイント    主要な登場人物の関わり

生存年グラフ(空海と同時代の人は誰?)

系図(式家、南家の時代)      系図(北家台頭の時代)
 
年表(出来事・政変など)

空海関連の年表、関連人物
 
歴史の話が中心となり、仏像のご紹介が少なめとなってしまった。
ご参加の皆さんのご感想をお聴きできないのが残念。いつもと違った
展開となり、少し残念と思われた方もいらしゃるのではないだろうか。
 
主催者の方から、会場は定員の60名となったとのご報告を伺った。
男性のご参加が比較的多いようにも感じた。開催日以前に電話での照会が
34件あったそうだ。内26件が男性とのことであり、男性の関心が高いことは
嬉しい。
 

最期に、ゆうゆう荻窪東館の協働事業(サロン活動)についてもご紹介した。
また、新たなご縁ができることを願っている。9月13日~16日、
区役所ロビーにパネル展示される。
 
 
 

 


2016年8月19日金曜日

8月定例会は「慈悲と智慧」をテーマに考える


8月定例会参加者は23名。先ずは先月に観覧した「びわ湖・長浜の
ホトケたち(藝大美術館)」についての感想を述べあった。

話題に上った観音さまは、安念寺「いも観音」、正妙寺「千手千足観音
立像」、宝厳寺「弁才天坐像」など、どちらかと言えば異形のホトケが多い。
また、造形の美しさより、ホトケとしての信仰に感銘を受けた感想が多かった。

井戸さんさんが長浜市の仏像拝観案内と、上野にできたサテライトを
紹介された。関連して長浜での仏像拝観前に、井上靖の「星と祭」を
読まれることをお勧めした。
安元さんは、この本を契機に仏像に関心を持たれたとのことだ。

次いで、先月実施された「仏像講座(西荻地域区民センター協議会
主催)」についてのフォロー講座を行った。仏教の二大テーマは
「慈悲」と「智慧」と位置づけて、それぞれを考察した。

講演会では「慈悲」 ⇒「抜苦与楽(ばっくよらく)」 ⇒
「利他行(りたぎょう)」 ⇒「菩薩行(ぼさつぎょう)」と展開した。
そこで、今日は具体的に菩薩行を表した詩や行動規範を
示したものをご紹介した。
宮沢賢治「雨ニモマケズ」     相田みつを「ただいるだけで」
 
宮沢賢治は「法華経」、相田みつをは「禅宗」からの影響を受けた
作家、書家として有名。精神性の高い作品を残す人には、仏教から
何らかの影響を受けているように思える。
日常、心がけたいことを言い得たものとして「道元禅師の四摂法
(ししょうぼう)」についても触れた。
道元禅師「四摂法」
 
このような話を進めていると、突然「木村さんはできているのですか?」と
鋭い質問をされる方がいた。「心がけるだけで、できているとは言い難い」
とお答えした。その方は「顔施」を心がけていますと言われた。
 
「微笑む」ことで、相手からも気持ち良い挨拶が帰って来たとのこと。
大変立派な心掛けだ。「無財の七施(むざいのしちせ)」の一つ。
 
「布施」の話から、電車で「席を譲られた時にどうされますか」との質問も
出たり、「利行(りぎょう)」と言う言葉はいつから使っていたのだろうか、
「ボランティア」とどう違うのかなどの質問に、別の参加者が答えたりする
場面もあり、大変活発な時間となったように思える。
 
次に「知恵」と「智慧」に関連する歌を紹介し、一緒に考えた。
「俗世間の知恵」と「仏の智慧」の違いは何か。人それぞれの考え方や
価値観があるから、認識の仕方も違うと思う。俗世間では「分別」があること
が評価される。仏語での「無分別」と言う言葉は、区別しないと言うことで悪い
言葉ではない。
知恵と智慧を連想させる歌
 
仏教で言う「縁起」や「空(くう)」についても、考察した。個人的には
「空」の認識こそ智慧と理解している。しかし、肝心の「空」が掴み
どころがない。仏像を離れて、時にはこのような日本人の精神性を
探る討議も面白い。
「縁起」や「空」について
 
会員の渡辺美智子さんが9月の講演会チラシをご持参され、PRされた。
講演会ではBAC活動のことも触れる予定であり、皆さんに写真を出す
ことの了解を頂いた。
講演会チラシ
 
8月の見仏会は熱中症予防のため、中止と決定。
最後に、今後のBAC運営についてご意見を伺った。従来通り、個人の
体験談や研究テーマの発表と合わせ、テキストに基づく学習会を
再スタートすることとなった。
雑然とした知識を整理する意味で以前使用していた「仏像の楽しみ方
完全ガイド」を熟読する。
 
今回、地域活動をされている方々の話が聴けたのも良かった。
具体的には、
高野さん=「身障者へのサポートボランティア」、
渡辺さん=「生きがいアドバイザーの活動」、
原山さん=「防災・減災対策講話」。引き続き、ご活躍を!
 
 
 

2016年8月14日日曜日

金沢文庫企画展「国宝でよみとく神仏のすがた」を観覧


金沢文庫で保管する「称名寺聖教(しょうみょうじ しょうぎょう)」と
「金沢文庫文書(かなざわぶんこ もんじょ)」が国宝に指定される
こととなり、今回の企画展が開催された。

「称名寺聖教」とは開山の審海(しんかい)から五世の住職やその
弟子たちが収集した仏典とのこと。その内容は密教の伝授に
かかわる儀式や秘伝を記したもの、説法の台本、仏を讃える
「声明(しょうみょう)」の楽譜、更には仏教を学ぶための基本書など
だそうだ。

また、「金沢文庫文書」とは、鎌倉時代後期から室町時代にいたる
4,149通の文書群であり、称名寺に伝来した寺院経営・仏事関係
文書と聖教に含まれて伝わった書状類で構成されているとのこと。

その特色として「紙背文書(しはいもんじょ)」という言葉を知った。
即ち、使用済みとなった手紙の裏面を転用して別の書物・聖教の
書写に使用したために伝わった資料のことを言う。当時の生々しい
情報も記されている。

称名寺聖教が16,692点、金沢文庫文書が4,149通が国宝に
指定されることとなり、新国宝を通じて、普段あまり見ること機会の
少ない個人蔵の仏像、神像などの仏教美術作品をご紹介する
展覧会開催となった。

出展作品の中で、特に注目の仏像は展覧会の案内チラシに掲載の
弥勒菩薩立像。
企画展案内チラシ
 
実物の弥勒菩薩は、写真以上に美しいお姿に見とれ、暫く佇んでいた。
裏側からも眺めることができ、頭部や背部、頭光や衣の造形も素晴らしい。
こういう仏像をどういう方が所蔵されておられるのか、ぜひ知りたいところだ。
また、鎌倉時代の仏像がどんな遍歴を歩んで来られたかも合わせて興味を
持った。
 
その他、参加者で話題に上った作品は、「迦陵頻伽(かりょうびんが)」の彫像。
極楽に住むとされる上半身が人間で、下半身が鳥の生物。図像ではよく
見かけるも、彫像でお目にかかるのは初めてと、皆さん喜んでいた。
 
この像は覚園寺の日光・月光菩薩の光背に付いていたもののようだ。
こちらも、どうして個人に渡って行ったのか興味深い。時期を見て、
覚園寺を参拝することとなった。
 
更に、目を引いたのは「仏の三十二相」を讃える声明の楽譜。
「真青眼相」などに音階をつけ、声に出せば、確かに良く覚えるだろうと
想像できる。
 
65歳以上の入館料はわずかに100円。料金が安く、内容充実の
展覧会だった。館内のカフェで昼食を取りながら歓談した。
称名寺へ向かう前に記念撮影。更に、称名寺の境内を散策して
帰路に着いた。
記念撮影           称名寺の釈迦堂を見学
 
 日本橋三越本店 本館6階の美術フロアで東京藝大「次代を担う
若手作家作品展」が開催されている。中嶋莉恵さんの作品が出展
されており、拝見に立ち寄った。
彫像とは思えないような体毛のリアルさに驚いた。すでに、「御約定」
の表示が付けられていた。人気のある作品であることを物語る。
出展された作家の人数は189名。会期:8月10日(水)~16日(火)
中嶋莉恵さん作品 「雨上がりのロバ」

 
 

2016年8月11日木曜日

9月の講演会テーマは「定年後の活動・体験談」


本日の広報すぎなみに9月の講演会予定が掲載されました。
今年度3回目の講演会となります。今回のテーマは定年後、地域社会へ
どのように関わり、どのような活動をしてきたかについて体験談をお話し
させて頂きます。

定年後取り組んでいる主要テーマは「空海」と「仏像」。
この二つのお蔭で、仲間にも恵まれ、充実した日々を過ごすことが
できているように感じます。

この講演会も、BACの仲間、渡辺さんからのご依頼であり、快くお引き受け
した次第です。渡辺さんにはBACの幹事(会計)をご担当して頂いています。
http://www.city.suginami.tokyo.jp/event/hokenfukushi/koureishasisaku/1025869.html

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       ★仏像の観方を学びシニアライフを楽しく
       日時:9月2日㈮ 午後1時30分~3時30分
       場所:高齢者活動支援センター
           主催  : 生きがいクラブ杉並
       ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

 
 

2016年7月21日木曜日

東京藝大美術館「びわ湖・長浜のホトケたちⅡ」を観覧


東京藝大大学美術館にて開催の「びわ湖・長浜のホトケたちⅡ」を観覧した。
7月9日、荻窪東グループの皆さんとすでに観覧しており、今日で2回目となる。
本日の参加者は17名。平日と雨天のためか、会場はあまり混んでいない。

長浜のホトケたちは平成26年3月~4月に第一回の出陳があり、その時も
観覧した。今回が二度目の展覧会。長浜という地域にも、ホトケたちにも
親しみを感じる。

印象に残ったホトケたちを、ミュージアムショップで買った図録から
ピックアップしてみた。

会場に入って、左手に目をやると、会場を見渡すように立つ1体。
頂いたクリアファイルに写っている美仏。医王寺の十一面観音立像。
凛々しいお顔立ちが気に入り、何度も立ち位置を変えて眺めた。

(画像はすべて図録から)
3.十一面観音立像(医王寺)
 
次に注目したのは、「24.伝薬師如来立像」。印相は阿弥陀如来の
来迎印をしている。比叡山根本中堂のご本尊が薬師如来である
ところから、薬師信仰が広まったとのことだ。
 
その後、阿弥陀信仰が盛んになった。この像は薬師如来と造立
されながら、一時、阿弥陀として祀られたのではないかと勝手な
想像した。手は後補とのことであり、あえて来迎印にしたのでは
ないか?
 
「28.宝冠阿弥陀如来坐像」は円仁が建てた常行三昧堂の本尊
として祀られていたとの解説文。円仁の名前を見て、熱心に眺めた。
この像の前で、円仁は修行をしていたのかと想像した。 
阿弥陀如来が宝冠を被る像は珍しい。
24.伝薬師如来立像(充満寺) 28.宝冠阿弥陀如来坐像(竹蓮寺)

懸仏の三尊像も目を引いた。中尊に十一面観音、左右に不動明王、
毘沙門天を配している。この形も円仁の常行三昧堂に祀られる
スタイルのようだ。面径が55.6㎝の小さな懸仏ながら、インパクトがある。
18.金銅十一面観音不動毘沙門懸仏
(長浜城歴史博物館)
 
石道寺の二天像は迫力があった。阿形の多聞天、吽形の持国天と
なっており、最初から二天として造立されたものか。
(四天王としてではなく)。腹前や袖口の獅噛(しかみ)が見事。
中尊が小さく、バランスに欠けるようにも感じた。
(中尊像はお前立だろうか?)
35.持国天立像・多聞天立像(石道寺)

どっしりした智拳印の大日如来、小さいながら、存在感のある
愛染明王も良い。像高は大日如来が147.9㎝、愛染明王が49.4㎝。
大日如来の落ち着いた雰囲気と愛染明王の忿怒相を比較して、
眺めた。愛染明王の獅子冠、持物にパワーを感じる。
36.大日如来坐像(光信寺)   37.愛染明王坐像(舎那院)

一番好きなお顔立ちは、阿弥陀寺の阿弥陀如来立像。長浜一、
上品で穏やかなホトケではないかと感じた。像高97.5㎝の小ぶりの像で、
礼拝したくなる。

一番有難いホトケは洞寿院・観音堂の観音菩薩立像。今年の9月が
三十三年ぶりのご開帳となる秘仏だそうだ。その秘仏を、今回出陳して
頂いた。従って、この観音さまはお精根(しょうね)抜きでなく、ご遷座
されて、藝大美術館に安置されていることになる。

異形のホトケは正妙寺の千手千足観音。足が千本のホトケは初めて
拝観する。
29.阿弥陀如来立像  15.観音菩薩立像  22.千手千足観音立像
(阿弥陀寺)    (洞寿院・観音堂)     (正妙寺)

別室には、像高2メートルの伝千手観音がでんと鎮座。18臂の像、
腹前の手が合掌印ではなく、説法印のような形をしており、腕の数や
印相から見て、准胝観音ではないかと思える。准胝観音は真言系の
ホトケであり、千手観音とする理由が何かあるのだろうか。

宝厳寺の聖観音は展覧会に先立ち、長浜市のアンテナショップに
展示されていた。左手に未敷蓮華、右手を添える姿が比叡山横川中堂の
本尊聖観音と同じスタイルとなっている。
2.伝千手観音立像(観音寺)  39.聖観音立像(宝厳寺)

観音の里を象徴するホトケは安念寺の如来形立像(いも観音)では
ないかと思う。文化財と違う別の面での精神性を感じる像と言える。
このようなホトケを大切にし皆で守ろうとする人たちの精神にも感服する。
               49.いも観音(安念寺)    安念寺堂内

最後に、清水観音堂前の中華料理店で楽しく歓談しながら、昼食を取った。
本日も楽しい時間を共有できました。(合掌)
中華料理店での昼食後、記念撮影





2016年7月16日土曜日

西荻地域区民センターにて「仏像観方・楽しみ方」講座開催!


初めてお引き受けした西荻地域区民センターでの仏像講座が開催された。
主催された協議会役員の方から230名を越えるご参加があり、新記録との
ご報告があった。

大変有難く、講師冥利に尽きる。ご参加の皆さんには感謝する一方、
講座内容に満足して頂けたか気になる。

1.会場入り口 、入場受付
会場入り口の掲示板       入場受付に集まる参加者
 
2. 開演前後の会場
開演前の会場          開演開始後の会場
 
  <講座内容の一部を掲載すると・・・>
3.「慈悲」と「智慧」の解説
「慈悲」について         「智慧」について
 
4.「慈悲」と「智慧」を代表する脇侍と両界曼荼羅
阿弥陀三尊像(三千院)     釈迦三尊像(法隆寺上御堂)

薬師三尊像(薬師寺)          両界曼荼羅
 
  金剛界曼荼羅の解説では煩悩についての対応を補足説明した。
  大乗仏教が発展した密教では「煩悩即菩提」としている。つまり、
  煩悩を否定しないで、そのエネルギーを活用し、欲求や対象を
  高次元のレベルに昇華させることが悟りへ繋がるとしている。
 
5.聴覚障害の方ご参加で、手話通訳のサポート
講師と手話通訳者
 
今まで20回以上の講座をお引き受けしたが、今回初めて手話通訳の
方のサポートが入った。終了後、聴覚障害がある方から、ご質問も受けた。
大変熱心な方と敬服した。これからも、積極的にご参加頂けると嬉しい。
 
ご参加の皆さんにとって、本講座がこれからの仏像拝観に際し、少しでも
お役に立つことを願ってやみません。
 
今回の企画に当り、西荻地域区民センター協議会の小林さん、講座運営部
小笹部長、原田さん始め多くの方々のご協力に助けられました。
慎んでお礼申し上げます。(合掌)