2015年6月11日木曜日

講演会2日目のテーマは「四天王」と「立体曼荼羅」



阿佐谷地域区民センターでの講演会も2日目となった。
今回のテーマは守護神の「四天王」と、
如来から天部までの諸尊像が一堂に会する「立体曼荼羅」とした。

本日も、初日(6月4日)同様、ほぼ満席の盛況となった。
初日にお渡ししたレジュメをお忘れになった方は1名だけ。
皆さん、ご熱心の様子が伺える。

「仏像入門」と銘打った講座も、少し専門的過ぎ、退屈と
なったのではないかと危惧。
ところが、皆さん、真剣にお聴きになられ、
「なるほど」と頷く場面も多く、一安心。

最初に、須弥山世界の中で四天王
(持国天、増長天、広目天、多聞天)が守護する方位と
須弥山山頂で四天王を統括する帝釈天について解説。

次に、「方位、四神、四天王」に関連することを一覧にまとめた
図でお示しした。
今回、四天王についてご紹介した内容は下記の通り。
特に「四天王」として国宝に登録された9件36軀の仏像中心に、お話した。

「方位 四神 四天王」      「四天王」ご紹介内容
 
ご紹介の国宝 四天王像   左記四天王が守護するご本尊
 
次に、「曼荼羅」を話題にした。高野山開創1200年で、
弘法大師 空海についての話があちこちから聞こえてくる。
タイムリーな話題でもあり、また「慈悲の顔、忿怒の顔」
すべてを擁する東寺講堂の立体曼荼羅を取り上げて
解説させて頂いた。
 
北西インドで生まれた胎蔵(界)曼荼羅と
南インドで生まれた金剛界曼荼羅が
中国に渡り、両部曼荼羅となった。

直後に、空海が遣唐使として派遣され、恵果阿闍梨から
後継者指名を受け、秘伝の修法を引く継ぐことになった。
何とドラマチックで運命的な出会いであったか。
その出会いがなければ、東寺講堂の諸尊像制作も
なかったのではないかと思う。
 
両部曼荼羅             胎蔵界曼荼羅
 
胎蔵界は「理の曼荼羅」、金剛界は「智の曼荼羅」と言われる。
仏や神で満ち溢れた世界は日本古来の「八百万の神」に
通じるものを感じる。
 
空海も四国や日本各地の山々を巡り、曼荼羅世界を
体感していたのではないかと想像する。
 
胎蔵界曼荼羅は中台八葉院のエネイルギー左右に分かれ、
左の「慈悲グループ」と
右の「智慧グループ」の諸尊像となっていく。
 
そしてそのエネルギーが更に、慈悲と智慧を兼ね備えたグループとなる。
そのグループの代表的な菩薩のご紹介もした。
 
最後に、東寺講堂の立体曼荼羅・仏像配置や仏像の役割について話した。
21体のうち、1体を除き、20体が国宝または重文とは凄い。
何度拝観しても興味が尽きない曼荼羅の世界だ。
 
仏像配置図          三輪身(自性、正法、教令)
 
大日如来を囲む五智如来は「自性輪身」として仏法の真理そのもの。
大日如来の智慧を4人の如来で分担している。
その真理を慈悲の姿で伝えるのが「正法輪身」の五菩薩。
優しく言っても聞かない者に対しては忿怒の姿で伝えるのが
「教令輪身」の五大明王ということになる。
 
すべての根源は大日如来であり、相手に応じて変化した姿で
真理を伝えると言うことになるようだ。
言葉での理解は難しい。
 
東寺講堂の諸尊像を前にして、何を感じるかは
人それぞれかもしれない。ぜひ、ご体感ください。
 
講演会の都度、お見かけする方が何人もいらっしゃる。
ぜひ、仏縁を更に深めたいと願っている。
また、お会いしましょう。合掌。
 

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