定例会参加者25名。5月見仏会参加者から「金沢文庫特別展
日向薬師」についての感想を伺った。
皆さん、鉈彫の魅力について認識を新たにされていた。
通常の仏像より、素朴さに、かえって有難味を感じるとの
感想もあった。
近況報告の中では、朝比奈さんが二十五菩薩の彫刻に取り掛かった
経緯と、学習に訪れた京都、奈良の寺院を紹介された。
身近な方の死に直面し、人の生死を考える中から二十五菩薩制作を
決意されたとのこと。年間数体彫っても10年近くかかる。
作品が出来上がる都度、ご披露願いたい。
今月の学習会は「仏像の観方、楽しみ方 Part3」。
今回は弘法大師の足跡を話す予定にしていた。
急遽、仏教伝来の話をリクエストされ、二つのテーマを話すこととなった。
先ず、仏教伝来時の「蘇我氏と物部氏の抗争」にスポットを当てた。
崇仏派の蘇我氏に対し、排仏派の物部氏が争い、
蘇我氏が勝利したと理解してきた。
蘇我氏 VS 物部氏
物部氏は「本当に排仏派だったか?」という話を先日伺った。
川崎大師仏教文化講座で小峰彌彦氏が「弘法大師と曼荼羅思想」の中で、
物部氏は排仏派ではなかったのではないかとのご見解を示された。
小峰氏は大正大学元学長であり、練馬区観蔵院のご住職でもある。
仏教を信仰と学問の両面から長年関わってこられた方だけに言葉に重みがある。
次の天皇を誰にするかの抗争であり、決して宗教戦争ではなかったとする説だ。
その中で注目したことは、奈良時代に活躍した高僧を多く輩出したのが、
阿刀氏であり、阿刀氏は物部氏の流れを汲むということだ。
空海の母方が阿刀氏であり、物部氏と空海が繋がるように感じ、
蘇我ー崇仏ー勝ち、物部ー排仏ー負けの構図に疑問を感じるようになった。
物部氏に対する知識をもっと深める必要がある。
物部氏は本当に排仏派?
阿刀氏繋がりで空海の交遊録に目を転じた。
還学生(げんがくしょう)の最澄に対し、
留学生(るがくしょう)の空海が
あれほどまでに、活躍できる場面を用意できたのは、
阿刀氏のバックアップがあったのではないかと想像する。
還学生は官費留学、留学生は私費留学。人脈においても、
伊予親王の侍講(じこう)に叔父の阿刀大足がいることで、
桓武天皇とも面談できる機会もできたことだろう。
遣唐使として唐に行くまでの空海と、
多くの請来物を携えて唐から帰朝した空海とは
天地の開きがある。
<空海交遊録>
空海と歴代天皇(桓武~醍醐)との関わりをまとめた表を下に掲載。
「空海ー弘法大師への足跡」として、主たる事績を載せてみた。
嵯峨天皇から高野山を下賜されたのが、816年、今年で1200年となる。
歴代天皇の庇護を受けたことが良く分かる。
BACで、過去参拝した寺院も空海所縁の寺院が多くある。
取り分け、真言宗智山派 関東三大本山
「高尾山薬王院」「川崎大師平間寺」「成田山新勝寺」は有名。
今月は「成田山新勝寺」を参拝する。
これで三大本山すべてを巡ることとなる。
BAC学習会も予定が目白押しとなった。
楽しみなテーマばかり。こうご期待!!
7月 井戸正一さん 「神社 Part2」
8月 小池 博さん 「仏像の持物」
9月 朝倉相子さん 「川原寺の謎」
10月 朝比奈義幸さん 「阿弥陀聖衆来迎像」
11月 渡辺亮一さん 「私が出会った国宝仏」
テーマを決めて、どなたでも自由に発表できるBAC。
先ずはチャレンジ!
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