2015年10月16日金曜日

朝比奈さん「阿弥陀聖衆来迎像の制作と背景」を解説!

 
10月定例会にはゲスト3名も加わり、総勢31名の参加と大変賑やか。
今月のメインは、朝比奈さん制作の仏像彫刻を拝見させて頂き、制作の
背景やプロセスについての話をお聴きすること。
定例会にご参加の皆さん      映像で解説される朝比奈さん

朝比奈さん制作の仏像彫刻展示(中央:阿弥陀如来、
向かって右:観音菩薩、左:陀羅尼菩薩)
 
仏像の制作だけで大変なところ、発表用のパワーポイントまで
きっちり準備され、本当に頭が下がる思いだ。
朝比奈さんの熱意は皆さんに充分伝わったことと思う。
 
阿弥陀聖衆来迎像制作のきっかけとなった出来事、参考にされた
仏像・仏画の紹介、具体的な制作プロセス、制作上苦心されたこと、
今後の予定と順序立ててお話しされた。
その中からポイントのみまとめて、ご報告させて頂く。
 
阿弥陀聖衆来迎像とは中尊の阿弥陀如来にお供する二十五菩薩の
ことであり、今回は観音菩薩と陀羅尼菩薩を制作された。
(阿弥陀如来像は以前に制作済み)
 
制作のきっかけになったことの一つに、BAC企画の
「關信子先生の講演会〝迎講″」があったと聞いて、
プランナーとして大変嬉しく思えた。
また、お身内のご不幸に、極楽往生を願い、
制作意欲を後押ししたことと推察する。
 
プレゼン内容の次第     制作のきっかけとなった出来事
 
朝比奈さんは、仏像制作前に、二十五菩薩で有名なお寺を
参拝し、制作のためのイメージづくりをされている。
奈良・當麻寺、京都・即成院、大阪・葛井寺などの国宝・重文クラスの
名作を制作者の眼で観察された。仏師・道雲の眼だ。

當麻曼荼羅           即成院、當麻寺の二十五菩薩など
 
九品往生でのお迎えの解説が面白い。
「上品上生」は阿弥陀聖衆来迎(阿弥陀と二十五菩薩)、
「中品中生」が阿弥陀三尊(阿弥陀と観音・勢至)、
下品下生は蓮台のみとされた。皆さん、大笑い。
(皆さん、ご自身はどれと思われたか?)

二十五菩薩のうち観音菩薩と陀羅尼菩薩が完成し、
次の制作は勢至菩薩とのこと。
勢至菩薩が完了すると阿弥陀三尊像が成立する。
制作にどのくらいの年数がかかるのだろうか。
それにしても、いろんな持物がある。
持物の意味も明確にしたいものだ。
 二十五菩薩の名前と持物
 
いよいよ、制作の手順について解説された。
朝比奈さん独自の工夫が興味深い。
粘土モデルの制作に着せ替え人形を
活用されているとのことだ。
首、腰や手足の関節を自由に動かすことができれば、
二十五菩薩の姿勢も造り易いと想像できる。
 
①粘土モデルの制         ②木取り

③粗彫り             ④小作り

⑤仕上げ             ⑥完成
 
それぞれの段階に独自の工夫やご苦労された点を
詳細に解説された。本体以外の台座や光背などの
制作も大変な神経を使われるようだ。
二十五菩薩制作は正に、ライフワークとなると思われる。
ご無理なさらずに、楽しみながら続けて頂きたいと
願ってやまない。

定例会終了後、朝比奈さんは展示の仏像を一体ずつ、
丁寧に梱包し、宅急便での返送準備をされた。
精魂込めて制作された作品であり、大切に扱う姿に、
再び感謝の気持ちが湧き上がった。

今回は時間的に質疑応答の時間を設けられなかった。
ぜひ、次回に時間を設けたい。


 

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