本日、杉の樹大学同窓会主催の講演会が開催された。お陰様で、
いつも大勢の方々にご参加頂いている。今回も90名の定員に100名の
ご来場があったとのこと。有難い。
挨拶される橋本会長
開始直後の会場
「仏像の観方・楽しみ方」として毎年4月に開催される講演会は、
今年が4年目となる。今回はテーマの一つに、歌人の眼を通した
仏像の観方を取り上げてみた。
奈良を愛した歌人・會津八一は、仏像のどこに着目し、どんな想いを
抱いたのか。仏像拝観する際に、視点が増え、楽しみも広がることを
願ってスポットを当てた。
ご紹介した短歌と仏像の一部を掲載すると・・・
室生寺 十一面観音菩薩立像
「うらわかく ほとけいまして むなだまも ただまもゆらに
みちゆかすごと」
(歌意)「この十一面観音はうら若く、胸飾りや腕輪の玉をからから
鳴らしながら道をお歩きになっているようだ」 <注目は胸玉、手玉>
観心寺 如意輪観音坐像
「なまめきて ひざにたてたる しろたへの ほとけのひぢは うつつともなし」
(歌意)「なまめかしく膝の上に立てられた白い肘はとても美しく、
まるで現実を越えた夢のようである。」 <注目は膝と肘>
中宮寺 菩薩半跏像
「みほとけの あごとひぢとに あまでらの あさのひかりの
ともしきろかも」
(歌意)「み仏の顎と肘あたりにこの尼寺のかすかな朝の光が射し、
なつかしく、こころひかれることだ。」 <注目は顎と肘>
「はつなつの かぜとなりぬと みほとけは をゆびのうれに
ほのしらすらし」
(歌意)「初夏の風にばったと、み仏は小指の先でほのかにお感じに
なっているようだ」<注目は小指の先>
興福寺 阿修羅立像
「けふもまた いくたりたちて なげきけむ あじゅらがまゆの
あさきひかげに」
(歌意)「今日もまた何人の人がこの像の前で感動したことか。
阿修羅のひそめた眉のわずかな影を見つめながら。」 <注目は眉>
最後に、阿修羅の3つの顔についてご紹介した。「日本顔学会」理事の
原島博先生(東大名誉教授)からお聴きした。原島先生が3つ顔の表情
からそれぞれの精神状況を読み取られた。
その後、3つの顔の仏教的意味合いについて、興福寺のお坊さんから
伺ったそうだ。すると見事に一致したと言う。
原島先生の鑑識眼の凄さに驚いた。また改めて阿修羅を制作した天平期の
仏師将軍万福の技量に驚いた。
これからは、正面のお顔だけでなく、左右のお顔もじっくり拝観されることを
お勧めした。
終了後、杉の樹同窓会役員の皆さんや、仏像好きな仲間たちと歓談し、
楽しいひと時を過ごす。
講演会を企画された方々と、会場にお越しになられた皆さんに感謝!!
楽しいひと時を過ごす。
講演会を企画された方々と、会場にお越しになられた皆さんに感謝!!
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