4月定例会には23名参加(欠席4名)。BAC活動も6年目に入る。
グループでの学習、意見交換を中心とした運営に変えた。また、
3か月間中断していたレジュメは、新幹事・渡辺(亮)さんが自ら
進んで作成の労を取られ、今月復活した。
1.前月拝観の感想
先ずは、3月訪れた根津美術館「高麗仏画、梵天・帝釈天像」
観覧の感想やご意見をグループで話し合って頂いた。
1グループ6名の少人数だと、発言もしやすようだ。
各グループ時間の経つのも忘れ、話が弾んでいた。
グループ毎に歓談する参加者
2.会員からの情報
①西さんが朝日新聞に掲載された金子兜太選の俳句を
一句ご紹介された。
「聖観世音菩薩坐像の囀れり
(しょうかんぜおん ぼさつざぞうの さえずれり)」
観音さまが何やら囁いているように聞こえる景色は何とも
微笑ましく映る。「囀る」との表現が、また愛着と親近感を覚える。
坐像の観音様なら、恐らくご本尊だと思う。囀り声が聞こえたら、
参拝者は驚くかもしれない。
②井戸さんから三浦半島の秘仏一斉開帳について情報提供があった。
132年ぶりに2大霊場が同時開帳となるようだ。
3.学習会
続いて、学習会では初心に帰って、「飛鳥時代の仏像」から復習したい
との要望が出て、お応えする形で進めた。参加の皆さんが飛鳥時代の
仏像にどんなイメージを持っているのか、あるいは疑問、質問はないか
など、最初にグループ内で話し合って頂いた。
○飛鳥時代はいつからいつまでのことを言うのか、白鳳時代との境目は
いつか?
○広隆寺の弥勒菩薩坐像が裸像となっているのはなぜか?
○法隆寺救世観音の持っている火焔宝珠にはどんな意味があるのか?
等々。
基本的な質問もあれば、少しマニアックと思われる質問まで出た。
学習会を進める上で、質問が出る姿は望ましい。分からないことはお互い、
調べてみることも必要。
仏教彫刻での時代区分と法隆寺金堂の釈迦三尊像にテーマを絞った。
飛鳥仏の特徴であるアルカイックスマイルについてもどう思われるか
質問をしてみた。大好きと答える人もいれば、微妙とされる人もいる。
確かに、少し含み笑いをしているようにも見え、必ずしも良い印象とは
言えないようだ。
行政上の飛鳥時代が仏教彫刻上では飛鳥時代と白鳳時代とに
分かれるようだ。白鳳時代をいつからにするかは諸説ある。大化改新の
645年としたり、天智天皇治世の662年とする場合などがある。
天武、持統天皇が築いた藤原京の時代こそ白鳳時代と言えるのでは
ないかとも思える。
仏教彫刻の時代区分の一例
法隆寺金堂の釈迦三尊像の特徴は、アルカイックスマイルと併せて
正面性と言われている。正面からしか見られることを想定しておらず、
横や後ろから見られることを想定して制作されていない。
人の眼に触れないところまで丁寧に制作した後の時代と比較すると、
物足りなさを感じ得ない。しかしながら、初めて目にした時には、その
見事な造形に驚嘆したであろうと想像する。
★現在、奈良・京都で公開中の仏像特別展についても情報をご提供した。
○奈良博・・・快慶ー日本人を魅了したほとけのかたちー(6月4日まで)
○興福寺・・・阿修羅像ー天平乾漆群像展ー(6月18日まで)
○東寺・・・春季特別公開(五重塔初層内部など) (5月25日まで)
◎日本橋三越本店6階 アートスクエアで開催中「彫刻アニマルパーク」の
お知らせした。BACで何度も講演頂いた中嶋莉恵さんの作品が出展
されている。5月2日(火)までの開催。
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