2017年5月17日水曜日

京都の古刹を巡り、奈良博で「特別展 快慶」を観覧‼


5月10日(水)~12日(金)、京都の古刹を巡り、同時に奈良博で
開催中の『特別展快慶 日本人を魅了した仏のかたち』を観覧した。

☆訪れた寺院は・・・
 10日(水)…三千院、来迎院
 11日(木)…浄瑠璃寺、岩船寺、奈良博「特別展 快慶」
 12日(金)…東寺、仁和寺、渉成園

先ずは、三千院と来迎院をリポート。

◎三千院 (京都市左京区大原来迎院町540)

 京都バスC3乗り場から大原行きのバスに乗り、1時間。大原バス停
 から10分で到着。京都とは言え、移動に時間がかかる。当初の予定は、
 三千院からスタートし、勝林院、来迎院、音無の滝、寂光院の順に巡る
 つもりであった。時間的にも、体力的にも無理と諦めることとなった。

 バス停を降りると、三千院参道約600m(徒歩10分)の標識を目にする。
 標識に従って進むと、梶井三千院門跡の石柱が見えた。
山門への参道          境内図
 
 三千院の縁起や往生極楽院、阿弥陀如来両脇侍坐像についての
 解説板がある。阿弥陀如来両脇侍像が重要文化財と記されている。
 2002年に国宝に指定されている。従って、この解説板は2002年
 以前に設置されたまま、修正されていない。

 お城の門のような山門が現れる。御殿門の名の通り、堅牢な石垣の
 中に設けられた門はお城そのもの。この石垣は近江・坂本の穴太衆
 (あのうしゅう)と呼ばれる石工によって築かれた。
解説板          御殿門(山門)

 拝観受付を済ませ、中書院、客殿、宸殿と進む。建物内部の設えを
 眺めながら、祀られている仏様を礼拝する。また、外側に目を移すと
 一面、緑の庭園がある。心が和む。宸殿には、伝教大師作と伝えられる
 秘仏・薬師瑠璃光如来が安置されている。

庭園             宸殿

 宸殿まで拝観した後は、手に持った靴を履き、往生極楽院へと向かう。
 途中、三千院の庭についての解説板がある。聚碧園(しゅうへきえん)
 と有清園(ゆうせいえん)と命名された庭の特徴が解説されている。 
庭園の解説板        往生極楽院

 三千院参詣、最大の目的は国宝の阿弥陀三尊像を拝観することにある。
 舟底天井が中尊・阿弥陀如来の光背を覆うようになっている。ちょっと
 窮屈な感じすらする。

 観音菩薩、勢至菩薩の坐り方が特徴であり、ぜひ横から拝観して、
 今にも立ち上がりそうな姿勢を確認したかった。残念ながら、正面からの
 拝観しか許可されなかった。 

 半眼で、来迎印を結ぶ阿弥陀、蓮台を捧げ持つ観音、合掌する勢至と
 阿弥陀三尊の典型的なスタイルをしている。勢至頭上の水瓶もしっかり
 確認できた。
(三千院紹介冊子から)
阿弥陀三尊像(国宝)

右脇侍・勢至菩薩     中尊・阿弥陀如来      左脇侍・観音菩薩

 往生極楽院を出て、境内を散策した。わらべ地蔵、弁財天、金色不動堂、
 観音堂、二十五菩薩 慈眼(じげん)の庭と順に巡る。
庭園           わらべ地蔵

弁財天        金色不動堂

境内の案内板      二十五菩薩 慈眼の庭

 大原の石仏と言われる阿弥陀如来坐像は像高2.25mと大きい。
 鎌倉中期に、念仏行者によって造られたとのこと。また、この石仏は
 「売炭翁(ばいたんおう)石仏」とも呼ばれる。売炭翁とは炭の生産販売
 に従事する人のことを指すそうだ。
 この一帯に売炭翁が暮らしていたことを物語る。その人たちに信仰されて
 いたとも想像できる。

 最後に、重要文化財収蔵施設「円融蔵(えんにゅうぞう)」で、復元
 された舟底天井画を眺めた。 音楽を奏でる菩薩の様子が描かれていた。

鎌倉時代の石仏     阿弥陀如来坐像

 三千院を出て、来迎院へ向かう。呂川(りょせん)沿いを歩いて東へ進むと
 来迎院に着く。

◎来迎院 (京都市左京区大原来迎院町537)

 来迎院は平安時代初期(9世紀)、天台宗の円仁によって声明
 (しょうみょう)の修練道場として開創され、12世紀、良忍によって
 再興された。本尊として三如来が安置されている。
 本尊が三体とはあまり無い。しかも三体とも重文の指定を受けている。

 来迎院へ向かう道路脇には良忍上人絵伝の解説板が設置されている。
 末法思想が広がる中、大原が念仏の里となったことを物語る。

 大原は呂川、律川(りつせん)に挟まれている。呂律(ろれつ)が
 回らないと言う言葉がある。呂律とは中国から伝わった雅楽の言葉
 らしい。川の命名と声明発祥とで、どちらが先か分からないものの、
 深く関わっていると思える。
来迎寺への道路脇にある        参道入口
         良忍上人絵伝解説板  

 受付で拝観料を納めると、お坊さんから「初めてですか?」と聞かれる。
 「初めて」と答えると、お寺やご本尊について、その場でご説明された。
 ご本尊が3体となったのは、他寺院の焼失で、来迎院に安置されるように
 なったとのこと。
境内の本堂参拝入口          本堂

 薬師如来、釈迦如来、阿弥陀如来はいずれも藤原時代の作で、漆箔、
 寄木造り。脇侍として、本尊の左側に毘沙門天、右側に不動明王を
 配している。
 
 来迎院の寺名からして、元々のご本尊は阿弥陀如来であったと
 思われる。釈迦如来と薬師如来は移座されてきたのだろうと想像する。
 それでは、この配置は何を基準としたのだろうか? 三世仏だろうか? 
 三世仏について今一度調べてみようと思った。

(ネットの写真)
本尊(3体とも重文)
阿弥陀如来 薬師如来 釈迦如来

  来迎院での拝観を終え、大原バス停へ戻る。景色はイメージ通りの
 「大原の里」。
大原の風景

 「浄瑠璃寺・岩船寺」 「奈良博 快慶展」 「東寺・仁和寺・渉成園」に
 ついてはまた日を改めてリポート予定。




  

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