2017年9月10日日曜日

国宝・深大寺白鳳仏 銅像釈迦如来倚像を拝観!


9月9日(土)は穏やかな日差しで正に行楽日和。荻窪東館・仏像サロン会員
の23名が9時半、三鷹駅改札口に集合。参拝寺院は調布市の深大寺。
三鷹駅南口から深大寺行きのバスに乗る。バスはさながら貸し切り状態と
なる(1)。参拝目的の一つは国宝に指定された釈迦如来倚像を改めて拝観
すること。
1.深大寺へ向かうバスの中      2.山内案内図
先ずは、到着バス停近くの堂宇を参拝し、その後、本堂へ向かうこととした。
山内案内図(2)を手元に参拝スタート。

最初に石造の大黒天、恵比寿尊を拝観(3)。「何度も深大寺を訪れているのに、
今回初めてお目にかかる」との声も聞こえた。 更に前方に進むと、深沙大王を
祀る深沙堂(4)がある。深大寺の寺名の由来にもなっている。
深沙大王は三蔵法師で有名な玄奘三蔵が経典を求めインドへ旅する中、
砂漠に出現した守護神、水の神様。残念ながら、秘仏のため拝観することは
できない。
 3.大黒天、恵比寿尊     4.深沙堂(じんじゃどう)

次に、境内に接する通り(5)を東へ向かうと、左手に山門(6)が見えて来る。
山門を抜け境内に入る。境内右手の鐘楼(7)を眺める。解説板に表示された
コードにスマホをかざすと、スマホ画面に解説文出て来る。上野恵さんが
解説文を読み上げてくれた(8)。突然、若い美人ガイドさんが現れたようだ。
5.境内の参道           6.山門

7.鐘楼      8.鐘楼についての解説を聴く

本堂(9)は外からお参りするだけで、堂内には入れない。堂内でのご本尊
拝観は、残念ながら叶わない。本堂手前の解説板(10)には恵心僧都
(942~1017)の作と伝えられていると書いてある。また、一方で
割り矧ぎ造り技法から鎌倉時代前期に制作されたものとも考えられる
ともある。

200年も時代が相違する解説をどのように考えたら良いのだろうか。
「恵心僧都作」は寺伝による宗教的信仰の側面、「割り矧ぎ造り」は文化財
としての、科学的文化財的な側面と理解した。
9.本堂        10.本尊阿弥陀如来坐像の解説文

本堂から元三大師堂へ向かう途中に「なんじゃもんじゃの木」(11)がある。
名前の由来についての解説が傍らに掲示されている。「スノーフラワー」とも
呼ばれ、雪が積もったようにも見え、散り際も美しく、くるくると回転する
プロペラのように花びらが散るとある。ぜひ、一度眺めてみたい。

坂道をわずかに登ると元三大師堂に着く(13)。元三大師堂は良源
(912~985)を祀るお堂(14)。恵心僧都源信の先生に当たるお坊さん。
11時から護摩供があり、参加させて頂くこととした。10人ものお坊さんに
よる読経は迫力があった。
護摩木の炎、太鼓の音や生後数か月の赤ちゃんの泣き声も、読経の声と
混じり合い、心に響くものがあった。

11.なんじゃもんじゃの木      12.解説板

13元三大師堂へ向かう      14元三大師堂

 護摩供を終え、いよいよ国宝白鳳仏とのご対面。釈迦堂の構造も改修
されたようだ。以前は、あまり参拝者もいなかったお堂が、一気に賑わいを
呈している。写真撮影禁止の表示もなされ、立ち合うお坊さんの姿もあった。
15.釈迦堂へのルート

釈迦堂には 、中央に国宝釈迦如来倚像が鎮座し、向かって右に、
奈良・新薬師寺の香薬師、左に兵庫・鶴林寺の聖観音がお立ちになっている。
左右の両像はお身代わり像とされるレプリカ像。いずれも穏やかな表情の、
白鳳期らしい三尊像となっている。
16.白鳳仏三体展示チラシ(部分)    17.深大寺のリーフレット表紙

国宝釈迦如来倚像を拝観後、釈迦堂を背にして、記念撮影をした。
20名を越える人数になると、遠方からのツアー御一行様のようにも見える。
18.釈迦堂をバックに記念撮影

最後の拝観は開山堂。今一度、元三大師堂前に戻り、大師堂の脇を通り、
少し上ったところに開山堂がある。堂内の諸尊像を窓越しに眺めることが
できる(19)。お堂脇の案内板には深大寺の縁起や、開山堂に祀られる像
の解説が書かれている(20)。

中尊は薬師如来、左脇侍(向かって右)が弥勒菩薩、右脇侍が十一面
観音菩薩、更に弥勒の向かって右隣りに開山の満功上人
(まんくうしょうにん)、十一面観音の左隣りに、大楽大師
(だいらくだいし)との解説がある。写真は21の通り。

深大寺は法相宗の満功上人によって開かれ、その後に天台宗の
大楽大師によって、天台宗に改宗されたから二人のお坊さんが
開山堂に祀られている。

弥勒菩薩の光背が不動明王のような火焔光背となっているのは、
何か理由があるのだろうか。 
19.開山堂を参拝する参加者  20.寺の縁起と開山堂本尊解説
21.開山堂内諸尊像(2012年8月の写真)

予定の拝観を終え、いよいよ深大寺蕎麦を頂く時間となった。
23名が一度に座れるお店を探したところ、直ぐに見つかった。
2階に案内され、向かい合って、2列に着席。
わいわいがやがや、歓談しながら美味しい蕎麦などを頂いた(22)。  
22.参拝後は深大寺蕎麦で舌鼓

昼食後に解散とし、その後は自由行動となった。神代植物園に行きたい
とされた人達ににご一緒した。緑の木立の中をゆっくりと歩くと、本当に
清々しい気分になる(23)。今の時期は萩やダリアを楽しめるとの案内があり、
そのエリアを目指して散策した。

ダリアは満開の時期は過ぎたものの、まだいくつか残っていた。
花を眺めることと併せて命名が面白い。今回の深大寺参拝を表現した
ようなダリアがあった(24)。
23.神代植物園を散策する人達 24.ダリア園のダリア(名前は25)

25.ダリアの名前

ご参加の皆さんは満足して頂けただろうか。お寺は、一度限りでなく、
時期を変えるだけで見どころも変わる。次は、なんじゃもんじゃの木に
咲いた花をぜひ眺めたい。

  

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