11月22日(金)小平「花南仏像の会」主催のバスツアー
が開催された。西武新宿線・花小金井駅そばのピーコック前
を7時に出発。山梨県仏像めぐりの旅が始まった。
参拝予定寺院は、午前中が大善寺、仁勝寺、青松院。昼食を
挟んで午後から、甲斐善光寺、放光寺の合計5ヵ寺。
1.大善寺(だいぜんじ)<真言宗智山派 甲州市勝沼町勝沼3559>
●通称名はぶどう寺 ●ご本尊・薬師如来(秘仏)の左手は、
薬壺(やっこ)でなく、ぶどうの房を持つ。
大善寺の本堂は寺務所の脇から長い階段を上ったところ
にある(❶)。大善寺は沢山の文化財を所蔵している(❷)。
見どころは、国宝・薬師堂と堂内の諸尊像。
❶大善寺境内案内図 ❷大善寺の文化財
寺務所で受付を済ませ、階段を上り山門を目指す(❸)。
重厚な山門は威容を誇る。山門には阿吽の金剛力士像が
構えている(❹❺)。この像もなかなかの風格。
山門のそばには大善寺が歴史の舞台となったことを紹介
する看板が立っている。「武田勝頼投宿地(❻)」や
「近藤勇最終の戦い(❼)」。
❸階段を上り山門へ
❹吽形像 ❺阿形像
❻武田勝頼投宿の地 看板 ❼近藤勇最終の戦い 看板
山門からの階段を更に上る。前方にはお堂が見え、階段の
両側には紅葉した木々や、ご神木とされる巨木が立つ(❽)。
前方のお堂は、「楽屋堂」と言い、祭りや縁日に音楽が奏で
られる。楽屋堂の床下を潜るようにして本堂前の広場に出て
来る(❾)。
❽山門から階段を更に上る ❾楽屋堂の床下を潜る
楽屋堂の横に、金属製の解説板が設置されていた(❿⓫⓬)。
「甲州ぶどう発祥の地(❿)」では、大善寺が奈良時代の
高僧・行基によって開創されたことや薬園をつくって民衆
を救済したことが記されている。ぶどうが薬として栽培
されていたことを初めても知った。
「国重要文化財 木造薬師如来及両脇侍像(⓬)」には、
ご本尊の薬師三尊像が桜材の一木造漆箔像で、密教風の
弘仁仏であることが記されている。
【山梨県教育委員会 他2団体が設置した解説板】
❿甲州ぶどう発祥の地 ⓫武田勝頼主従投宿の地
⓬木造薬師如来及び両脇侍像
いよいよ、お目当ての薬師堂参拝となる。檜皮葺(ひわだ
ぶき)で落ち着いた、端正な形が大変美しい(⓭)。
さすが国宝と感心する。
薬師堂では、お寺の方が解説された。勝沼町年中行事の
「藤切り祭り」「鳥居焼き」などの紹介や、テレビドラマ
「逃げるは恥だが役に立つ」のロケがこの薬師堂で行われ
たことも話された。その時の座布団がそのまま置いてある。
薬師堂内陣は須弥壇中央に厨子が設えてあり、その厨子を
囲むように諸尊像が並んでいる(⓮)。右側に日光菩薩像、
左側に月光菩薩像が立つ。
十二神将像が厨子の左右に6体ずつ並ぶ。右側から干支の順
となっている。また、右隅に文殊菩薩像、左隅に毘沙門天像
も鎮座。文殊さんと毘沙門さんが安置されるのはなぜか?
厨子の御開帳は5年に1度であり、残念ながらご本尊は写真
のみの拝観となった。実際の像容は⓯⓰の通り。像高は、
薬師如来像が90㎝弱、日光・月光菩薩像が1m強と小ぶり
でありながら、弘仁仏らしくボリューム感がある。
厨子は薬師堂に組み込まれ一体となっている。その様子は、
お堂の裏側に回ると確認できる。(裏側まで拝観可能)
⓭国宝・大善寺本堂(薬師堂) ⓮薬師堂内陣 厨子と諸尊像
(ネットから)
⓯国宝・厨子と三尊像 ⓰(同左)薬師如来及び両脇侍像
(ネットから) (絵葉書から作成)
国宝の薬師堂と厨子、重要文化財の日光・月光菩薩像、
十二神将像を拝観でき、大変満足。拝観を終え、記念撮影。
皆さん笑顔で楽しそう。
⓱薬師堂の前で記念撮影
(筆者撮影)
社務所のある地点まで紅葉を愛でながら下山する(⓲)。
途中、ご神木の霊気を体感するため、抱きつく人もいた(⓳)。
⓲拝観を終えて下山 ⓳ご神木の霊気を体感
<続く>
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