2019年11月28日木曜日

仏像めぐり(山梨)➁仁勝寺


大善寺の次は仁勝寺に向う。
2.仁勝寺(にんしょうじ)<臨済宗向嶽寺派(甲府市小瀬町)>

  到着をお伝えすると、ご住職が出て来られて、八角形の
  お堂(❶)に案内された。奈良・法隆寺の夢殿(❷)を
  思わせる形をしたお堂だ。

❶仁勝寺八角形のお堂     ❷法隆寺夢殿(参照)

❸聖徳太子像を拝観    ❹ご住職の解説を拝聴

  禅宗寺院である仁勝寺になぜ聖徳太子孝養像(きょうようぞう)
  が安置されているのか(❺)、また像の特徴など、ご住職から
  解説頂いた。扉の内側には解説文が貼られてあった(❻❼)
  
  この聖徳太子立像は、元々、京都の恵心院に安置されていた。
  甲斐源氏(武田氏)の祖、新羅三郎源義光(しんらさぶろう
  みなもとのよしみつ)が天皇の勅命により甲斐へ供奉される
  際、一緒にお連れし、それ以来武田家の守り本尊となった。

  武田勝頼敗戦の際、家臣が縁ある仁勝寺に隠し、守ったという
  ことが仁勝寺略縁起に記してあるとのこと。
❺聖徳太子孝養像      ❻甲斐源氏(武田氏)系図

  聖徳太子が16歳の時の像を「孝養像(きょうようぞう)」
  と呼んでいる。髪を左右に分けて「角髪(みづら)」を結い、
  両手に笏(しゃく)や柄香炉(えごうろ)を持って立つ姿は
  父である用明天皇の病気平癒を願う像と言われている(❼)。
 
  衣には、赤や緑などの色が残り、所々に金色で鳳凰の模様
  が表されたり、眼には水晶の玉眼がはめ込まれるなどの
  技法が施されている。鎌倉時代に造られたと考えられて
  いるとのこと(❽)

  昭和4年に文部省指定で国宝となり、昭和25年文化財保護法
  が新たに施行された時に文化庁指定で重要文化財となった。
  お寺によっては「旧国宝」と呼んでいるところもある。
❼「聖徳太子 その姿」 ❽「仁勝寺の聖徳太子像」
               解説          解説


  聖徳太子像一体で、武田氏の歴史や文化財としての価値など
  関心や興味が尽きない。聖徳太子の偉大さを改めて認識した。
  次は、午前中の最後の寺院、青松院へ向かう。仁勝寺のご住職
  が、出発するバスにいつまでも手を振られていたのに恐縮した。

(続く)



1 件のコメント:

  1. お腹がくちくなったら、眠り薬にどうぞ。
    歴史探偵の気分になれるウェブ小説を知ってますか。 グーグルやスマホで「北円堂の秘密」とネット検索するとヒットし、小一時間で読めます。北円堂は古都奈良・興福寺の八角円堂です。 その1からラストまで無料です。夢殿と同じ八角形の北円堂を知らない人が多いですね。順に読めば歴史の扉が開き感動に包まれます。重複、 既読ならご免なさい。お仕事のリフレッシュや脳トレにも最適です。物語が観光地に絡むと興味が倍増します。平城京遷都を主導した聖武天皇の外祖父が登場します。古代の政治家の小説です。気が向いたらお読み下さいませ。(奈良のはじまりの歴史は面白いです。日本史の要ですね。)

    読み通すには一頑張りが必要かも。
    読めば日本史の盲点に気付くでしょう。
    ネット小説も面白いです。

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