大善寺、仁勝寺と参詣し、午前中最後は青松院を訪れる。
3.青松院(せいしょういん)<曹洞宗(甲府市山宮町)>
境内に入り、直ぐ目に入るのは、立派な舎利殿(❷)と
大きな立て看板(❶)。鎌倉・円覚寺の舎利殿(❸)と
よく似ているのに驚く。
立て看板は「佛舎利殿建設趣意書」と表題が付けられ、
建立の意義や、構造と特色などが書かれている。落慶
法要が平成九年四月八日に厳修されたことも分かる。
❶仏舎利殿建設趣意書
❷青松院の仏舎利殿 ❸円覚寺舎利殿(参照)
本堂(❺)に通され、用意されていた椅子に着席した。
ストーブで本堂は温かくなっていた。お茶を頂きながら
ご住職のお話をお聴きした。青松院は1522年の創建
で、現在のご住職は第三十一世になられるとのこと。
仏舎利殿の建立についてもご紹介された。昭和58年に
先代のご住職が檀信徒を伴い、スリランカへ親善使節団
として訪問された際、ジャヤワルダナ(ジャヤワルデネ)
大統領から、仏舎利を戴いたそうだ。その仏舎利を祀る
ために仏舎利殿が建立された。
このジャヤワルダナ大統領は、第二次世界大戦の戦後処理
で、日本が連合国によって分割統治されそうになった時、
ブッダの教えを引用した演説で窮地を救ってくれた。当時
の日本にとって恩人と言える方だ。
❹ジャヤワルダナ スリランカ大統領
(ネットから)(1906~1996)
仏像についての解説もあった。お寺は創建して500年。
本尊の十一面観音は、11世紀平安・藤原中期の作であり、
お寺ができるよりも、ずっと前に造られている(❻❽)。
ご住職の解説によると、当地は、平安時代に真言密教の道場
があったとのこと。また、観音を中尊に、不動と毘沙門天を
脇侍とする配置は天台宗寺院に見られる。いずれにしても、
平安時代仏教の影響を受けたことは確かと思われる。
❺光沢山の扁額が掛る本堂 ❻十一面・不動・毘沙門
ご本尊の十一面観音菩薩立像は県指定有形文化財(❼)と
なっている。また、青松院は甲斐国三十三観音霊場「結願
の寺」。ふっくらとして穏やかなお顔立ちは、観音らしく、
心が和む(❽)。
❼十一面観音像の解説 ❽十一面観音菩薩立像
ご住職からお寺の楽しみ方は3つある言われた。「仏像」
「建物」そして「庭」。庭には「池泉式」と「枯山水」。
青松院は池泉式の庭園もあり、3つ揃っていると関西弁風
な語り口でPRされた(❾)。
拝観を終え、辞去しようすると、お土産まで頂戴した。
仁勝寺に引き続き、大変親切なご対応が気持ち良い。
❾本堂北庭(池泉式)
(パンフレットから)
午前中の拝観予定を終え、予約した店で昼食タイム。
舌鼓を打った。(①➁)
①予約したお店 ➁歓談昼食
(続く)
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