2019年11月29日金曜日

仏像めぐり(山梨)③青松院


大善寺、仁勝寺と参詣し、午前中最後は青松院を訪れる。

3.青松院(せいしょういん)<曹洞宗(甲府市山宮町)>

  境内に入り、直ぐ目に入るのは、立派な舎利殿(❷)と
  大きな立て看板(❶)。鎌倉・円覚寺の舎利殿(❸)と
  よく似ているのに驚く。

  立て看板は「佛舎利殿建設趣意書」と表題が付けられ、
  建立の意義や、構造と特色などが書かれている。落慶
  法要が平成九年四月八日に厳修されたことも分かる。
❶仏舎利殿建設趣意書

 ❷青松院の仏舎利殿    ❸円覚寺舎利殿(参照)

  本堂(❺)に通され、用意されていた椅子に着席した。
  ストーブで本堂は温かくなっていた。お茶を頂きながら
  ご住職のお話をお聴きした。青松院は1522年の創建
  で、現在のご住職は第三十一世になられるとのこと。

  仏舎利殿の建立についてもご紹介された。昭和58年に
  先代のご住職が檀信徒を伴い、スリランカへ親善使節団
  として訪問された際、ジャヤワルダナ(ジャヤワルデネ)
  大統領から、仏舎利を戴いたそうだ。その仏舎利を祀る
  ために仏舎利殿が建立された。

  このジャヤワルダナ大統領は、第二次世界大戦の戦後処理
  で、日本が連合国によって分割統治されそうになった時、
  ブッダの教えを引用した演説で窮地を救ってくれた。当時
  の日本にとって恩人と言える方だ。
❹ジャヤワルダナ スリランカ大統領
(ネットから)(1906~1996)

  仏像についての解説もあった。お寺は創建して500年。
  本尊の十一面観音は、11世紀平安・藤原中期の作であり、
  お寺ができるよりも、ずっと前に造られている(❻❽)。

  ご住職の解説によると、当地は、平安時代に真言密教の道場
  があったとのこと。また、観音を中尊に、不動と毘沙門天を
  脇侍とする配置は天台宗寺院に見られる。いずれにしても、
  平安時代仏教の影響を受けたことは確かと思われる。
❺光沢山の扁額が掛る本堂  ❻十一面・不動・毘沙門

  ご本尊の十一面観音菩薩立像は県指定有形文化財(❼)と
  なっている。また、青松院は甲斐国三十三観音霊場「結願
  の寺」。ふっくらとして穏やかなお顔立ちは、観音らしく、
  心が和む(❽)。
❼十一面観音像の解説   ❽十一面観音菩薩立像

  ご住職からお寺の楽しみ方は3つある言われた。「仏像」
  「建物」そして「庭」。庭には「池泉式」と「枯山水」。
  青松院は池泉式の庭園もあり、3つ揃っていると関西弁風
  な語り口でPRされた(❾)。

  拝観を終え、辞去しようすると、お土産まで頂戴した。
  仁勝寺に引き続き、大変親切なご対応が気持ち良い。
❾本堂北庭(池泉式)
(パンフレットから)

  午前中の拝観予定を終え、予約した店で昼食タイム。
  舌鼓を打った。(①➁)
①予約したお店        ➁歓談昼食

(続く)



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