2019年12月14日土曜日

「空海研究会」探訪❸ 福井県小浜市・羽賀寺

<前号(長浜市・石道寺)から続く>

長浜から敦賀へ、そして小浜に到着したのは3時半頃。
8日(日)最後の参詣寺院は羽賀寺。

3.羽賀寺(はがじ)
  バスを降りて、坂道を登ると石柱が立つのが見える(①)。
  柱には「元正天皇・村上天皇勅願 羽賀寺」と刻まれる。
  境内の案内図(③)で確認しながら、進む。高い木々に
  囲まれた階段の先に本堂が見える(④)。
①「羽賀寺」と刻した石柱  ➁参道脇に立つ鮮やかな紅葉

③羽賀寺境内案内図     ④本堂へ続く参道の階段

  羽賀寺には、国指定の重要文化財が5つある。その中の
  一つに羽賀寺本堂がある(⑤⑥)。檜皮葺の入母屋造り
  で、軒が反っている(⑥)。室町中期の建立とのことだ。

  高台にありながら、周りを山に囲まれ、盆地のようにも
  なっている。前庭の広さと言い、静寂な空間を形作って
  いる。
⑤本堂と紅葉する木々   ⑥右手から眺望する本堂

  羽賀寺は、真言宗高野山派の寺院。716年、女帝・
  元正天皇(げんしょうてんのう)が行基に命じて創建
  したとある(⑦)。
  
  第44代の元正天皇は、文武天皇(42代)の姉であり、
  元明天皇(43代)は母、持統天皇(41代)は、祖母と
  なる(⑧)。女性天皇が続いた時代である。
  (横書きの赤い字が女性天皇)
⑦羽賀寺創建の看板    ⑧奈良時代の天皇系譜

  ご本尊の十一面観音菩薩像を間近で拝観した(⑨)。  
  このご本尊は元正天皇のお姿とされている(⑦)。

  お顔立ちは知性的で気品があり、いかにも高貴な女性と
  言う印象を受ける(➉)。向源寺像、石道寺像と比較
  すると、三者三様の魅力がある。
   ●向源寺像…異国風(ガンダーラ的)で妖艶
   ●石道寺像…村娘のような純朴
   ●羽賀寺像…気品があり知性的
⑨解説を聴き、ご本尊を拝観 ➉ご本尊の十一面観音菩薩立像

  厨子に入ったご本尊を挟むように、両脇に千手観音菩薩像
  (向かって左)と毘沙門天像(むかって右)が立つ。
  いずれも、重文指定を受けている(⑪)。

  このような配置はなぜだろうか? 調べて行くと、この二体
  は当初、松林寺と言うお寺にあり、後に、羽賀寺に移って来た
  ことが分かった。客仏であり、配置に意味はないと思われる。
⑪ご本尊の脇仏

  本堂の裏側にも回って拝観できた。ご本尊の真後ろには
  薬師如来坐像(⑫)が鎮座し、天井近くの棚には観音の
  変化身、三十三応現神(⑬)が並んでいた。
⑫薬師如来坐像      ⑬三十三応現神像(一部)

  なお、重要文化財5件のうち、残る1件は、「紙本墨書羽賀寺
  縁起」がある。これは、拝観できていない。
  羽賀寺での拝観を終え、今晩の宿へと向かった。

  
  〇若狭・小浜の宿「花椿」で宿泊
  昼食がボリュームのある食事となったため、夕食はちょっと
  遅めの7時とした。

  夕食も、次から次へと蟹料理が出された。正に蟹三昧の夕食
  となった(⑭⑮)。福井県は量が半端ではない。楽しく歓談
  しながら、懇親も深まった。
⑭蟹づくしの夕食       ⑮献立メニュー

<続く>





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