2017年12月31日日曜日

2017年 1年間の活動まとめ


2017年参詣寺社や展覧会観覧の美術館・博物館をまとめた。
関わっているグループは4つ。

①荻窪東館で学習する会 ②西荻北館の会  ③小平花南館の会
④東上野成就院の空海研究会  

2017年1月~6月     2017年7月~12月

○お寺や美術館・博物館へ出かけた日数が34日。
○参詣が49社寺、観覧が16館、合わせて65訪問となる。
  (個人の中には友人と参詣した寺社も含む)

○施設内での学習会日数が42日になる。
 (荻窪東館12日、西荻北館11日、小平花南館11日
  東上野成就院8日)
○講演会講師を務めた日数が6日

外部探訪の34日と学習会・講演会の48日を合わせると
実に82日は仏像とご縁のある日を過ごしていた。
3か月近くも仏像と関わっていることになり、改めて生活そのもの
であることに気づく。

今年も素晴らしい仲間に恵まれ、こころ穏やかに過ごすことができた。
ご一緒させて頂いた皆さんに感謝!(合掌)

来年もまた良い年となることを願って、1年間活動のまとめとしたい。









2017年12月26日火曜日

11月末~12月の参詣寺社数は18に及ぶ‼


11月末から12月に沢山の寺社を参詣した。同行者、日程、参詣寺社は
以下の通り。総数18となる。各寺社についてのコメント・感想は省略。

A.定年まで勤務した会社の同僚(同期入社)5名で参詣
  11月30日(木) 奈良の寺社
    ①大神神社(おおみわじんじゃ)  ②長岳寺(ちょうがくじ) 
    ③石上神宮(いそのかみじんぐう) ④円成寺(えんじょうじ)
  12月1日(金) 京都の寺社
    ⑤松尾大社  ⑥広隆寺

【A① 大神神社】
 本殿への階段        本殿を参拝

【A② 長岳寺】
本堂を参拝         お寺の縁起

【A③ 石上神宮】
神宮の参道         神宮の楼門 

【A④ 円成寺】
池の対岸から望む        お寺所蔵の宝物 

 
大日如来を祀る多宝塔
12月1日(金)
【A⑤松尾大社 A⑥広隆寺】
A⑤重森三玲設計の庭園      A⑥ 広隆寺 新霊宝殿
                              二体の弥勒菩薩(ネット画像)


B.荻窪 仏像サロンのメンバー17名で参詣
  12月9日(土) 練馬区の寺院
    ①三宝寺 ②道場寺
【B① 三宝寺】
本堂            解説板

境内案内図       お砂踏み霊場を巡る

【B② 道場寺】
縁起の掲示板を読む      縁起の掲示板

三重塔        帝釈天像

C.空海研究会の会員と15名で参詣
  12月11日(月) 和歌山、奈良の寺院
    ①根来寺(和歌山) ②長谷寺(奈良) ③室生寺(奈良)
  12月12日(火) 奈良の寺院
    ④東大寺 ⑤興福寺 ⑥新薬師寺 ⑦白毫寺
    ⑧元興寺 ⑨般若寺

【C① 根来寺】
 
会主宰・福田先生の解説を聴く  根来寺の画僧・牧様からご挨拶 

大塔         大伝法堂

大伝法堂 大日如来と脇侍像

【C② 長谷寺】 
登廊(のぼりろう)          本堂 大悲閣

【C③ 室生寺】
三門の仁王像
 
室生寺に入る           金堂 諸尊像

12月12日(火)奈良の寺院
④東大寺 ⑤興福寺 ⑥新薬師寺 ⑦白毫寺 ⑧元興寺 ⑨般若寺

【C④ 東大寺】
阿形像         吽形像
 
空海開創の真言院
 
【C⑤ 興福寺】
東金堂 諸尊像(ネットから)

【C⑥ 新薬師寺】
本堂 建物            本堂 諸尊像(ネットから)

【C⑦ 白毫寺】
参道の階段と土壁         境内からの眺望
 

【C⑧ 元興寺】
極楽堂

【C⑨ 般若寺】
十三重石宝塔

D.西荻窪 BACのメンバー10名で参詣
  12月21日(木) 稲城市の寺院 ・・・常楽寺

【D 常楽寺】
山門(楼門)        山門前の小僧さん

本堂 阿弥陀三尊像

それぞれのグループの関心事や繋がりは必ずしも同じではない。
しかし、共通していることは、寺社への参詣を楽しみにされている
人たちであることは間違いない。

こころ安らぐ仏さまとご対面して、またエネルギーを頂いた1年で
あった。ご同行頂いた方々に心から感謝‼ (合掌)
 
 
 
 

2017年11月27日月曜日

阿佐谷地域区民センターで仏像講座開催!


11月25日(土)午後1時から阿佐谷地域区民センター協議会主催の
仏像講座「仏像の観方・楽しみ方」が開催された。今年が5年目となる。
今回のテーマは「仏師と仏像 ~運慶・快慶を中心に~」

寺院や仏像に対して念頭にあるのは、いつ頃、誰が、何のために造立した
のだろうかと言うこと(発願者など)であり、制作者である仏師にまで
考えることはあまりない。

運慶・快慶の登場で、仏師への関心が一気に高まる。そこで、今回の
テーマは仏師にスポットを当てながら仏像の観方・楽しみ方を整理した。
(画像②)

①講座開講直後の会場     ②仏像の観方・楽しみ方 内容

1.飛鳥、白鳳、天平時代の仏師(画像③、④)
  飛鳥や白鳳時代の仏師はそれぞれの豪族に属し、各豪族が造立する
  寺院ごとに仏像を制作していたようだ。代表的な仏師として蘇我氏に
  所属する止利仏師が有名。大化改新で蘇我氏が滅ぶと、止利様式の
  仏像も見られなくなった。

  天平時代には官営工房が組織され、国家事業として仏像が制作された。
  国中連公麻呂は造東大寺次官であり、造仏長官に任じられている。
  仏師と言うより、官僚ではないだろうか。また、興福寺の阿修羅像はじめ
  とする乾漆像を制作した将軍万福も、この当時の仏師として有名。

  飛鳥~天平期の仏師は、いずれも「渡来系」と言うことが共通しており、
  技能者、技術者のイメージが強い。
③時代区分と代表的な仏師    ④飛鳥‐天平の仏師と作品

2.平安時代の仏師(画像⑤、⑥)
  官営工房が解体され、平安時代は多様な系統の仏師が登場する。
  密教の造仏に携わる仏師(東寺講堂の諸仏など)、天平の写実に対して、
  反写実的な造形をする仏師(神護寺や元興寺などの薬師如来)などと
  密教系や革新系の仏師も現れて来る。

  その後、僧名を名乗る仏師集団が工房を形成、10世紀末には康尚が
  大規模な私的工房を構え、講師(こうじ)と言う僧職にも就いた。
  
  白河天皇の造仏記録(画像⑦)を見ると、造仏界の慌ただしさ、仏師の
  活躍ぶりが想像できる。
⑤平安初期の造仏界       ⑥平安各期の造仏
⑦白河天皇の造仏記録

3.定朝と定朝正系三派(画像⑧、⑨)
  運慶・快慶に繋がる開祖的仏師と言えば定朝。そして、定朝正系三派が
  どのような系図となっているか示した。

  特に、平重盛による南都焼き打ち後の復興当初に活躍した仏師として、
  院派では院尊、円派では明円、そして慶派では康慶の名前が挙がる。
  これは、後程、東大寺や、興福寺の復興で一番活躍した仏師は誰か
  について専門家のご意見を紹介することと関係する。
⑧定朝正系三派の大仏師      ⑨慶派仏師の系統図

4.山本勉氏による運慶仏認定の基準(画像⑩)
  全国には運慶作と称する仏像をたくさん見かける。そこで、先ずは専門家
  が運慶作と認める仏像は何体あって、どんな基準で選ばれているのかと
  いう事を話した。現在13件31体となっている。
⑩山本勉氏 運慶仏認定基準

5.運慶仏発見トピックスの紹介(画像⑪~⑭)
  運慶仏は明治の中頃までは東大寺南大門の仁王像だけだったそうだ。
  それが、今や31体と数多く増えている。

  発見トピックスは神奈川仏教文化研究所のホームページに掲載された
  朝田純一氏の表を活用させて頂いた。
  合わせて、山本勉氏の基準に従い、(● ■ □ △)の表示を入れてみた。

  誰が、いつ、運慶仏発見をしたかの経緯が分かり、大変興味深い。
⑪運慶仏発見トピックスNo.1   ⑫運慶仏発見トピックスNo.2
 
⑬運慶仏発見トピックスNo.3   ⑭運慶仏発見トピックスNo.4

6.東大寺、興福寺の復興造像における運慶・快慶 (画像⑮~⑰)
  南都復興の造像担当者を見ると、慶派の仏師が目立つ。
  最大の功労者は誰かについて、群馬女子大学教授の塩澤寛樹氏が
  『仏師たちの南都復興』で論じている。それは、康慶や運慶では
  なく、院尊としている。ご興味のある方、理由を知りたい方は、
  ぜひ、ご一読をお勧めする。

  いずれにしても、南都復興が運慶・快慶が登場してくる大きな
  舞台となったことは間違いない。
⑮東大寺復興造営経緯     ⑯東大寺諸尊像制作担当

⑰興福寺復興 諸尊像制作割当

7.運慶・快慶の事績と南都復興(画像⑱、⑲)
  現存する運慶・快慶の作品の中で、一番最初と最晩年の作品に
  ついて言及した。
  運慶は、1176年制作の奈良・円成寺 大日如来坐像、1216年
  制作の神奈川・称名寺光明院 大威徳明王坐像となる。
  快慶は、1189年制作のボストン美術館所蔵弥勒菩薩立像、
  1221年制作の和歌山・光臺院 阿弥陀三尊像となる。

  南都復興に登場する人物、大勧進の重源上人、後白河法皇、
  源頼朝、後鳥羽上皇などとの関りも興味深い。
⑱運慶・快慶の事績No.1     ⑲運慶・快慶の事績No.2

8.運慶・快慶の事績に繋がる人たち(画像⑳~22)
  運慶作品は鎌倉幕府に繋がる人たちからの発願によるものが多い。
  一方、快慶は、重源上人の阿弥陀信仰同胞であり、重源上人が関連
  する寺院の造像が多く見られる。
⑳運慶仏と鎌倉幕府     21運慶仏と三浦一族
22重源の七別所
 
運慶・快慶に対する関心・興味は尽きない。今後、更なる発見がある
のではないかと期待して止まない。
 
運慶や快慶を知る上で参考となり、面白かった図書
 『ほとけを造った人びと』 (根立研介 吉川弘文館)
 『仏師たちの南都復興』 (塩澤寛樹 吉川弘文館)
 『運慶 リアルを超えた天才仏師』 (山本勉 他 新潮社)
 『運慶 その人と芸術』 (副島弘道 吉川弘文館)
 『運慶と鎌倉仏像』 (瀬谷貴之 平凡社)
 『日本美術全集7 運慶・快慶と中世寺院』 (山本勉 他 小学館)
 『日本仏像史講義』 (山本勉 別冊太陽)
 『大和路のみ仏たち』 (大橋一章、森野勝 グラフ社)
 『荒仏師 運慶』<小説> (梓澤 要 新潮社)
 その他 月刊誌 、特別展図録