東京国立博物館に展示の新指定国宝・重要文化財仏像彫刻を
観覧した。東寺展を観た後、ついでに観られるとは幸運だ。
平成館のエスカレーター前に案内板(❶)が立っていた。
❶新指定国宝・重文の案内板
新指定の仏像彫刻一覧は❷、❸の通り、国宝2件、重文8件
となっている。東博のHPにもアップされている。(下記)
<新指定国宝・重文彫刻の一覧表>
❷一覧表その1 ❸一覧表その2
1.国宝指定の仏像彫刻
1件目は京都山科・安祥寺の五智如来坐像(❹)。安祥寺は
空海の孫弟子、恵運(えうん)が開山。現在開会中の東寺展
には恵運請来の観智院五大虚空蔵菩薩坐像が出展されている。
2件目は唐招提寺の木彫群6躯(❺、❻)。天平時代の木彫
像として、貴重な存在と言える。
展示されていたのは、安祥寺像で3体、唐招提寺像で2体。
今回の国宝指定で、国宝の数は、138件となる(❼)
❹京都・安祥寺 五智如来坐像 ❺奈良・唐招提寺 木彫群六躯①
❻唐招提寺 木彫群六躯② ❼国宝指定仏像の件数
2.重要文化財指定の仏像彫刻
重文指定は❽~⓫の通り。入口付近で最初に目にする、江島神社の
弁才天坐像(❽左)は、特に美しいと感じた。
また、強烈な印象を持ったのは、新薬師寺の地蔵菩薩立像(⓫左)。
裸形像の仏像は、今まで写真でしか見たことが無かった。仏の
印象が違って来る。
福岡・萬行寺の阿弥陀如来像(⓫右)は快慶風で凛々しい。重文に
指定されるだけあり、それぞれ皆、何か光るものがある。
❽ ❾
❿ ⓫
毎年、この時期には新指定の仏像を一度に観覧できる。いつも
楽しみにしている。
特別展の「空海と仏像曼荼羅」を堪能し、新国宝・重文を眺め、
更には「密教彫刻の世界」も観ることができた。三本立て映画
のような割安感だ。仏像ファンにとって大満足の一日となった。