4月26日(金)小平「花南仏像の会」の皆さんと日光を訪れた。
生憎の雨天、参加者は総勢18名。朝7時、集合場所の花小金井駅前
を出発。参拝ルートは(1、2案内図)の通り。
最初に、中禅寺で立木観音を拝観。次に三仏堂で3体のご本尊を拝観。
最後に大猷院霊廟を参拝する。
1.案内図(中禅寺) 2.案内図(輪王寺)
バスは雨の中、東北自動車道を北上する(3)。中禅寺に到着(4)
は10時半頃になっていた。花小金井を出てから3時間半が経過。
3.東北自動車道 4.中禅寺に到着
朱塗りの仁王門が目に付く(5)。中禅寺は日光山輪王寺の別院
であり、ご本尊が「立木観音」と呼ばれる十一面千手観世音菩薩。
境内から中禅寺湖が見渡せるところが、雨のため視界不良(6)。
5.中禅寺 仁王門 6.中禅寺 境内
ご本尊の立木観音(7)とご対面。開山の勝道上人が桂の立木で
彫り、今でも根が地にはると伝えられている。坂東三十三観音霊場
第十八番札所となっている。
鉈彫り風であり、素朴な優しい表情の千手観音だ。大きな像であり、
迫力もある。次に、階上にある五大堂へ案内された(8)。
7.立木観音像(重文) 8.五大堂への階段を登る
五大堂の内陣は広い。須弥壇には不動明王を中央にして、五大明王
(9)が並んでいた。須弥壇両脇には、胎蔵界、金剛界の曼荼羅が
掲げられ、天井には雲竜図が描かれている。五大堂参拝し、外付け
の階段(10)を降りた。
9.五大堂内陣 10.五大堂から降りる
境内に立つ大木にいくつもの瘤(こぶ)がある。この瘤は病気の
身代わりになってできたものとの説明があった。悪いところを
直してもらおうと、撫で仏のように触った(11、12)。
11.大木の瘤(こぶ)に触る 12.瘤が病気の身代わりに
仁王門の裏側には風神(13)、雷神(14)の像が安置されている。
仁王像より、こちらの像の方が興味ある。ユーモラスの中に、造形美
を感じる。
13.仁王門の裏側(風神) 14.仁王門の裏側(雷神)
中禅寺を後にし、いろは坂を下り(15)、昼食会場へ向かう。
15.いろは坂を下る
雨にも関わらず、昼食に大勢の来客があると見えて、沢山の
御膳(16)が並んでいた。「葵御膳」という昼食を頂いた(17)。
16.昼食会場の御膳 17.昼食を頂く皆さん
昼食後、向った先は、輪王寺の本堂である三仏堂(18)。三仏堂は、
平安初期に慈覚大師円仁が来山された折に、仁明天皇の勅願によって
創建された。天台密教形式の伽藍として希有の建物とのこと。現在の
建物は徳川三代将軍・家光によって建て替えられている。
珍しいのは、この三仏堂のご本尊は、お堂の名前の通り、三体の仏様
(19)となっている。向かって右から、千手観音、阿弥陀如来、馬頭
観音の三体。お坊さんに案内されて、ご本尊を真下から見上げるよう
に拝観した。
なぜ、三仏か? 神仏習合で三山(男体山・女峰山・太郎山)を三仏
(千手・阿弥陀・馬頭)と同一視する。日光三社権現本地仏と言う。
お堂も、ご本尊も修復に時間を要し、何年かぶりの御開帳とのことだ。
7.5mもある三体の大仏は迫力がある。しかし、金ピカの像には、歴史
の重みが薄れ、有難みも弱まるように感じる。
18.三仏堂(重文) 19.三仏堂ご本尊
ご本尊を拝観した後は、大護摩堂(20)の内陣を拝観してから、
常行堂(21)に向った。
20.大護摩堂
常行堂は無料で拝観できる。堂内内陣には中央に阿弥陀如来、周りを
四菩薩が囲んむ(22)。いずれも孔雀に乗っている。本尊の周りを
ぐるりと回れる造りになっている。孔雀には、どんな意味があるの
だろうか?
21.常行堂(重文) 22.常行堂内陣
次に向ったのは、大猷院(たいゆういん)、家光の霊廟。入口に
掲示された案内板(23)の通り、建造物が国宝や重文ばかりと
なっている。
23.大猷院境内の案内板
仁王門(24)、二天門(25)、夜叉門(26)、唐門(27)及び
皇嘉門(31)はすべて重要文化財となっている。それにしても
門の多さに驚く。大猷院の中心となる本殿、拝殿(29、30)は
は国宝建造物に指定されている。
24.仁王門(重文) 25.二天門(重文)
26.夜叉門(重文) 27.唐門(重文)
28.本殿・拝殿配置図 29.拝殿外観(国宝)
30.本殿外観(国宝) 31.皇嘉門(重文)
折角の機会であり、二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)(32)も
お参りした。
32.二荒山神社 鳥居
注目したのは足尾の大国様(33)。足尾の語源(34)も知ることと
なった。
33.足尾の大国様 34.解説板
日光山輪王寺の印象は、寺院と言うより神社のように思える。
色彩の鮮やかさ、建物の豪華な装飾と言い、寺院とは思えない。
東照宮を意識しながら造営したのであろうと想像させられる。
今回も、竹田会長始め、ご参加の皆さんのお蔭で、楽しいバス
ツアーとなった。感謝!(合掌)