2013年10月24日木曜日

台風接近! 10月見仏会「金沢文庫・東大寺展」は延期!!


本日、金沢文庫での特別展「東大寺‐鎌倉再建と華厳興隆‐」を見学予定
であった。台風接近での雨風を考慮し、今回は断念。前日朝には、参加
予定の14名へメールで連絡。

平重衡の南都攻めで伽藍の大半を焼失し、その後の復興造営に着手した
人が京都 醍醐寺出身の僧、俊乗坊重源。

その重源の像「国宝 重源上人坐像」も出展される。その作者は運慶では
ないかと言う説もある。間近での拝観を楽しみにしている。

快慶作の「地蔵菩薩立像」も出展される。重源は仏師としての快慶を重用
し、快慶も重源に深く帰依していたとのこと。二人とも深く阿弥陀信仰の道
に入っていたようだ。

真言宗出身の僧が阿弥陀信仰を持って、華厳宗の寺院を再建とは何とも
不思議な感覚になる。東大寺展で伽藍再建のエネルギーを感じたい。

また、「四聖御影(ししょうのみえ)」始め、大仏造立での人間模様も面白い。
大仏開眼供養会に込められた思いとは何なのか。

見どころが多い東大寺展です。BAC11月の見仏会でぜひ実現しましょう。
                     
 国宝 重源上人坐像

  

2013年10月18日金曜日

山森さん「伎楽面」について解説する!


10月の定例会は23名の参加。毎月、案内メール送付の会員は30名。
出欠が入れ替わるものの、毎回7~8割の参加で推移している。

最初に、先月の「興福寺 仏頭展」について、感想を伺う。皆さん一様に
「仏頭が若々しかった」「こんなにじっくり眺めたのは初めて」等々、大変
好評だった。

幹事2人で参加した日経ホールでの「興福寺 仏頭展 トークショー」の
模様を報告。全盛時は3000~5000人もいた僧侶の人数が現在8名
になっていると話したところ、驚きの声が上がった。

「手を打てば、はいと答える、鳥逃げる、鯉はあつまる猿沢池」の句は
三者三様、見る世界がそれぞれ違うことを的確に表現している。この
句に、皆さん納得と頷かれていた。現象だけでなく本質・本体を見極め
なさいと言うことであり、「法相宗」という名前の由来につながるようだ。

仏像装束ショーの様子も撮ってきた写真を映し、如来、菩薩、天部の
装束をお見せした。会場が盛り上がった雰囲気も伝わったことと思う。


本日のメイン、山森平世さんの「伎楽面のご案内」。
伎楽面について解説される山森さん

伎楽面が日本に伝わった歴史と仏教伝来とが軌を一にしていたとは
驚いた。年表からひも解く伎楽と題して、歴史的な出来事と関連付けて
伎楽面を紹介された。

伎楽は主に寺院の仏教行事として、寺院屋内・境内にて寸劇で演じら
れていたようだ。余興的な要素もあり外国からの使節の接待にも演じ
られたとのことだ。

烏天狗や獅子舞などの源流もこの伎楽面にあるようだとの解説があった。
また、仏教を広める上でのPR活動にも一役買っていたとの話は、大変
興味深い。

伎楽面の名称・起源と14種類の役柄についてはスライドを観ながら
解説された。
              治道             獅子
 
              呉女             迦楼羅
伎楽面での演技を見るにはどうしたら良いかとの質問が出た。
一度、機会を作って「平成伎楽団」を見に行こうということになった。
 
今月は金沢文庫「東大寺展」を見学予定。出展作品の事前学習と
東大寺の縁起について理解を深めた。
 
出展の中には康慶(運慶の父)作の「伎楽面 治道」もあり、皆さん
楽しみが一つ増えたことと思う。
 
【予告】
11月定例会では杉原攝子さんの「仏画ができるまで」。
仏画制作の解説と合わせ、作品のご披露も予定。
お楽しみに!!
 
 

2013年9月26日木曜日

東京藝大 大学美術館「興福寺仏頭展」を観覧!


午前10時前、小雨の降る中、藝大美術館入口に会員17名が集合。
整列し、開館を待つ。ドアが開き、各自入場券を求めた後、ホールの
隅に集合。中嶋莉恵さんとご挨拶を交わす。

中嶋さんとは6月のBAC定例会で講演して頂いて以来の再会となる。
皆さん懐かしさで、にこにこし、また来て頂いたことに感謝した。

中嶋さんとの昼食を楽しみにし、いよいよ入館。先ずは、地下2階の
第一展示室。最初に目に入ったのは「厨子入りの勒菩薩半跏像」。
快慶の作風を思わせるような凛々しいお顔立ちの像。

厨子に描かれた諸尊像の彩色が見事に残っている。前面の扉には
無著、世親の像があり、さながら興福寺北円堂の仏像配置を連想
させる。

また、12人の護法善神扉絵の彩色も見事。形姿がくっきりと分かり
見応えがあった。この12人の組み合わせ基準は何だろうか。
梵天・帝釈天、四天王の他に、閻魔、阿難、玄奘三蔵も入っている。

次に、地下2階の第二展示室に移動。こちらは板彫十二神将が
展示されている。この像は元々東金堂本尊の台座を飾っていた
そうだ。これだけの像が飾る台座も見事であったろうと想像される。

この像は3体ずつ4面に展示されているが、干支の順には配置
されていない。像の動きを加味し、バランスよく配置されている
ようだ。合掌する真達羅大将(寅)を真ん中にし、向かって右に、
招杜羅大将(丑)、左に伐折羅大将(戌)の配置はまるで三尊像
のような形になっていた。落ち着いた印象を与える。

私が好きな像は迷企羅大将(酉)だ。片足を上げて、口を大きく
開いた姿は、躍動的であり、一番力強さを感じる。

最後に、3階の第三展示室に移動。仏頭と十二神将の展示され
ている。入口を通ると、正面奥に鎮座する仏頭が目に入る。入口
右手から干支の順(反時計回り)に十二神将が並んでいた。

十二神将は頭上にある干支の動物も、見どころの一つだ。最初に
目にしたのが毘羯羅大将(子)。このユーモラスな風貌が強烈な
インパクトだ。こちらの十二神将では一番のお気に入り。

顔立ちで好きなのは波夷羅大将(辰)、彩色が見事に残る安底羅
大将(申)も良い。形相に凄みを感じる伐折羅大将(戌)も印象深い。

仏頭はどの角度が良いかそれぞれ、角度を上下左右に移動して
眺めた。やはり左45度前後の角度が良いのではないかと思われる。
真後ろからも拝観したが、少し痛ましい。

一番奥には、同じ白鳳期の像として、深大寺の釈迦如来倚像が展示
されていた。こちらの像も素晴らしい。しかし、高貴な感じは、仏頭の
方が一枚上のように思える。

余韻に浸りながら、1階のホールに戻り、11時半の集合時間を待った。
中嶋さんも再度お見えになった。全員が集合したところで、昼食の場所
へ移動した。藝大の食堂は一般の人にはまだ開放されておらず、次に
近くのデニーズへ中嶋さんのご案内で向かった。

参加者16名、全員日替わりランチを頼み、楽しく歓談した。皆さんから
中嶋さんへの質問も交え、和やかなひと時を過ごす。

藪内先生はイベントや講演会も多く、中嶋さんもその準備に大忙しの
ようだ。近々福井へのご出張もあり、講演もされるとのこと。

「中嶋さんもNHKのテレビに出て有名人になり、色々、引っ張りだこで
しょう」と言いましたところ、「NHKに出たお蔭で、皆さんとお知り合い
になれたことです」とのお言葉でした。本当に嬉しく、有難いことです。

BACは今後も〝莉恵ちゃん先生″をしっかり支援して行きましょう。

昼食後、帰り道に撮影
(全員の記念撮影できず、残念)






2013年9月20日金曜日

朝倉さん「シルクロードの仏たち」について語る!!


9月の定例会には会員24名が参加。8月とは打って変わって、
超満員の賑わい。今回の学習会テーマは2つ。

1点目は朝倉さんにシルクロードの仏たちについて、仏像の誕生
から特徴、ガンダーラのエリアや現在の状況などを話して頂く。

朝倉さんはシルクロードに対して、興味・関心が極めて強く、様々な
写真やデータを収集しファイリングされている。今回、手作りの地図
や画像を活用し、約40分解説をして頂いた。

アレクサンドロス大王の遠征で植え込まれたヘレニズム文化、その
影響を受けて生まれたガンダーラの仏像を地域毎に紹介された。

ガンダーラ仏の特徴として、彫りの深い顔立ち、緩いウエーブの
かかった髪、耳朶環状、等々。紹介仏像の一部を掲載。


来月の学習会は、山森平世さんの「伎楽面に関する考察」です。


2点目は藝大美術館での興福寺仏頭展に関連し、興福寺の縁起
や興福寺の仏像について学ぶこと。

山階寺、厩坂寺そして興福寺と移転を繰り返した、その歴史を知る。
その後、北円堂、東金堂、五重塔、西金堂の堂塔建立が続いた。
建立発願者とその目的を一覧にしてまとめた。

「興福寺の仏頭」造像の歴史や経緯、蘇我倉山田石川麻呂に関連
する歴史上の出来事も押さえた。来週の仏頭展を皆さんが大いに
楽しまれることを願っている。

              興福寺仏頭    深大寺釈迦如来
                           (今回 出陳) 

2013年9月11日水曜日

阿佐谷地域区民センターにて仏像講座開催!!

 
阿佐谷地域区民センター協議会主催「仏像講座」が開催されました。
本日は「仏界の相関図」について、序列と系列をキーワードにして
解説しました。
 
皆さん、真剣に耳を傾け、熱心にメモを取られていました。さすがに
関心の高い方のお集まりです
 
主催者側の方、曰く「応募枠50名に175名の応募を頂き、急遽、枠
を65名に広げ、ご案内しました」とのことです。初日の本日は、ほぼ
予定通りの参加となったようです。
 
BACメンバーで応募されながら、選ばれなかった方には、定例会で
別途、講座内容のご報告をいたします。よろしくお願いします。
 
第2回目は「着衣」「印相」「台座」などを中心に、仏像の見分け方を
解説する予定です。

2013年8月29日木曜日

ゆうゆう西荻北館 引き続き下期利用確定!!

 
  利用申込団体一覧     理事長の話を聴く代表者
 
本日10時、ゆうゆう館利用団体の代表者が集まり、H25年度下期の
利用について抽選会がありました。(お蔭さまで、抽選もなく要望通り)
引き続き、第3金曜日午前、同じ部屋の利用が可能と決定。
 
ゆうゆう西荻北館運営の薗部理事長がご挨拶の中で、区立施設の
再編整備計画(区のホームページで公開)についてご説明がありました。
先々は今と同じようには使用できないかもしれませんと、残念な思いを
にじませていました。
 
参加者からも困惑の声が上がり、杉並区が長寿番付全国ベスト10
に入るのも、ゆうゆう館での活動が大きく貢献しているのではないかと
力説される方もいました。
この事に関連して、日経新聞の取材を受けたことも話されていました。
 
我々の活動ができるのも、半年単位での計画が立てられるからであり、
毎月の会場探しが必要となれば、継続困難になるのではないかと思わ
れます。
再編整備計画を見守りながら、適切な対応が必要と感じた次第です。
 
 
 


2013年8月21日水曜日

藪内佐斗司展「やまとぢから」を体感!

 
 
群馬県立館林美術館     展示会場入り口
 
 
 

        孫悟空、猪八戒、沙悟浄     小天狗と治道翁
                            (後ろは鹿坊、鹿爺)
 
阿修羅童子
 
沙羯羅童子
 
迦楼羅童子
 
魔王
 
群馬県立館林美術館で開催中の藪内佐斗司展「やまとぢから」を
鑑賞した。故郷での墓参りの帰り、立ち寄った次第。
 
「やまとぢから」と題した展覧会は、藪内佐斗司さんの30年以上
に及ぶ活動を紹介する全国巡回の展覧会。福井市をスタートし、
堺市を経て、今回、故郷の館林で開催されている。
 
藪内さんは、せんとくん生みの親であり、東京藝術大学 大学院
文化保存学教授としてご活躍。NHKの講座でもお馴染み。
 
駐車場から美術館入口までの距離が長い。敷地面積が広大。
展示は3部構成となっており、会場も分かれる。受付後、最初に入場
したのは第2部平成伎楽団の会場。
 
ここは写真撮影が可能とのことで、ばちばち撮影。せんとくん似の
作品が会場一杯に展示されている。中には強面の大きな像もあり、
迫力もある。これらの像は、せんとくんの仲間たち「平成伎楽団」の
メンバー。その「平成伎楽団」については掲載の解説ご参照。
 
三蔵法師のお供、孫悟空、猪八戒、沙悟浄もいる、八部衆の
メンバー阿修羅童子、沙羯羅童子、迦楼羅童子もいるし、仏教的
世界を楽しく紹介している。
 
第1部「こころとからだ」では、仏教、神話をはじめ薮内ワールドを
展開している。(第1部、3部は写真撮影禁止のため、画像なし)
 
第3部「伝世古~文化財保護への取組」が私には一番関心の高い
会場。修復像、模刻像が展示されており、じっくり拝観。
 
展示の阿弥陀如来立像は、藝大の中嶋莉恵さんの講演会(6月)で
お聴きした像ではないかと思う。確かに素晴らしい阿弥陀像だ。
快慶作 大日如来坐像 模刻や運慶作 静岡・願成就院の毘沙門天
立像 模刻の展示もあった。
 
運慶や快慶の作品(模刻)まで間近で見られ、嬉しい。毘沙門天は
今年国宝に指定されている。益々有難味が増す。
 
藪内先生が影響を受けた伎楽面の模刻像も3点展示されていた。
今まで以上にまじまじと眺めた。味わいのあるお顔だと改めて感心した。
 
「やまとぢから」とは・・・(ジュニアガイドから抜粋)
インドの国からアジアの国々を通って、日本に伝わった仏教は私たち
の先祖と深く関わりながら、私たちのこころ豊かにしてきました。
「やまとぢから」とは、日本人が大昔から伝えてきた知恵や生きる力
のみなもとです。
 
墓参りを済ませ、ほっとした後、素晴らしい作品を鑑賞できた。
大変充実した一日となった。