2014年7月24日木曜日

玉川大師 地下霊場順拝!


昨日は二十四節季「大暑」。今日は更に暑く感じる。朝10時、二子玉川駅
改札口に13名が集合。こんな暑い中、よくぞお集まり頂いたと感心・感謝。

水分補給はこまめにし、熱中症にだけはご注意頂くように、お願いした。
目指す玉川大師は二子玉川駅から歩いて15分。井戸さんのご案内で、
向かった。

朝早いためか、お堂にはどなたもいない。地下霊場を巡るため、堂内に
上がり、受付の方がお見えになるのを待つ。代表者の氏名、住所、何名
の参拝かを台帳に記入するように言われる。

注意事項を言われた後、一人100円を納め、いよいよ地下霊場へと入る。
この霊場は、大日如来の胎内を表し、四国88か所、西国33か所両霊場
の修行ができるとのことだ。何と有難い霊場だろうか。

真っ暗闇の中、壁を触りながら、正に手さぐりで進んで行く。途中、明るく
なるところに88か所のお大師さまや沢山の御仏の像が鎮座されている。
お静かにお廻りくださいと言われたが、ついつい声を出してしまうようだ。

          お大師さまの像          涅槃の釈尊
 
烏枢沙摩明王
参拝者が我々以外に数名だけということもあり、ついついワイワイしながら
の順拝となった。お大師さま、失礼をお許しください。
 
順拝を終え、お堂の座敷に座り、暫く歓談休憩をした。このような時間こそ、
心が和み、有難く感じるひと時と言える。
 
お堂の周りには、沢山の大きな石仏が並んでいる。特に、弘法大師像の
大きさには驚く。
 
               地蔵尊         愛染明王
 
              不動明王       弘法大師
 
最後にお堂への階段の上に並び記念撮影をする。
          (撮影者:木村)        (撮影者:牧野さん)

本日の御朱印
 
玉川大師を後にし、近くの寺院を2つ参拝。注目した仏像が2体。

          妙蓮寺・常不軽菩薩   玉川寺・普賢菩薩?帝釈天?
             
           
駅近辺のビルには沢山のレストランが入っている。選んだのは中華。
楽しく、美味しい昼食となる。大変暑い中のご参加、お疲れ様!(合掌)
 
 

2014年7月18日金曜日

東京藝大 中嶋先生の講演会開催!


7月の定例会は東京藝大の中嶋莉恵先生の講演会。参加者は28名。

講演会開始前に、九品仏浄真寺の「おめんかぶり」にご参加される
岡本さんから日時や当日の流れについてのご連絡があった。同伴者
に小池さんも出演される。ご都合のつく方はぜひ応援に行きましょう。

「おめんかぶり」出演を報告される岡本さん
☆8月16日(土)11時から約30分間☆
 
いよいよ中嶋先生の講演会。昨年6月に続いて2度目。
今回は最近の活動(修復)状況についてお話し頂いた。
具体的に千葉県館山市の那古寺(なごじ)の木造阿弥陀如来坐像修復
の様子を詳細に解説された。
 
この阿弥陀像は平安時代、カヤの一木造で造像されているそうだ。
虫食いがひどく、像が大分傷んでいたようだ。彩色を外すのに1か月、
解体にも1か月もかかったとのこと。
 
「含浸強化」「充填(じゅうてん)」「木屎による穴埋め」の作業手順がある
ことを学んだ。虫食いで弱体化した材をいかにしっかりしたものにするか、
しかも可逆性があることが求められる。
 
カヤ材の像にヒノキ材で修復するのは、後補であることが分かるように
敢えて別材が使われるようだ。修復のヒストリーを残し、将来の再修復
に備えている。現状維持を大原則とし、何も足さない修復の思想を良く
反映しているように感じた。
 
平安時代にも関わらず、玉眼となっていたところは、ヒノキ材で彫眼に
戻されたそうだ。過去の修復が明らかに誤りであれば、時代考証の上
あるべきものに変えることもあるようだ。
 
また、依頼主の要望もあり、必ずしも時代考証的にあるべき姿に戻す
ことばかりでないこともあるとのこと。ちょっと悩ましい問題だ。
 
現在、修復を手掛けている仏像についても紹介された。修復後の像を
拝観する日が楽しみになる。
 
修復活動の後は、仏像彫刻における木彫道具や素材の木について
の解説をして頂いた。クス、カヤ、ヒノキ、キリなどを実際に手にして、
木目、色や、香りを実感した。
 
皆さんから出た、沢山の質問に丁寧にご回答いただいた。大変和やか
な雰囲気の中、講演会が終了した。
 
貴重な文化遺産である仏像を、拝観できるのは、保存修復の優れた
技能に支えられていることを皆さんよくご理解されたことと思う。
BACとして、引き続き、莉恵ちゃん先生を支援することを皆さんで確認
した。来年もまた、講演会よろしくお願いしま~す。
 
講演会終了後、近くのファミレスでお食事をし、楽しく歓談。満足!満足!
 
解説をされる中嶋先生

         講演会の様子          ご参加の皆さん
 
                
                

2014年7月15日火曜日

「奈良・京都の国宝仏」講演会開催!


7月1日と本日(15日)の2日間、阿佐谷地域区民センター協議会主催の
講演会でお話ししました。テーマは「奈良・京都の国宝仏」です。

全国で128件の仏像が国宝指定を受けています。その内、奈良で71件、
京都で37件と占率にして実に84%になります。

初日には奈良の仏像を飛鳥、白鳳、天平の時代別、かつ制作技法(素材)
毎にご紹介しました。天平時代は塑造、乾漆造の名品が多く、見応え満載
であり、技術水準の高さにも圧倒されます。

2日目の本日は、京都の国宝仏を寺院ごとに解説しました。平安京遷都前
の仏像として、広隆寺、観音寺、蟹満寺所蔵分を取り上げました。
遷都後として東寺、神護寺、仁和寺、清凉寺、浄瑠璃寺、平等院、最後に
三十三間堂の諸尊像をご紹介しました。

主催者側のご好意で定員をはるかに超え、90名の皆さんがご参加されて
いました。2日目の本日も欠席者がほとんどいませんでした。
皆さん熱心にメモされながら、お聴きいただきました。有難うございました。

ご挨拶される講座運営部の原山部長

 熱心に受講されるご参加の皆さん

ご紹介映像の一つ
 



2014年6月26日木曜日

築地本願寺を参拝!


曇り空の下、午前10時、築地本願寺正面入り口に18名が集合した。
どっしりとしたインド風の建物はいつも参拝者を快く迎え入れてくれる。
今回は、事前に団体参拝の申込をしておいた。お陰で、お坊さんから
築地本願寺の歴史や堂内の仏さまについてご説明をお聴きする機会
を得た。

この土日に「親鸞聖人関東伝道八〇〇年」の大きな法要が行われる
そうだ。その準備もあり、本堂は閉扉され、正面からのご本尊参拝は
叶わない。お坊さんに案内され、本堂横の通路からご本尊の阿弥陀
如来像や聖徳太子像を拝観し、ご説明を受けた。

築地本願寺の発祥は1617年(元和3年)浅草・横山町(現日本橋横山町)
にあった「江戸浅草御堂」とのこと。その御堂が明暦の大火(1657年)で
焼失し、区画整理のため移転を命じられたようだ。

幕府から指定された地域が八丁堀の海上であり、海を埋め立てして
地を築き、1679年に「築地御坊」が再建された。築地と言う地名の由来
も知った。築地御坊と呼ばれることによって、その一帯が築地となった
のだろう。

1923年の関東大震災で堂宇を焼失し、火に強い建物として、1934年に
建築家・伊東忠太設計による古代インド仏教様式の外観を持つ本堂が
完成した。今でも斬新な建造物に見える。当時の人々は恐らく度肝を
抜かれたことであろうと想像される。

伊東忠太らしく、堂内にはいろんな動物が棲んでいる。動物を探しながら
堂内を観て回るのも楽しい。牛、馬、獅子、鳥、猿、象など。仏教的な意味
を考えてみるのも面白い。

お坊さんのご説明の後、質疑応答の時間もあり、皆さんいろんな質問を
されていた。「阿弥陀さんに、観音・勢至を脇侍とされる三尊形式では
祀らないのですか」(小池さん)の質問に対し、浄土真宗は阿弥陀様一仏
に帰依していますとのご回答でした。

一通り、拝観した後、記念撮影し、早めの昼食に築地名物の寿司店へ
向かった。時間も早めのため、直ぐに入店できた。注文の品が出てくる
まで、多少時間はかかったが、リーゾナブルな値段でもあり、合格。

昼食後、解散とした。築地で買い物をする組、もう一度築地本願寺で
正面からご本尊を拝観する組に分かれた。

          築地本願寺本堂      お坊さんの解説を拝聴

        本堂を背に記念撮影    本堂内陣を清掃されるスタッフ


昼食後には本堂も開扉されており、正面からご本尊を拝観できた。

        ご本尊を参拝される会員   ご本尊・阿弥陀如来立像


2014年6月20日金曜日

今月の学習会は「須弥山世界と四天王」


6月の定例会は26名の参加があり、学校形式の配席で進めた。
今回は、体験談や研究の発表者が決まっていなかったため、幹事が
「須弥山世界と四天王」と題してのミニ講座を開いた。

須弥山世界の前に毘盧舎那如来の蓮華蔵世界とはどんな世界なのか
を図を見ながらイメージして頂いた。
次に、取り上げたテーマは以下の通り
①仏を生む仏「毘廬舎那如来」とはどんな仏か?
②蓮華蔵世界の小世界=「須弥山世界」とはどんな世界?
③なぜ須弥壇の四方に四天王が配置されるのか?
④邪鬼は四天王に踏まれているのか、四天王を支えているのか?
  等々。
      蓮華蔵世界の図     東大寺、唐招提寺の毘盧舎那如来

       須弥山世界の図      東大寺戒壇堂の四天王と邪鬼

終了後の感想の中に、インドの人はそんな昔(4世紀頃か)に、このような
世界観を持っていたとは驚きとの声も聞かれた。

聖徳太子創建の「大阪・四天王寺」、聖武天皇創建の「奈良・東大寺」は、
共に「四天王に護られた国の寺」との呼び名がある。四天王が国家の
守護神としていかに心強い存在であったか、また同時に仏教が根付くに
当たり果たした役割も強大であったと思われる。

これからは、ご本尊ばかりでなく、須弥壇を護る四天王、邪鬼にも注目し
て頂けると嬉しい。

今月の拝観寺院「築地本願寺」について、もう一人の幹事・井戸さんから
見どころの解説があった。
★今後の予定は・・・
  (7月)世田谷区・玉川大師、 (8月)目黒区・大円寺&松岡美術館
  (9月)小平市・平櫛田中彫刻美術館、(10月)港区・サントリー美術館

☆☆7月の定例会は東京藝大の中嶋莉恵さんの講演会を予定
    お楽しみに・・・



2014年5月29日木曜日

「映像から学ぶ仏像の見方」講座開催

 
BAC会員杉原さんのご依頼で仏像講座・講師をお引き受けした。会場は
ゆうゆう阿佐谷館、先着20名募集の講座として企画された。
 
講師紹介が仏像研究家となっているのには驚く。研究家と言われると
ちょっと気恥ずかしい。単なる愛好家のつもりでいる。
 
当日の参加者は21名。高井戸でのお話(4月19日の講演会?)を聴いて、
また参加しましたと言う方が数名。所蔵の仏像(童子像と円空仏)をご持参
されて、いろいろご質問される方。94歳のご高齢の方。女性が多い。
 
荻窪東館での講座でご一緒の林田さんもご参加とは嬉しく、有難い。
 
「今回は初級編を」とのご要望。「序列と系列」という整理棚での解説とした。
基本的なことと合わせ、人気仏像の画像をたくさんご紹介した。
 
皆さん、熱心にメモを取り、質問も多く、活気ある講座となったように思う。
終了後、お勧め図書の照会や、今後の学習方法などについての質問も
受ける。体系的な話が聞けて、整理がついたとのお言葉も頂く。
本日も仏縁が広まったように感じられた。(合掌)
 
 ご紹介解説画像の一つ              講座の様子

2014年5月22日木曜日

東京藝大 大学美術館「法隆寺ー祈りとかたち」を観覧!


午後からの天気が危ぶまれる。朝は晴天。青空の下、上野駅から
藝大美術館へ向かった。10時、美術館入口に19名の会員が集合。
法隆寺展を観覧した。

 
                   陳列館・阿弥陀浄土図 前
 
 
【陳列館に展示の浄土図】
                 釈迦浄土図

弥勒浄土図         薬師浄土図
 
阿弥陀浄土図
 
 何と言っても、今回の展示の中で、一番の注目は国宝の吉祥天立像と
毘沙門天立像。両像とも小振りなのは、法隆寺金堂の釈迦三尊像に
合わせたためとのことだ。動きや表情も控えめな感じがする。
 
両像とも彩色や截金が見事に残っている。普段、目にすることのできない
背面の彩色も拝見した。その鮮やかさに驚いた。紫外線に当たる時間が
少ないためか。背面は、美術館でしか鑑賞できない。
 
この像を前にし、毎年、新年行事の吉祥悔過(きちじょうけか)が行われて
いる。今までどれだけ、多くの人の懺悔を受け止めてきたのであろうかと
ついつい想像してしまった。
 
もう一つの注目は祈りの仏画・鈴木空如の金堂壁画模写。壁に掛けられ
た原寸大の壁画には圧倒される。原画の傷みまで再現されている。これ
だけの技量があれば、修理しての仏画も拝観したかった。
 
特に、阿弥陀浄土図は鮮やかな色彩であり、浄土図の中で一番インパクト
があった。阿弥陀、釈迦、薬師、弥勒の浄土や菩薩像に囲まれた空間は、
祈りに満ちた特別な場所、浄土の世界であっただろうと想像がつく。
また、鈴木空如にとっては、後世に伝えようと必死に格闘した世界でも
あった。
 
いろんな作者が制作した聖徳太子像(彫刻、絵画)がいくつも展示されて
いる。二歳像、孝養像、摂政像、厩戸皇子、上宮皇子など聖徳太子ほど
神格化された人物はいないと改めて認識した。平櫛田中 彫刻、前田青頓
彩色の聖徳太子像(摂政像)が好きだ。
 
高村光雲作 定胤和上像も素晴らしい。高僧のオーラを感じさせる像で
あり、眼のくぼみが眉に見える。この方が法隆寺の宗派、聖徳宗を興した
学僧とのことだ。
 
金堂壁画は別棟の陳列館でも展示されている。こちらは最先端技術を駆使
した「超高精細映像表現作品」となって紹介されていた。法隆寺金堂を再現
した展示で臨場感がある。
カメラ撮影の了解を得、阿弥陀浄土図をバックに一枚撮らせて頂いた。
 
法隆寺展は今回が2度目の観覧であり、法隆寺と東京美術学校(藝大)
とのつながりも理解が深まった。藝大には引き続き、日本の文化遺産保護
のためぜひご尽力をお願いしたい。BACも微力ながらご支援させて頂く。
 
終了後、8名で中華料理に舌鼓を打った。